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【FileMaker(ファイルメーカー)】きかせて! FileMakerを導入し改善されたこと(第1回/全2回)

※本記事は、はてなブログ「ICDS Blog」から移行したものです。

こんにちは! ICDS広報担当の加藤葉子(かとうようこ)です。

以前、FileMakerに関して「内製化の秘訣」という記事を書きました。前回はClaris FileMakerに関しての「内製化の秘訣」という記事で、当社で使用している「工数管理システム」を取り上げました。この記事は開発者側から見たClaris FileMakerの開発のしやすさを紹介したものでした。実際に使用している側の意見や感想も気になりませんか?

そこで今回は「工数管理システム」の利用者――つまり当社の従業員のみなさんにお話を伺いました。「工数管理システム」の「交通費申請」という作業に焦点を当て、この仕組みを導入したことで、どんな改善があったのかを全2回に分けてお伝えします。


FileMakerシステム導入前の「交通費申請」

長い間当社では、グループウェア「サイボウズOffice(オフィス)」のワークフロー機能を使って交通費申請を行っていました。2021年に勤怠管理を「KING OF TIME(キングオブタイム)」に変更したことをきっかけに、工数管理や交通費についても徐々に変更しました。当社の勤怠と工数、交通費管理に使用していたアプリやシステムの変遷を下の表のようにまとめました。

$$
\begin{array}{r|ccc}
& 勤怠 & 工数 & 交通費\\ \hline
以前&\text{Excel}&\text{Excel}&サイボウズ\\ \:
2021年&\text{KING OF TIME}&\text{KING OF TIME}&サイボウズ\\
2022年&\text{KING OF TIME}&\text{FileMaker}&サイボウズ\\ 
現在&\text{KING OF TIME}&\text{FileMaker}&\text{FileMaker}\\ \hline
\end{array}
$$

「サイボウズOffice」では、ネット連携サービスによって路線検索が簡単にできます。しかし、勤怠申請は別途Excel(エクセル)で行っていたので、当グループウェア上では交通費発生日との照合ができないことや、入力ミス(申請者)やチェック漏れ(確認者)が度々発生していました。

「サイボウズOffice」交通費申請ワークフロー

FileMakerシステム導入後の「交通費申請」

勤怠申請がExcelから勤怠管理システム「KING OF TIME」に代わりました。その後、案件の工数集計を行うために、API連携を使ってClaris FileMakerで「工数管理システム」を開発しました。そして、この「工数管理システム」に「交通費申請」の機能を追加しました。

FileMakerシステム「工数管理システム」の一覧画面です
FileMakerシステム「工数管理システム」一覧画面

「工数管理システム」では、交通費申請は日毎に入力していきます。

FileMakerシステム「工数管理システム」の入力画面です
FileMakerシステム「工数管理システム」入力画面

「工数管理システム」でも経路検索が可能です。なお、こちらは路線検索「NAVITIME(ナビタイム)」とAPI連携がなされています。

FileMakerシステム「工数管理システム」の経路検索画面です
FileMakerシステム「工数管理システム」経路検索画面

ユーザーの声(総務課Kさん/交通費申請の確認側)

FileMakerシステム「工数管理システム」が導入により「交通費申請」の作業で、申請する側と申請を受理・確認する側で、どのような変化があったのか? 第1回は、従業員からの申請を確認し取りまとめる立場の総務課Kさんにお話を伺いました。

導入前「ミスが多く事実確認に時間がかかっていた」

当社での勤怠と交通費申請の確認作業は、総務課の社員1名が担当しています。もちろん総務課ですので、他業務と兼任となります。担当者が従業員からの各種申請をひと通り確認した後、上長がダブルチェックするという体制です。の流れと体制は「工数管理システム」を導入する前も後も変わっていません。

「工数管理システム」が導入される前の交通費申請はミスが多く、その事実確認に多くの時間が費やされていました。この原因は、おそらく申請者が勤務管理台帳(Excel)と交通費申請ツールの目視で照合して入力するため、ヒューマンエラー由来のミスが発生しているのだろうと考え、勤怠管理と交通費申請が連携すれば入力ミスも減るのではないかと仮説を立てて改善に取り組みました。

勤怠申請ツール(Excel)の入力画面です
勤怠申請ツール(Excel)

導入後「確認作業の時間が4日から2日に半減した」

そこで、社内のFileMakerエンジニアに相談し、勤怠管理システム「KING OF TIME」の導入後に、勤怠申請と交通費申請に齟齬がないかを判別するだけの最小限のシステムを作ってもらいました。この最小限のシステムは「KING OF TIME」とサイボウズから書き出した交通費のデータをCSVで取り込み、マッチングをかけてエラーを判別するシンプルなものでした。これを母体として改良を重ねていき、現在の交通費申請機能が付属した「工数管理システム」が誕生しました。「工数管理システム」の導入以降は、交通費申請のミスはほぼ無くなりました。

このシステムでは、勤務場所が「外勤」だと、交通費を入力しないとエラーメッセージが表示されて交通費申請できない仕組みになっています。一方で、勤務場所が「本社」だと、既定のルートが登録されているので、入力時にその都度確認する作業が不要となりました。

こうして申請者による入力ミスや繰り返しの確認作業がなくなったことで、勤怠と交通費の確認作業時間もおおよそ半分に短縮されました。具体的には、4人日から2人日程度になったという実感です。

FileMakerシステム「工数管理システム」一覧画面(エラー表示)です
FileMakerシステム「工数管理システム」一覧画面(エラー表示)

取材後記

私は、交通費申請について以前から頻繁に入力ミスを指摘される側でした。些細な事でも申請が棄却されるので、簡単なことなら総務課で直してくれたらいいのに...くらいに思うこともしばしばでした。しかし、従業員全員分のミスを確認したうえに対応するとなると、その労力は膨大となります。今回の取材を通して、確認作業する立場でシステムを見ることで、当社のミッション「ICTで縁ある人を幸せにする」についてもあらためて考えました。交通費申請の入力ミスがなくなったことで、作業時間の軽減だけではなく、心理的負担も減り、結果として従業員同士の気持ちよいやりとりが実現しました。当社のミッションを身近なところから達成したと自画自賛してもよさそうです。

第2回では、「交通費申請」を行う申請者、申請者側のコメントを紹介したいと思います。

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