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お湯半分のインスタント麺 ~とよはし紀行~

豊橋にいた時、鍋がなくて、共演者のレイちゃんこと、鈴木麗華さんに買い物に連れていってもらったことがある。

その時、食べれずにいた味噌鍋焼きうどんのインスタント麺の話をしたら、

「お湯を200ccにすると、おいしいよ」

と言われ、鍋が手に入ったら、すぐにやってみた。

おいしいかった。

でも、私はそれよりもちょっと多い、半分の量のお湯加減がちょうど良い。


その日以来、インスタント麺を食べる時は、お湯半分。


そして、これより前に私の前にいた、同じ食べ方をする人を思い出すようになった。

舞芸時代の恩師の一人。
大内三郎先生だ。

先生はどん兵衛愛好家だった。

午後の稽古前に、係りの子にお湯半分で作ってもらって、食べてから稽古にかかる。

そのお湯の話を係りの子から聞いた時、みんな、騒然としていた。

何故、お湯を半分にする!?



時が経ち、今の私ならわかる。

その方がおいしいから。



最近、その大内先生の話をよくするし、大内先生をご存じの方とご縁ができている。

そして、今、私の周りにあるご縁は大内先生がつないだのではないか?とも思うようになった。

と言うのも、今、抱えてる宿題が卒公時からの課題であると思い出したから。


大内先生は、どんなお芝居も不条理として演出されるのが特徴の演出家さんだった。

だから、卒公のこちらも恩師の一人・ふたくちつよし先生 作「霞晴れたら」もハートフルヒューマンな話のはずなのに、最終的な演出が付いた時、何なんだ!これは!!という感じを私は持ったけど、お客さんには好評だった...。


今度3月の桑原裕子さん 作・演出「甘い丘」も私には、正確に言うと私の役から見ると、不条理。

だけど、そこにいる人たちは自由や愛を得ている。
普通の、それとはわからない形だけど、外の人たちとは比べ物にならない位。


今なら、わかる。

「ほら。僕の言う通りだったろ?」

そう、亡き恩師の声が聞こえてきそうだ。


私の稽古合流まで、後2週間切ってた。


2021年3月6、7日
市民と創造する演劇『甘い丘』
@とよはし芸術劇場 PLAT

公演詳細

https://www.toyohashi-at.jp/event/performance.php?id=880


出会ってくれて、記事を読んでくれて、ありがとうございます。演劇をやっています、創るのも、立つのもです。良い作品を届けれるよう、日々やって参ります!