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半導体等の電子デバイスに必要な空調・水処理・エネルギーマネージメント関係の設計施工について

半導体製造を中心とした電子デバイスの空調や水処理設備、エネルギーマネージメントシステム関係の設計施工テーマが増えてきていますが、具体的には工場空調・クリーンルームシステムや熱源・排ガス処理設備や排水・廃液・排ガス処理やそのリサイクル設備等が注目されています。

そこで今回はこれら設備が活用され、今後発展が期待される業界や部品群についてまとめてみました。


①設計・施工が成長していくと思われる業界は?

国内工場における空調設備や水処理設備の設計・施工において成長が期待できる業種は以下のとおりです。

(1)半導体製造
クリーンルームは半導体製造に不可欠であり、厳しい環境条件を維持するために特殊な空調システムと水処理が必要です。
(2)医薬品製造
医薬品では管理された環境が必要となることが多く、製造プロセスには空調と水処理が不可欠です。
(3)エレクトロニクス製造
半導体を超えて、様々な電子デバイスの製造には、クリーンルーム設備と特殊な空調が必要です。
(4)食品及び飲料の加工
特定の食品及び飲料産業では、生産プロセスに管理された環境と特定の水処理が必要な場合があります。
(5)自動車製造
自動車製造の特定のプロセス、特に塗装やコーティング等の分野では、きれいな空気と水が不可欠です。

② 排水・廃液処理・リサイクルが強く求められていく業界は?

今後特に排水・廃液の処理・リサイクルが必要となる業種は以下のとおりです。

(1)半導体製造
半導体製造プロセスからの廃水には有害物質が含まれることが多く、専門的な処理とリサイクルが必要です。
(2)医薬品製造:医薬品の製造では、潜在的に有害な副産物を含む廃水が発生するため、高度な処理が必要です。
(3)繊維産業:繊維産業の染色及び仕上げプロセスでは、処理とリサイクルが必要な廃水が発生します。
(4)化学製造:様々な化学プロセスで廃水が発生しますが、環境基準を満たすためには慎重な処理とリサイクルが必要です。
(5)金属及び金属加工産業:金属の仕上げプロセスでは、処理が必要な汚染物質を含む廃水が発生することがよくあります。

廃水及び廃液中の汚染物質の種類には業界間の違いが見られ、それぞれに合わせた処理プロセスが必要です。

③省エネ・再エネが、今後求められていく業界は?

今後、国内工場において特に省エネ・再生可能エネルギーが必要となる業種は以下のとおりです。

(1)製造全般
ほとんどの製造プロセスは、コストと環境への影響を削減するための省エネ対策の恩恵を受けることができます。
(2)自動車製造
自動車業界は、エネルギー効率の高い製造プロセスや再生可能エネルギーの使用等、持続可能な実践に注目しています。
(3)航空宇宙産業
航空宇宙製造におけるエネルギー集約型プロセスは、省エネルギーと再生可能エネルギーの導入から恩恵を受けることができます。
(4)化学製造
化学産業のプロセスでは多くの場合、大量のエネルギー消費が発生するため、省エネルギーと再生可能エネルギーの統合が重要になります。
(5)再生可能エネルギーの製造
再生可能エネルギー技術の製造に直接関与する業界は、当然のことながら、自社の事業での使用を優先します。

これらの傾向は、製造現場における持続可能性と環境責任への広範な世界的な取り組みを反映しています。


④IoT・AI導入事例

上記設計・施工が進む中で、ここ数年では、空調、水処理、エネルギー管理等の設備の設計や建設において、IoTやAIを統合していくことは益々一般的になってきています。
そこで、弊社が支援している(IoTやAI導入に関する)いくつかの最新導入例と考慮すべき重要なポイントを次にまとめます。

(1)スマートHVACシステム
●実装:温度、湿度、空気の質を監視するセンサー設置。AIアルゴリズムはこのデータを分析して、HVACシステムのパフォーマンスをリアルタイムで最適化しています。
★利点:エネルギー効率の向上。予知保全実施によるダウンタイムの削減。
(2)機器の予知保全
●導入:IoTセンサーを利用してポンプやフィルター等の機器の状態を監視します。AIアルゴリズムは、パフォーマンスデータに基づいてメンテナンスが必要な時期を予測します。
★利点:機器トラブルが重大になる前に対処することで、ダウンタイムが短縮され、機器の寿命が延長され、コストが削減されます。
(3)水処理とリサイクル
●実装:水質、流量、処理プロセスを監視するIoTセンサー。AIアルゴリズムは治療プロセスを最適化し、潜在的な問題を予測できます。
★利点:効率的な水の使用、化学物質の消費量の削減、環境規制への準拠。(4)エネルギー管理
●実装:IoTデバイスを導入して、様々なシステム全体のエネルギー消費を監視します。AIアルゴリズムはパターンを分析し、省エネ対策を提案します。
★利点:エネルギーコストの削減、CO2排出量の削減、エネルギー効率基準への準拠。
(5)使用状況の監視
●実装:IoTセンサーを使用して、施設の様々なエリアの占有レベルを追跡します。AIはデータを分析し、リアルタイムの使用状況に基づいて照明、暖房、冷房を最適化できます。
★利点:エネルギーの節約、快適性の向上、スペースの利用効率の向上。

⑤IoTやAI導入時の留意点

(1)相互運用性
IoTデバイスとAIシステムが既存の機器と相互運用可能であること、及び相互運用可能であることを確認します。これにより、異なるコンポーネント間のシームレスな統合とデータ交換が容易になります。
(2)データセキュリティ
堅牢なセキュリティ対策を実装して、IoTデバイスによって収集され、AIシステムによって処理されたデータを保護します。暗号化、安全な通信プロトコル、定期的なセキュリティ更新が不可欠です。
(3)スケーラビリティ
施設の成長や運用要件の変化に合わせて拡張できるシステムを設計します。スケーラブルなソリューションにより、必要に応じてセンサーやデバイスを追加できます。
(4)ユーザーフレンドリーなインターフェース
IoT及びAIシステムを管理及び操作するためのユーザーフレンドリーなインターフェイスを開発します。これにより、施設のオペレーターは様々なプロセスを簡単に監視及び制御できるようになります。
(5)規制の遵守
特に環境基準が厳しい業界では、IoTとAIの導入が関連規制と一致していることを確認します。コンプライアンスは、法的問題を回避し、良い公共イメージを維持するために非常に重要です。
(6)トレーニングとスキル
IoT及びAIシステムを効果的に運用及び保守するためのトレーニングを施設スタッフに提供します。これには、データ出力の理解、システムアラートへの対応、定期的なメンテナンスの実施が含まれます。
(7)データガバナンス
データの所有権、アクセス制御、データ共有契約等、明確なデータガバナンスポリシーを確立します。これは、データの整合性とプライバシーを維持するために非常に重要です。

これらの実装例を参考としてもらい、複数の留意点を考慮することで、企業はIoT及びAIテクノロジーをうまく活用して、施設の効率、持続可能性、パフォーマンスを向上させることができます。

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