出会って3週間の同期(無表情)と日帰り旅行に行くことになってしまった話 パクチーくんとシナモンちゃん ep2

前回予告でいった通り、旅行に行くことになった。

まだ一緒にメシに行ったこともない人たちと。

なんで????とはてなマークが浮かぶでしょう。
いまだに私も浮かんでいるんですから。そりゃそう。

長くなるけど、行くまでの経緯を読んでほしい。そしてできれば感想を聞かせてほしい。


オリエンテーションやら、研修業務やらで、4月の初めの2週間があっという間に過ぎていった。
その間もちょくちょく、2人に対して「??」と思うことはあったけど、
上司や周りが親切でいい人たちばかりだったので、初めてのことばかりで大変だけど、平和に過ごしていた。

上司に対する態度を見るに、シナモンちゃんは本当に人見知りで(本音を隠してそうだったけど)、

パクチーくんは1日目の無表情が嘘かのように、陽気に話していた。
自己紹介でも鉄板ネタを用意して笑いを取っていた。

言い忘れてたが彼は関西の人だ。おかげでその1か月後、私は関西弁を聞けなくなるほどのトラウマに襲われる。(もうホラー予告ですみません)

ただ、一見笑っていても愛想笑いで、頑張って目じりを下げているような笑いだった。目の奥は笑ってない。
なんか、喋りはそれなりに上手いけど、どこかビクビクしてんな、と感じた。

まあでも、どちらとも1日目よりは話せるようになっていた。

そんな折、上司と2人と私で近場に出張に行った時に、4人で昼ごはんを食べた。

上司の人柄のおかげもあり、2人の壁も溶けてきたように感じて、少しは私が2人に感じていた苦手意識も和らいだ。

そんなわけで、無表情な2人の態度から感じる毒も(パクチーくんは気を抜くと無表情になっている)、少しばかり解毒されていた。

その油断がよくなかったのかなあ。

ある日、「引っ越してきてそれなりに経つし、どこか出かけたくなってきた」、とパクチーくんがいい、私とシナモンちゃんも同意していた。

私も、少し「お出かけ」したい気分でもあった。


そんなこんなで、3度目の週末を目前にした水曜日。

パクチーくんからグループLINEに

「皆さん土日忙しい?温泉行かへん??温泉じゃなくてもいいんやけど」

とメッセージがきた。

…皆さんどう思います?

私はこう思った。

出会って3週間!(にも満たない)

ちょ、温泉は唐突じゃない?まだ3人でご飯食べたこともないんだよ?

皆温泉がそれなりに好きだということは会話の中で出てきていた。
私も温泉は好きだ。心許せる人と行くのは。
働き始めて数週間、疲れもたまってきたし、温泉に行きたいよ。一人なら。

ただ、出会って3週間の人、(しかもシナモンちゃんはまだまだ能面)と裸の付き合いをするのは、私は嫌だった。

すると、
「温泉じゃなくてもええんやけど」とLINEが。

(っっしゃ!温泉は回避したい!)

私は

「行きたいところは特にないけど、ごはんを食べに行きたい」と言った。

ごはん。これ以上の安パイがあるだろうか。

グッジョブ自分。イエーイ!


しかし、翌日。

彼は車で片道2時間の、隣県に観光に行きたいと言い出すのである。

もう一度言いますね。

片道2時間よ?????

出会って3週間よ?しかも職場でしか会ってないよ?

自己紹介は能面だったんだよ????

信じられます???


彼はこう言った。

温泉もあるし、道中、私が行きたいと言っていたご飯も行けばいいと。

えー、、、、、

キッツ、、、、、

しかしここではっきり言えない私がいた。

そしてなんと、もっと信じられないことに

シナモンちゃんが

「いいね!!」と賛同したのである、、、、、、、、、、


アンビリーバボー、、、、、、、


私はもともと断れない性格の上に、はっきりものを言えない。

そして、人付き合いが上手いタイプでもないと思っているから、自分の感覚に自信がない。

3人の中で2対1になる勇気がなかった。

そういうことを言うと、機嫌が悪くなる人が周りにいたから、私もビクビク型ではあるのだ。

行くのが嫌な理由も、

「お前らと片道2時間とか苦痛」

「私は、まだ打ち解けてない人と旅行に行けないタイプ」

「まだお前らが有害か無害かもわからない」

「つーか距離感バグってんじゃねーのか」

と、こうだから、私はこれを上手く、波風立てずに伝える方法が分からなかった。

それに、私は「出かける」というのは、せいぜい片道20分とか、30分の距離だと思っていた。

その「えっ」が大きすぎたのもあったと思う。
しかもシナモンちゃんはいいねって言ってるし。

ここでもう一度言わせていただきたいんだけれど、私たち3人の仲は、ひとつ前のエピソードからそんなに進展はしていない。

まあ、社交辞令の言葉は交わせるようになったかな、まだまだ距離感測ってる段階だけど、というレベルである。


どうにかやんわり断って軽い「お出かけ」に変えられないものか。。。

頭を絞った。

それにしても、片道2時間はかなりの距離である。行くのも大変だ。

パクチーくんが車を持っていて、運転できるという。

それ、話の流れを変えるのに良いんじゃない???

「大変だろうから、近場にしよ」って。

私とシナモンちゃんはペーパードライバーなので彼の運転に頼ることになる。

そこで私はトライした。

往復4時間は疲れるだろうし、と。

すると、

「いや、俺運転好きだから何時間でも平気なんよね。○○にも行ったし。」

私、あえなく撃沈。

だーーーー。伝わんねえ。伝わんねえよーーーー!!!!


その後も食い下がった記憶はあるのだが、

私はもう、面倒で、行くことになってしまった。

この壮大な「お出かけ」に。


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