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どこぞのキャッフェ

(1438字)


読むときにボリュームがわからないと、モチベーション的にアレかなと思って(伝われ)、文字数をちゃんと表記することにしました。

過去記事にもあとで追加しておきます。


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木曜日はいつも、家から一駅のところにある塾のバイトに行っている。

だけど、おとといは他の教室の講師が2人ほどインフルにかかってしまい、いつもと違う教室に出向くことになった。


迷うかもしれないと思って早めに家を出たら、時間が20分ほどあまって、駅前のBECKS COFFEEで時間をつぶすことにした。


1. 自意識と明治ミルクチョコレートモカ
2. おば友


1. 自意識と明治ミルクチョコレートモカ

期間限定の「明治ミルクチョコレートモカ」がとてもおいしそうだった。

それにしようかな、どうしようかな、と思いつつ、ふと考えた。


「1人で来て、コレ頼んで、20分経ったらさっさと帰るって、あざとくない?」


いや、ぜんぜんあざとくないのだけれど、

なんかこう、スタバの新作出たから来ました!と同じテンションで「明治ミルクチョコレートモカ」を飲むために来ました!感があるな、と思った。

でも私は、ただそこにベックスコーヒーがあって、それで時間をちょっとつぶすために何か飲むことにしたのであって、別に、そんなやましさなどないのですよ、

と店員さんに弁明したかった。

結局私は、今目の前にいる店員さんに「明治ミルクチョコレートモカに誘引されてきた奴」と思われたくないがためにキャラメルラテ、ホットのsサイズを頼んだ。


おいしかった。

今度ベックスコーヒーに行くときは、ちゃんと明治ミルクチョコレートモカを頼もうと自分に誓った。



2. おば友

すぐ出るから入り口の近くでいいやと、1席だけ空いていたところに腰を下ろした。

右隣にはバイオリンのようなケースを持ったおじさん、左隣にはおばあちゃん2人が和気あいあいと話していた。


バイオリンのおじさんは、私が座って少しすると店を出た。


おばあちゃん2人はバスを待っているらしかったが、「ああ、バス行っちゃったねぇ」とのほほんと話していた。

たぶん、しばらく帰る気はないのだと思う。


おばあちゃんたちの会話に、時折チーフっぽい店員さんも混ざり、
「○○さん、今日は来ないねえ」と言った。


常連さんなのか。

なんか隣に座ってしまって、常連コミュニティに足を突っ込んでしまった新規のような気持ちになった。

少しすると、常連仲間のおばあちゃんがもう1人やってきた。

おばあちゃんは私の右隣に座ろうとしたけど、それはさすがに申し訳なかったので、私が右隣にずれ、おばあちゃん3人が固まるようにした。


いつもホットの飲み物は冷めないうちにさっさと飲んでしまう私だけど、まだ来たばっかりですよ、と伝わるようにゆっくりゆっくりキャラメルラテを飲んだ。



また少しして、最初にいたおばあちゃんの1人が「もう帰るよ」と言った。

残ったおばあちゃん2人は席を左につめ、私に「こっちに来ていいよ」と言った。

「入口の近くだと風が来て寒いから、少しでも奥にきたほうがいいよ」

と、隣を空けてくれた。


常連コミュニティに足を踏み入れてしまった罪悪感が消え、受け入れられたとほっとした。



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昨日はいつもの教室。
新しい教室の新しい子たちもかわいいけど、毎回最初は緊張するから、いつものところに戻ると安心する。


そして、また今日。
土曜日はいつも入ってないけど、ヘルプで新しい教室に赴くことになった。
生徒も講師も、体調不良が多い。

また早めに家を出て、どこかで時間をつぶそうと思う。

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