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引き算のデザインは美しいか。

(1852字)

デザインの話が出ると引き算引き算言われるようになって久しい。

まあそりゃそうだよなと思う。

この時代これだけ情報が出回ってて皆へきえきへきえきしてるからボリューミーなデザインで売り込もうとしたらそりゃへども出ると言うわけです。

私ゃ「デザイン」って言う、合理的なもの?
なんて言うんだろう、アートが先にあると言うよりは機能、目的があってそれに沿ったように作られているものはそこまで興味が湧かないんだけど、

まあなんかそこまでデザインに興味を持ってなかったというわけなんだけど、最近の引き算ブームでもう私引き算に飽きてしまって、

いや、綺麗なんだよ。洗練されてて、美しい。
でもそれだけだとやっぱりつまらないなと思う。

1枚の広告を作るにあたっても、見やすさで言ったらね、ごちゃごちゃしたのより、整ってて無駄なものが排除されてるほうが見やすいですな。

でもこの時代さ、いろんな情報が前に出ようとしててさ、シンプルで整ったやつが壁に貼られていたとしてさ、見るかな?通り過ぎると思うんだよな。

「見る」ってことを前提にしたらそれでもいいのかもしれないけど、まず見てもらわなきゃ、から始まるんだったらちょっと物足りない気がする。ような気がする。

大学の授業で、赤ちゃんが何枚かの絵を見せられた時、より複雑な形を凝視する時間が長いと言うのを教わった覚えがある。(だいぶ端折ったけど)

単純なものは凝視する必要がない。
脳が一瞬で処理できるから。
私たちの脳は使われたがっていて、簡単すぎるものはつまらないと感じてしまう。

じゃあ、だからって、また足し算をして情報量を増やせばいいのかと言えば、そんなことしたらまたへきえき。へど。
味の濃いものを食べすぎたら気持ち悪くなるし、だからといって味のしないものを食べ続けるのも苦痛。

そこでね、次に来るもの、私が懸けているのは「かけ算」。かけ算のデザイン。

これが例えになってるかわかんないけど、
例えば
8/56 と1/7 だったら、(スラッシュでわかりにくいけど分数...)

1/7のほうが圧倒的にわかりやすい。シンプル。洗練されている。

だけど、つまらないのは、頭を使う余地がないから。

これを(2×4)/(7×8)にしたら、これはどういうことだ!?めっちゃおもしろい!計算したくなる!たのしそう!

ってなる。(なるかどうかは個人の好みの問題もあるかもしれないけど...)

それにかけ算は足し算引き算よりももっと豊富なバリエーションを与えてくれる。

(2×2×2)/(7×2×4)にもできるし、2/(7×2)にもできる。

料理で言ったらいろんな食材やら調味料やらを組み合わせる。

かけ算のいいところはオリジナリティが生まれるところ。

引き算は無駄を排除してシンプルを追求するから、その分幅がなくなってくる。

発売日に最新のiphoneを買っても次の日にはそこら中で同じものが蔓延ってる。

ところがかけ算はどうですか。
かけ算。融合。コラボレーション。

むげんのかのうせい!!!


今年の春頃だか、ドラえもんとポール&ジョーがコラボしてバカ売れしたらしいけど、これもかけ算かなと思う。


そことそれが組み合わさるんか!と意表性もつくことができておもしろい。

作る側も、何と何を掛け合わせられるだろうって考えを巡らすことができる。


まあ何より、私がかけ算のデザインに懸けているただ一つの理由は、私がそれに興味を持ち始めたということである。

情報社会の中で生きて、足し算に辟易し、引き算に物足りなさを感じ始めて、組み合わせに可能性を見出し始めた。というよりも自然に、無意識にそういう方向に向かい始めたんだと思う。

サンプル数は1だけど、私がそうなっているということは、他の多くの人々も同じように流れている可能性があるということである。

それに、学校の算数の授業を取っても、足し算、引き算の次に習うものは何だろうか。そう。かけ算である。(そしたら次は割り算か、となるけど割り算のデザインってなんだろう)

そういった意味でこれは論理的根拠を持った非常に説得力のある意見ということや。そういうことや。


まあでも、足し算と言ったら足し算!引き算といったら引き算!みたいに皆が皆時代の流れに追随していかずにその時その時に合った計算のデザインをしていけばお腹いっぱいになることはないんだろうさ、かけ算に伴う個々のオリジナリティの追求で「美しい」が細分化されていけばいいかなと思うところです。



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これ自分で気に入ってるから、これでなんかつくろうかなᕕ( ᐛ )ᕗ














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