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女子日

世間には便利な隠語やオブラートに包んだ言い回しが多数存在する。

『女子日(女の子の日、ほか)』という言葉もおそらくその中の一つ。初めて聞いた方はごめんなさい。私の周りでよく聞くだけなのかもしれない。

平たく言うと月経。一般的には生理かもしれない。人によっては地獄のような数日間である。

これの厄介なところは、メインの数日間だけではなくその前の期間にも地獄のような日が来ることである。人によっては、むしろ前の方が地獄かもしれない。メイン期間が始まってしまうと、お腹は痛いけど気分は楽、みたいな日も多々ある。(※個人差アリ)

私もそのあたりの期間はお腹は痛いし頭も痛いし気分は乗らないしでいろんなことがものすごくだるくなる。

ただ、病院に行ってみると私の症状は比較的軽いものらしく、体内の異常も特になく、すぐに対処したほうが良いというものではなかった。(でも他人の痛みが分かるわけではないんだから、自分にとって痛いものは痛い。毎回痛み止めとお友だちである。)

病院に行って、検査して、子宮などに問題があればすぐにでもピルなどで対処することもある。婦人科系の病気は本当に見つかりにくいものもあるので、なにか気になることがあれば積極的に病院を受診してほしい。妊娠とか不妊とか中絶とかじゃなくても、若い女性の患者さんいるので。安心してほしい。

話がいろんなところに飛びかけてしまったのだけれども、本題はどちらかというと『社会がこれをどう捉えているか』というところである。

たとえば、私はまだ遭遇したことはないので本当にあるのかどうかわからないけれど(あってほしくない)、こんなことば。

『イライラしてる? 生理前?』

ーーああそうだよ悪いか! という気持ちになること間違いなし。

正直、自分で何とかできるものならしたい。低用量ピルの使用でいくらか緩和される人もいるけれど、そもそもホルモンが盛大に影響しているわけである。美味しいもの食べたら元気になる、とかそういうレベルではない。

中学時代くらいの保健の教科書引っ張り出してきてほしい。2種類のホルモンのバランスが1ヶ月の間に逆転するのだ。そりゃあ不機嫌にもなるし思い通りにならない身体に嫌気が差す。

それまでちょっと踏ん張ればできていたこと、こなせていたことが、めちゃくちゃ頑張らないとできない、みたいな気分になることもある。

何故かわからないけど、貴方は悪くないけど、でも、今はむり、ごめん! みたいな拒否反応が出ることもある。

重ねて言っておくけれど、全女性が毎回毎回地獄を見ているわけではなく、体質的に生理前も生理中も元気! という人ももちろんいる。(うらやましい。)

ちなみにこの『症状が軽いタイプ』の『女性』も侮れない。「重い痛み」を経験したことがないので毎回死にそうになる人の気持ちが分かるわけではないのに、生物学的に同じ女性であるからという理由だけで「ええ〜そんなに〜? 私も生理中だけど全然大丈夫だよ〜」とか平気で言ってしまうことがあるのである。避けたい。下手をすると生理という概念が遺伝子に組み込まれていない男性よりもたちが悪い。(私と! 貴方は! 違う人間!!! かのGARNET CROWも歌ってたでしょ、『君と僕とは別の生き物だから』って! いかん、世代がバレる)

あとは『男の子の日』とか。

面白がって対応させたつもりかもしれないけど、具体的には何のことだろう……?

男性ホルモンもバランスが大きく変わること、あるんでしたっけ……? 体内周期的な話で。

具体的な話があるのならばお聞きしましょう。私の方でも調べておきますね。とりあえず今の私の中ではそういう事例はよく知らないので……生理と同系列のものであれば保健や機能形態系の授業で習う気がするので……ええ。

男性の方々にも気分の不調や何やらがあるということは重々承知の上で申し上げるのだけども、まちがっても『女の子の日』という言葉に対して軽々しく『男の子の日』などと言わないでいただきたいし、『お、生理前か?』など誂うような言い方はしないでほしい。ネタのつもりが大戦争が勃発する可能性がある。むしろ噛みつかれる方がマシで、完全に冷戦になるかもしれない。会社のしかるべき部署に訴えられかねない。


人間というものは完璧にプログラミングされたロボットではないのでこういうホルモンバランスの変化とは一生付き合っていかなければいけないのだけど、何が言いたかったかというと、とりあえず「知ってて」ということである。

過剰な配慮とかを求めているわけではなく、「そういうこともあるんだね」と知っててもらえるだけで避けられるものはきっとたくさんある。

きょうだって周りのだれかの「少し不安定な日」かもしれない。そうやって、少しだけ、周りのことを広い視野で見ることができたらいいな、というお話。でした!


読んでいただき、ありがとうございました!

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