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8/10(木) 雄武から宗谷岬

4時起床 気温22℃ 曇り
いよいよ最終日、今回最長の150km越えを走る
娘にとっても未知の距離
今まで走った最長距離の1.5倍
ホテルは日の出がキレイに見えるとのことなので
無事走破できるよう願掛けをする
日の出は4:24
5分くらい前に屋上展望に行くと既に数組がいる
あいにく曇りで日の出は見れなかったが朝焼けが美しい

久しぶりに日の出を見に

長丁場なので6時出発を目指して5時過ぎに娘を起こす
はずだったが、娘が起きない
どうやら、お腹が痛く気持ち悪いらしい
薬を飲ませて、回復するのを待つが
布団に包まって泣いている
あまり遅くなると夜走行は危ないし
チェックインもできなくなる
残念だが諦めざるを得ない
安全第一がこの旅の約束なので
と思ったら、妻が娘を励ます
近くのコンビニへ色々と買い出しに行ってくれた
女同士だからこそ言える言葉を掛ける
娘もここまで来たら最後まで行きたいだろう
とりあえず薬が効くまで待つことにした
幸いなことに回復し、本人の行く意志を確認して
無理せず行けるところまで、行ってみることにする

7:45出発
予定より2時間弱の遅れ
休憩も含めて18時前くらいに到着の予定だったので
到着したとしてもかなりギリギリ
前日に家族で落ち合えるように中継ポイントを決めた
60km地点の道の駅 マリーンアイランド岡島
90km地点の北海道ではお馴染みのコンビニ、セイコーマート浜頓別店
120km 地点のさるふつまるごと館
どこまで行けるかは分からないが、最後の旅がスタート

天気はだんだんと晴れてきた
だが、北と南はどちらも大雨が降っており
路面は濡れている
雨上がりなのか、雨が降るからなのか
風は冷たく走りやすい
それでも気温は30℃
娘はなぜか絶好調
20mくらいの低い坂が連続で続くので
ある意味走りやすい
平坦な道は実は変化がなく疲れる
低い坂は登るのはそれほど大変でなく
下る時が気持ちいい

今までで最もハイペースで第一中継所に到着
妻と長女が手を振って待っていてくれた
昼食はホテルが作ってくれたおにぎり
鮭と梅干しと魚のすり身とお新香
ホテルの朝食が始まる前に出発予定だったため
前日に妻が相談して用意してくれた
ありがたい
それに道の駅の名物、餃子カレーパンと
シャインマスカットのソフトクリームを頼んだ
かなり満腹感がある

船の形をした道の駅
食べ物の写真は撮り忘れた

娘の調子も良く、このまま行けそうな気がした
しかし、陽も高くなり暑さが厳しくなってきた
第二中継所でダウンしたのは娘ではなく私であった
多分、熱中症の一歩手前
日陰で寝転がり、冷たいものを飲んで体力の回復を待つ
だんだん気持ち悪くなり、コンビニのトイレへ
少し回復してから、妻が近くのドラッグストアで
OS1などを買ってきてくれた
娘ではなく、父親がギブアップするのが最もしてはいけない
気合でなんとか、行ける気がしてきたので再スタート

ナビは坂道少ないコースというのを選び
体力を消耗しないようにしているのだが
これがたまにマニアックなルートを案内する
車一台通れないような獣道みたいなところへ
道はガタガタ、娘は虫嫌いで悲鳴をあげる
それでも坂道よりはいいかと我慢して進む
1km以上進んだところで、絶望の通行止め
自転車旅で戻るという行為ほど
心を折られるものはない
でも、戻らないと前え進まないので戻る
もう獣道に案内されても、坂道登るぞと決めていたが
これまたトリッキーな場合がある
最初キレイな舗装道路でしばらくすると砂利道へ
しかも海外線沿いで、砂で車輪が取られる
それでも父娘とも体力的には回復してきていた

北海道には真っ直ぐに続く道がたくさんある
遥か前方に元気になった娘

このまま順調に行くはずだった
最後の中継所まであと十数キロと迫ったところで
私の愛車の後輪の様子が明らかにおかしい
走る度にカタンカタンする
すぐにパンクだと思った
砂利道で穴が空いたのだろうか?
だが、完全なパンクというよりは空気漏れという感じで
空気を入れるとタイヤは膨らむ
ゴールまで残り40km
誤魔化しながらなんとか行けるのではと試してみる
実際に中継地点まで10km進めた
残り30kmなので、何回か空気を入れれば
行けそうな気がする
でも、念のため替のチューブ は用意している
ここまで120km以上走っており
握力もかなり弱っているので、
できればチューブ交換はしたくない
空気を入れる回数はその後どんどん増えていく
空気もだんだん入らなくなってきた

残り12km地点で断念
休憩や迷い道もあり、既に18:00近い
チューブを交換することを決意
だが、やはり硬くてうまくタイヤが外せなかったが
娘が手伝ってくれたおかげで、何とか交換成功

このまま一気にゴールへ向かう
だがその前に今日最大の坂が連続する
もう体力がなくなっている私は歩く
娘は最後は降りずに完走したいと登っていく
娘の背中を見ながら、頼もしく思う

ゴールまで残り数キロ
ゴールをしたからと言って何があるのか?
なぜわざわざ自転車で遠い距離を移動する必要があるのか?
旅は結果よりもプロセスが大切だと思う
一生経験しないであろう経験を
今、娘はしているはず
そしてこの旅を通して成長しているはず
この旅の最初にした3つの約束
安全第一、自分のことは自分でする、助け合う
全てできている
そしてゴールまで達成しようとしている
本当に娘を褒めてあげたい
100点以上の旅である

もうすぐ旅が終わる
夕陽がとても綺麗だ
早く着きたい、でも終わるのが寂しい感じもする

夕陽が沈む
旅も終わる
月が夕日に照らされる


19:00到着
宗谷岬では妻と長女が待っている
自分にとっては11年ぶりの達成感
娘にとっては今まで味わったことのない達成感であろう
総走行距離700km以上
東京から車で行くとすれば、青森や尾道くらいの距離

最北端の岬の前でひとしきり記念撮影をする
夕飯を待たせているので、旅館へ

主役は2台の自転車
ここまて連れてきてくれてありがとう
家族写真もたくさん撮りました

そしてこの旅、最後のイベント
11年前長女と二人で宗谷岬の宿に来たときに
駐輪場に二人の名前を書いた
全国のライダーが目指すところなので
壁一面にサインやコメントが書けるようになっている
ただ、時間も経っているので消されている可能性もある
やっぱりないか、と思ったところで長女が見つけた
2011年8月10日、函館から来ました
というサインを
ちょうど近くにスペースは少し空いていたので
次女もサイン
2022年8月10日
奇しくも11年前と同じ日付に姉妹の旅は完成した
そして私の11年越しの夢も完成した

11年前のサインを見つけたときは感動した
そして新たなサインを加えてさらに感動

二人の娘、本当によく頑張った
ずっと気を利かせてサポートしてくれた妻、
本当にありがとう
家で留守番して寂しいだろう、猫ちゃん
ごめんね

ワタシも行きたかったよ

明日東京へ帰ります



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