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【インプレ】Netflix:『ツールドフランス:栄冠は風の彼方に』

これは待ってました。
Netflixでは、F1でも同じような構成で、レースに携わる選手、監督、関係者へのインタビューを通して、レース以外の出来事や人間模様をドキュメンタリー調にした番組をやっていたが、その舞台をツールドフランスに置き換えた番組が遂にやってきた。

最近、飛行機での出張があったのでiPhoneにダウンロードして一気見してきた。
ところで、ツールドフランスってなに?って方にはChatGPTパイセンの回答を共有しましょう。

当たり障りのない回答

3週間にわたってほぼ毎日6時間くらい走り続ける、世界で最もキツいスポーツ。
どれくらいキツいかというと、1日で6000キロカロリー消費するとか。
1チーム9名で出場し、その中の1人をエースとし、その他8名のアシストが犠牲になってエースをゴールへ送り込むチームスポーツでもある。

放送だと先頭近くを走るエースの選手が自然と注目されがちだが、その裏にはアシストの犠牲や監督らの指示・声援があることをこのドキュメンタリーではうかがい知ることができ、レースはそれぞれの選手の人生が折り重なってできあがっているのだと思える。毎話、胸が熱くなった。

全8話、どれも1時間弱あるので通しで見るのは中々なので、オススメエピソードを紹介したい。

第3位:エピソード2「地獄へようこそ」

ツールドフランスは3週間の合計タイムを争う総合順位だけでなく、各ステージでも優勝を争う。ハナから総合順位を狙えないチームはステージ優勝を複数回狙いにいったり、チームによって戦略は様々。
このエピソードでフォーカスされるのは、ユンボヴィスマという総合1位を狙える選手が複数、ステージ優勝が複数回狙えるような選手がいるというチーム。ちなみにロードレースは強い選手が複数いれば強いという単純な競技ではなく、全員がチームとして機能できるかが問われる。
このエピソードではステージ優勝を複数回狙える超人ワウトの葛藤が描かれている。ステージ優勝を狙うのか、チームオーダーとしてエースをアシストすることを優先するのか。
ワウトの超人っぷりも含めて見どころのあるエピソード。アツい。

第2位:エピソード4「意地のアタック合戦」

このエピソードは総合順位1位を狙う選手のみで固まる集団において、相手を疲れさせて蹴落とすべくアタックの応酬が繰り広げられる。
アタックとは、簡単に言うと立ち漕ぎでダッシュすること。ロードレースは人の後ろについて風の抵抗を和らげることが重要なので、一度置いていかれたら余程のことがないと追いつけない。アタックを食らったら必死にしがみつき、逆にアタックを仕掛け返すくらいでないといけない。心拍数は天井を打ち続け、脚は乳酸でパンクしそうになる。
世界トップ選手のアタック合戦はそれだけで絵になる。アツい。

第1位:エピソード8「パリへ」

ツールドフランスの最終日は必ずパリのシャンゼリゼ通りがレース会場となる。
ただし、各ステージでは先頭から◯◯分以内にゴールしないと足切りされるルールがある。平坦で速く走る選手の多くは体重が重く、山登りが苦しい。その選手がエースのチームはアシストが周りを走ってサポートをする。放送では見られないシーンである。
とはいえ、エースと道連れに全員が失格になるわけにいかず、、、

もう一つは、総合順位争い。ユンボヴィスマとライバルチームのエース、ポガチャルの最終決戦。ここでもロードレースにおけるチームプレーの重要性が描かれていて、アツい。

他にも若手とベテランの争いだったり、チーム内での抗争だったり、見どころが山盛りなので、ツールドフランス2023のレースとともに、是非見ていただきたい。

昨日のツールも、アタックに成功したユンボヴィスマのエース、ヴィンゲゴーが千載一遇とばかりにガチ踏みしてる最中、追走するライバル、ポガチャルを追いつかせないためにユンボのチームメイトが邪魔をするという、ロードレース好きとしては胸熱展開だったので、胸熱になる下準備としても本作品はオススメです。

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