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2019年を日記で振り返る

“わたしなんか”を言い訳に、努力や叶えたいことを諦めることはしたくない。”そう思っていたのに、この1年はそれとは程遠く、自分を卑下したり、人に迷惑かけたりが多い年でした。

それでも、失敗をフォローしてくれて、一緒に仕事をしてくださった人たち、わたしの文章や記事を読んでくれた人、生きる力になる言葉をくれた人、SNSやらで日常を見せてくれた人がいたから、今年1年を生き延びることができました。

そういう意味では、今までで1番、人に生かされた年だったと思います。

そんな1年で感じたことや思ったことを、日記の文章を書き写しつつ振り返りたいと思います。

1月 根が明るいコンプレックス的な

youtubeで、みうらさんと清水ミチコさんのラジオ対談を聴いていたら、すごくおもしろくて、何度も声出して笑っちゃった。みうらさんが、「ミッちゃんとおれの大きい共通点はね、根が明るいことなんですよ」。「苦悩とかあっても、2〜3日経つと立ち直ってたりする自分がちょっと嫌なことないですか?」って。わたしも、それだって思って、肯定されたような気がした。

ほぼ日の塾がはじまったばかりの頃で、フリーランスになったばかりの頃。お給料が10万円減って死ぬかと思ったのが懐かしい。1月のわたしは、みうらさんの言葉に「それだ」って思ったらしいけど、今年はしんどいこと引きずりがちだったなーと思います。

2月 歳をとることとか、人生とか

歳をとるのも悪くないって、見せてくれた。その人は39歳になって自分の限界もわかって「こう思われたい」とかそういう気持ちがなくなってきた、と言っていた。わたしも早くそうなりたいなー。無駄なプライドとか、粉々にしてポイしたい。

同じ留学先に行ってた人とご飯に行った日の日記。自分のやりたいことにふりきってて、かなり年下のわたしの言葉にも熱心に耳を傾けてくれる人で、心底、わたしもそんな風に歳をとりたいと思いました。その日、その人が教えてくれた村上春樹さんの『回転木馬のデッド・ヒート』がすごく好きでした。

留学でもオンラインサロンでも、お金稼ぎでも。何かで人生が変わるって幻想を抱いたり、奇跡をカンタンに手に入れられるものだと思ってたりする。でも全然そんなことなくて、きっと本当の奇跡は、大森(靖子)さんみたいに、これまで出会ってきた書き手・作り手の方々みたいに、もがいて苦しんだ先でようやく形になるもので、手作りでしかないんだって思う。

大森靖子さんの「奇跡は手作り」って言葉は、ずっと大切。

3月 ほぼ日の塾が終わった

答えは自分のなかにしかなくて、近道はないから、考えて感じて、自分で掴みとっていくしかないんだ。だから、今はダメでも、そんな自分と向き合いながら、書き続けたい。

ほぼ日の塾が終わった3月。フリーランスになる前も後もずっと自信が持てず、どこかにある答えを見つけようと躍起になっていた自分に、答えは自分で掴みとるもので、近道はないと教えてくれた時間でした。読者から時間をもらうことの責任感。小さいところこそ手を抜かずに丁寧にやりきること。思いを込めた文章には力があること。改めて思い返します。

4月 JIN(ドラマ)を見た感想

ふと思い立って、JIN(ドラマ)を一気見した。南方先生と龍馬さんは、お互いが希望の光になっているように思えた。龍馬さん達との出会いで南方先生が変わっていったように、「自分だけで何かしよう」と思わなくていいんだよな。ちっぽけな自分でも、人に影響を受けたり与えたりして、誰かを照らす光くらいにはなれるかもしれない。それで誰かが歩みを進めるための原動力になりえたら、そんな嬉しく素敵なことはないと思う。

JIN、いいドラマだったのでぜひ。ストーリーは、江戸時代にタイムスリップした医者の南方先生が、「自分のやってることは無駄じゃないか。歴史を変えたり、誰かを傷つけたりするんじゃないか」という気持ちと戦いながら、目の前の患者を救っていく話です。内野聖陽さん演じる坂本龍馬がハマっていました。

5月 愛がなんだの感想

映画の日でチケットが安くなる日だったから、ここぞとばかりに「愛がなんだ」を見た。(中略)好きな人と過ごすために会社を休んで動物園に行って、その人の隣でゾウを見て泣いちゃうような、そんな気持ちがあることをわたしは知らなかったな。

誰に共感するわけでもないけど、ある意味どこでもまっすぐなテルコ(岸井ゆきのさん)が愛おしいな、と思う映画でした。原作の角田光代さんの小説も好きです。

6月 ムダに見えてもムダじゃない

「優れたヒット企画の大半は、日常風景に違和感を感じた人が、『人はこうしたいに違いない』と思って生まれているから、日常風景をバカにしちゃいけないと思います」(朝渋のトークイベントにて、嶋さんの言葉)

博報堂ケトルの嶋さんの著書『アイデアはあさっての方向からやってくる』の発売記念か何かのトークイベントで聞いた言葉のメモ。嶋さんは一貫して「無駄なもの(無駄に見えるもの)」の大切さを説いていて、そういう仕事の仕方をしたいなぁとつくづく思います。

7月 文章読本を読んだ

「書くに値する内容がなければ字を書いてはいけない、ということである。記すに値することがあってはじめて筆をとれ書くべきこと、語るべきことがあるとき、言葉は力強く流れるだろう
(丸谷才一『文章読本』より抜粋)

久しぶりに読んだ文章読本。特に刺さってメモしたのが、上の内容でした。

また、丸谷さんは「名文を読む」ことを勧めています。言葉を意識の底に収集しておくことで、その時々に応じて言葉を取り出して、自在に使えるのだと。改めて、名文といわれる古典を読もうと思いました。

8月 東京に「帰ってきた」と思った日

東京に帰ってきた。初めて、東京にきて「帰ってきた」と思ったし、なんというか、落ち着いた場所に帰ってきたという感覚があった。少し泣けた。
できないことはできないし、わたしはわたしにやれることを最大限やるしかないと思ったら、少し気が楽になった。

父が入院して実家に帰ったり、自分より若い知り合いが亡くなってしまった8月、実家から帰ってきた日の日記。お休みをいただいたり、集中できなかったり寝すぎたりで、ロクに仕事もできず。申し訳なさに押しつぶされつつ、いろいろな人に支えられて生きていることに感謝した月でした。東京に住んで、もう2年です。

9月 人と食べるご飯はおいしい

自己嫌悪とか承認欲求とかが、スルスルと手放されていく感じがした。こんな自分でもいいよな、そんな人だって尊いよなぁと思わせてくれた。

8月末、9月は好きなひとたちとご飯にいけたから、少しずつ元気になれました。息がしやすい、と思った記憶。

10月 初めての落語と講談

渋谷らくご、ぜんぶおもしろかった。いうなれば人の話聞いてるだけなのに、こんなにも引き込まれるなんて。これが芸、表現かっていうのを見せつけられたし、人の心を揺さぶる芸の尊さを思った。最近ラジオ聴いてた神田松之丞さんの講談、聴けてうれしかった。「芸は奪えない」って言葉を芸でもって証明していて、本当に格好良かった。

落語や講談の「枕」もおもしろくて、するすると、本編に引き込まれていく感じでした。日記には、神田松之丞さんは、枕でジョーカーの予告編を何度もずっと見てる話とかしてて笑った、の1文。

10月前半は、悩みで押しつぶされそうになって、何をしても後ろめたくてメンタルが死んでたのですが、相談させてくれた人の言葉、誕生日を祝ってくれた人の言葉で生きることを肯定してもらえたり、救われました。心動かされた映画やドラマ、小説、漫画にも。

11月 文章を書くことについて

空白の時間を取り戻すみたいに、長く息ができなかった後の息継ぎみたいに、自分のための文章を描きまくっている。
わたしの日記を読んでみたい、と言ってくれた人がいて、わたしの書く文も、誰かのいい暇つぶしや気づきになったり、一瞬でも気分を変えたり、長く人生や日常の一部に生きづくこともあるかもしれないと、可能性を信じたくなった。感情には鮮度があるから、できるだけそれを残したい。自分の文章は誰に邪魔されることなく守れる、と思って書くから、公開するのは強い気持ちがいるけれど、怖がらずにもう少し、自分を見せられたらなと思う。

はっと気づくとかなりの月日が経ってる、というのを繰り返した1年だったから、来年はもっと日記を書くのを習慣化したいと思います。あんまり怖がらずに、noteももう少し書きたい……。

12月 文章を書くことについて そのに

ほんとは、悲しみの底に沈んで不幸でいることの方が、楽しむことよりも簡単で。面白がろうとか幸せになろうって、もがいて手を伸ばすことの方がずっと難しいから、それができるのはカッコいい。売れたいとか好きなことしたいとか、書けるようになりたいとか、言葉にできる強さがまぶしかった。

正直にいえば、わたしは言葉を通して誰かと繋がりたいと思っているように思う。わたし自身が、映画やドラマや小説、ラジオでの言葉を通して、誰かの何かに触れられた気持ちになったような。ときに、その気持ちや気配が自分のなかに積まれていって、日常や人生に小さく宿るような。

文章コンテンツって生きることに必要不可欠じゃないけど、でも、自分がどれほど救われてきたかわからない。たとえ暇つぶしにしかならなくても、私も誰かを生かす暇つぶしを届けられるようになりたいな。

最後、長くなりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました。

2020年もどうぞよろしくお願いします。

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