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バイトとコーヒー

私はコーヒーが好きです。特にカフェラテが好きで、最近ネスプレッソを買ってしまいました。

コーヒー大好きアピールしていながら恥ずかしい話なのですが、実は私がコーヒーが飲めるようになったのは大学生になってからです。

それまでもコーヒー好きの母親に布教活動をされていて、朝食にコーヒー牛乳を出されたりしていたのですが、あの甘さでも結構無理でした。2つ下の妹はゴクゴク飲めていて、時々マウントを取られてましたね。ただ私の周りの子もあまり好きではないようだったので、焦りはなく、一生飲めなくても別にいいかと思っていました。

転機はバイトです。

大学に入ってすぐに、仕送りだけでは生活がままならない事を悟った私は、バイト探しに追われていました。右も左も分からなくて色々と迷ったのですが、選ぶ際に私ならではのモットーがありました。

それは「あまり好きでない物のお店で働く」ということです。「は?意味不明や」と思うでしょう。ちゃんと自分なりの理由がありました。

「フライドチキンが好きすぎて、ケンタッキーで働き始めたら、グロテスクな鶏たちを毎日見つめる事になって、食べられなくなった」とか「寿司が好きだから、チェーンの回転寿司で働いたら、業界の裏側を知ってしまって、今や嫌悪感しかない」という話を聞いてしまったからです。

その当時の私は舌がお子ちゃまだったので、オムライスのお店で働きたいなと密かに思っていたのですが、そんな話を聞いてやめました。好きな物を小遣い稼ぎのせいで嫌いになるのは耐えられないですもん。

「ならば、初めから苦手な物を扱えばいいじゃないか」と思い立ち、チェーンのカフェに決めました。噂通り、商品自体への思い入れがない分、仕事はスムーズに行えたと思います。

私の勤めていたカフェでは、1出勤につき1回だけ無料でコーヒーが飲めるというプチ賄いがありました。そもそもコーヒーが苦手なので、1、2ヶ月はその制度を無視していたのですが、バイトリーダーのおばちゃんに余りにも飲め飲めコールを送られたので、嫌々飲むようになりました。

苦いし、不味いし、何で休憩時間に拷問を受けないといけないんだ、と初めの方は忌々しく思ってました。いやもう、私にとってはアルハラならぬコーヒーハラスメントですからね。倉庫にあったポーション(ミルクとか砂糖の事です)をぶち込んで、何とか喉に流し込んでいました。

ところが暫く飲み続けるうちに、ガムシロップの量が減り、ミルクも使わなくなりました。後輩が出来た事で、涼しい顔でブラックコーヒーを啜りたいという謎のプライドが生まれたからかもしれませんが、一番はコーヒーの美味しさが分かってきたからだと思います。

それからは他のカフェでもコーヒーを頼むようになったり、家でもコーヒーを淹れるようになり、段々とコーヒーが好きになっていきました。

今はもうカフェでのバイトは辞めてしまいましたが、コーヒーという新しい趣味を与えてくれた事にとても感謝しています。あんなに忙しかったのに最低賃金に近い給料で働かされた不満はありますけどね笑。

いつか本格的なコーヒーマシンが欲しいので、今日も頑張って稼いでこようと思います。

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