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星と歩く、たまにコケる…キロンの奇跡のあと、二歳児はお花が欲しかった話

キロンの奇跡からだいたい一ヶ月。
私は心の中に二歳児を抱え込む羽目になっていた。

魔の二歳児、という言葉をご存じだろうか。
イヤイヤ期とか、英語でno-no-stageとか言われるらしいアレである。自我の芽生えの証でもある発達段階の一つだけれど、その相手をしなくてはならない方々、主に親御さんの心労たるやすさまじいものであろうと思う。

キロンの力で開いた頑丈な檻の中には、どうやらその二歳児が閉じ込められていたようなのだ。ここで秘められた力が……とか、左腕がうずく……!というなら立派な中二病だろうと思うけれど、私の中から出てきたのは、まともに言葉を操れる段階にさえ来ていない、泣きわめく二歳児だったという訳である。

解放された二歳児の暴れっぷりたるやなかなかのもので、しかも大人の私(成人してから優に十年は経つ大人の理性)の隙をついて外に出ようとするので、だいぶ手を焼いた。

……という訳で、記録もかねてキロンの奇跡の後日談のようなものを書いた。ちょっと遠い目になってしまいつつも「ああそういうことだったのか」的な事態に出くわしたのである。

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