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【鉄面皮日記】22/06/14. 2 U 入り。

北陸地方も梅雨入り、今日も降ったり止んだりどんよりした天候だ。
仕事場へはチャリ(BMX)で通っているので雨ともなると難儀だが、通勤タイムはまぁギリギリ走れるくらいの霧雨。
これから梅雨本番、早くクルマをゲットせねばと思っているのだが、それも出逢い次第か。
こんな機会だからスケボーで通勤てのも考えたが、どう考えても怪我するなと思ってまだ敢行していない。
都会と違い交通も緩いので練習がてらいいじゃん、て感じだけど、止まるコトと曲がるコトが出来なきゃ危険走行だ。

昨日からコロナが落ち着いてきたというコトで、施設利用者さんが倍近く増えた。
新たな顔ぶれに、人数が増えれば均衡も崩れ、それぞれの奇行度も高まっていく。
知的障害者も様々だが、それぞれこだわりのルーティーンがあって、それを邪魔されるコトを極端に嫌う。
毎日決まった時間に周回し、決まった椅子で、決まった事柄をしたいのだ。
それが崩されると機嫌が悪くなり、そうなると諍い事も誘発する。
誰になんと思われようが独立独歩、生まれながらの自由人、我が道を突っ走るのだ。
であるから、社会生活など煙に巻き、駆け引きや談合や擦り合わせなんか知らぬ存ぜぬ、空気など読むもんか、
自意識だけをおっ立てて、好き勝手気ままにやりたいコトに邁進し、孤立と隔絶を好む。
他者と同じ歩調ではないし、しようと考えないので、当然規律などブッチする。
おぉ、かなりロックンロールぢゃないのか!?

昔にとある施設の運動会を見たの。
徒競走、よーいドンで一気に皆が走り出すのだけど、ビックリした。
全員がそれぞれ思い思いの方向へ、とっちらかって走り出すの。
もはや競争にはなっていない、蜘蛛の子を散らすようにバラバラ、見事というしかない。
つまりね、産まれたばかりの赤子であり、動物、無自覚で自然体、社会性はないのです。

我々も子供の頃はそうだったが、教育とか常識、親や周囲に倣い学んでいく過程で家畜化され去勢される。
あの人たちが野生だとしたら、我々は群れてルールと規律の下に逸脱できない大衆なワケです。
だから共同幻想を壊す危険分子はどこか施設に閉じ込め、圧倒的多数の常識を教育して飼い慣らそうとしてるんだ。

KMくんは、たぶん年齢は20~30代くらいの男性。
身長は180cm以上で恰幅もよく相撲取りなど似合いそうなくらいだが、知能は7,8歳程度と思われる。
ここには一応単純な仕事をこなせるくらいの方が多数だが、生活支援を必要とする者も3.4名いてその中のひとり。
施設に入場と共に大騒ぎ、テレビのチャンネルを子供番組に合わせ走り回る。
水遊びが大好きで、トイレに籠り大便器を詰まらせ水を溢れさせ戯れるという事件、
外へ逃走して近くにある池で泳ぎ警察沙汰になりそうになった事件、
聞いただけでも枚挙に暇ない。
僕が来たばかりの時も、送迎車からあっという間に遁走して捕まえられていた。
あの巨体がぶつかってくれば流石に恐怖を感じる。
7歳児のお戯れも、熊の遊びと同じでこちらは大怪我をしてしまい兼ねないのだ。
こないだあった身体検査では大人3人が彼を押さえながらの護送、腕をぐっと掴む2人に背後に1人、さらに周囲を他が囲むという厳重さで、
オマエはレクター博士(by.羊たちの沈黙)か、
と思わず笑ってしまう。
まだ僕には気を許していないようだ。
互いに見慣れてきてはいるが、まだ誕生日を聞かれていないからだ。

僕は幸い部署が違う。
彼らと逢うのは、朝とお昼のご飯と夕方の帰宅時。
20数名のアウトローたちと8時間余り過ごす職員はなかなか苦労は多いコトだろう。
お昼時の自由奔放さ、ぶつぶつと独り言、猛スピードで駆け回りぶつかりそうになり、意味不明の質問を投げかけてきて、意思表示はそれぞれ奇天烈、引き篭もる、ずっとこっちを見てる、椅子の位置を整え続けてる。
これもまたあちら側の思考で楽しまなければ、考えすぎると危険であった。