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マンガ感想日記① 

読み専になってしまったかも…と思う位、今年はマンガを沢山読んだ年だった。
もったいないので、備忘録も兼ねて、短くともざっくり感想を書いて置こうと思います。ネタバレあり。あと『マシュマロ』と違うので、自分はこれは面白くないとかもちゃんと書く。不快になるかもしれないのでそのときは断りを入れようと思います。

①自転車屋さんの高橋くん 松虫あられ

 春から今までずっとそばに置いている、何回読み返したかわからない、
バイブルのようになりつつあるマンガ。
今、テレ東の深夜ドラマ(木曜0時30分から放送)で実写化されており、それもまた良いです。
どう良いかは、原作を読んでから観るといっそうわかりやすそうです。

気弱で、面立ちもザ・乙女なヒロイン飯野朋子(通称パン子)が、街で偶然強面ヤンキー青年・高橋遼平(家がタカハシサイクルという自転車屋)に乗ってるさいちゅうに壊れた自転車を修理してもらい、それがキッカケで二人がちょっとずつ親密になってゆく…という話。初め二人がなかなか距離を縮めず、じれったいと評されていましたが(ヒロインが30歳だからかな?)惹かれあった二人がご飯や飲みに誘ったり、間に高橋くんの友達や、友達の家族とも交流が挟まれて、地方都市で流れる少しゆるやかな時間がとても心地良く、半径100m以内のラブロマンスという趣も◎。

Twitter上で人気星占い師の方に『稀代のストーリーテラー』と称されて、松虫さんは、恐縮していた…と思う。でも、たぶんほんとにそうなのだと思う。今、ぱっと思い浮かんだのは、5巻(現時点の最新巻)でパン子は子どものころ、威圧的な父親に抑えつけられてばかりいて、でも反抗期を向かえるより早く、父親が浮気・リコンで家庭からいなくなってしまった。その時のパン子は子どもすぎてもう怒られないんだ…とホッとするだけだった。でも5巻では再会した父親を打ち倒すのだった(それも暴力で。子どものころしょうもないことで机を叩かれたり、脅しは再三受けている)ちなみに30か31歳になってだ。全然みっともなくなんかない、正当な怒りを時間が丸くおさめたり、無かったことにする…なんてなかったのだ。パン子ちゃんの勇気がうれしかった。会社を辞めた時もブラボーだったけど、これも凄いな、正直で真っすぐな人間になっていて。
いちおうその場では全然違うことへの怒りの表明だったけど、かつての母と自分を蔑ろにした父親への怒り、そして遅れてきた反抗期、だったんじゃないかなと思う。

パン子って、昔の少女漫画みたいにでかくてキラキラなおめめしてるんだよな。絵柄は古いのかもしれんが、着ている服が今時で逆にメッチャ可愛いんです。それと、実写だと第二話までの時点では、高橋くん役の鈴木伸之さんの瞳がキッラキラで、逆じゃ!?と思われる。
とにかく、漫画では往年の古い女性像をパン子はむいしきに背負ってんのかな、と思ったりします。それを時間をかけてムリなく剝いでいく、会社を突然辞めるのも、父親に殴りかかったのも全て必要な儀式だったのかと。

気になるところは新海誠もだし、あらゆる作家さんによくあるけど、
さらりと料理上手な女性を出すところです。自分がとても好きなのにあまり料理上手になれないから、ちょっとカチンとくるのもあるだろうけど…
それにパン子の場合、それを言ったら致命的なのですが。
食べるのがすき、料理もすき、だからこそこれからやりたい仕事、
道が拓けている…いう流れがパン子に訪れてて。
ま、先はどうなるかわからないのですが(休んだ松虫センセを責めてない、あの突発的に会社辞めるパン子描いておいてオドオドされてたら辛かった、威張ってないけど休んでも威張ってるくらいで☻)
手際よく、安い具材でもさっと美味しい料理を作れてしまう女の子、
女子力高めで気に食わないとか嫉妬するまえに、節約も上手で、
都合よく頭がいいというのか、その分野だけに小回りが利く感が異様に嫌だ。
女の子はうっかりしてるとそういう役を受け持ってしまう。
例えば充分自活できる仕事をしていながらも、上手く時間配分して、
ちゃっちゃと家族のケアの分野もこなしてしまうと良妻賢母と褒められる。
いや、誰かが絶対しないといけないことだけど、どうして頭が良く、
優しい女性ばかり担当なんかなって思うのだ。
きっと脳がそういうのが超得意に作られているとしても、歴史が無理強いして、特化されている面もあるよなって気がして。
ヘンだろうな。でもたぶん、強いているからそうなったのは男性も然りのはず。なんか…やだすよ。

あまりに長くなったので、前半はここまで。
続きは②の後半で、高橋くんにスポットを当てます。

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