写真は愛
BRUTUSのバックナンバー、『特別編集合本 写真術』を中古で買った。2011年10月発行だから、なかなかに古い。
写真術といっても単なるノウハウ本ではなくて、活躍している写真家たちの自分なりのルールや、カメラや写真とどう向き合っているかなどの精神性に焦点を当てた記事がメインです。
川島小鳥さんのインタビュー「作り込まない」
なかでも、川島小鳥さんのインタビューがとてもよかった。この回の表紙にもなっている女の子、未来ちゃんついてのインタビュー。
笑ったり泣いたり、驚いたり、ムッとしたり。何をするにも全力な未来ちゃん。そんなむき出しで気取らない未来ちゃんの写真を撮れる理由について、川島さんは未来ちゃんが子どもで、「自分の人生に集中している」からだと言っていた。
写真を撮るという行為自体、ある"わざとらしさ"を含んでいますよね。だから"こっちを向いてほしい"とか、"こう動いてほしい"とかいう僕の意図が出ない方がいい。(川島さん)
わたし達は大きくなるにつれ、カメラを向けられれば笑顔をつくるし、どこか気取ってしまいがちだ。
でも、わたしも彼が撮る未来ちゃんのように、わざとらしさのない写真が撮りたいと思った。その人がカメラを意識していないような一瞬、無理に作った笑顔じゃなくて、わざとらしさのない一瞬を撮りたい。
ちなみに未来ちゃんの写真は、特別付録にもなっている。どんな表情でも可愛らしいから、未来ちゃんはすごい。
平間至さんの企画「アルバムは愛の結晶だ」
川島さんのインタビューともう一つ、何より印象に残ったフレーズがあった。それが、平間至さんの企画ページの一見出し「写真は愛」。
企画内容は、写真家の平間至さんと女優の成海璃子さんが鎌倉で写真を撮りあい、一冊のアルバムにするというもの。
写真を撮っても、パソコンの中に入れっぱなしだったり、プリントしても押し入れの中にしまっていたら、価値がない。でもアルバムを作ると、誰かに見せたくなるでしょ?人に見せることで、初めて"写真"になるんですよ(平間さん)
写真を撮る理由は人それぞれだけど、きっと多くの人が、誰かに見せたくて、喜んでもらったり驚いてもらったりしたくて撮ってるんじゃないかな、と思ってる。
わたしが人を撮ってきたのも、撮りたいと思うのも、誰かが撮った写真に見惚れるのも、きっと愛なんだろうなぁ。
写真は愛。そう思ったら、ますます写真が好きになった。
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