見出し画像

【丹後大学駅伝】コロナ禍でつくりあげる新たな感動 運営する学生が語る本気の思い


今年は11月20日(土)に開催予定の丹後大学駅伝。新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、着々と準備が進められています。今回から「丹後で繋ぐタスキ」と題して、丹後駅伝にかける各々の思いを紹介していきます。スタートを飾るのは大会担当を務める、学連員の藤本康平さん、原口薫乃さんです。

画像1

(写真 左:藤本さん 右:原口さん)

1.魅力あふれる丹後大学駅伝

丹後大学駅伝は今年で83回目、琵琶湖から丹後地域に舞台を移して9年目を迎える関西最大の駅伝大会です。全長84.1kmのコースの中に海、山、街とすべての景観があり、最終区では最大の魅力である日本三景の一つ、天橋立を望むことができます。また、複雑な地形故に選手が本来の力を出し切れず、各大学も理想のレース展開が自然と難しくなり、総距離が長いにも関わらず最後まで大学の力が拮抗する姿を何度も目にすることができます。そういった中では、どこの区間にどの選手をもってくるかが重要になってくるため、各大学の戦略も見どころの一つとなっています。

2.丹後を選んだ理由

「もともと丹後大学駅伝の担当がしたいというわけではありませんが、せっかくなら何かやりがいのあることをしたいと考えていました」

そう語る藤本さんは、12月に開催される京都学生駅伝の担当をした先輩から、警察の方などと関わった話を聞き、陸上競技以外の色々な業界の人とも関わることができる、普通の大学生活の中ではできないような体験をやってみたいと思い、学連員になりました。
そして丹後担当になった理由は、自分たちで相談して決めていくことにやりがいがありそうだと感じたこと、そして、学連員になった理由にもあるようにTrack&Fieldの担当はいろんな人と関わるといっても陸上関係者が大半を占めますが、それに比べて丹後大学駅伝は陸上関係者以外の人である警察や行政、企業とも関わる機会が多く、そういったことも経験してみたいと思い選びました。

「マネージャーと比べたときに学連員のほうがおもしろそうだと思って学連員を選びました。」

こう答えた原口さんは、大学で陸上競技部のマネージャーをしようと考えていたとき、ホームページや新歓のブースで学連員を知りました。学連員は選手のために仕事をするだけでなく、大会担当として自分が主となり大会を運営できる。今までは陸上競技の裏側のことを何も知らなかったからこそ、ここでやってみようと学連の門を叩きました。
原口さんは幹事長や会計という役職に就くより、大会担当に興味がありました。大会担当が担当する大会には、競技場で開催するTrack&Fieldと駅伝の二種類がある中で、Track&Fieldは幹事長と一緒に進めていくイメージがある一方、駅伝は担当が中心となって進めてくため、丹後大学駅伝の担当になりました。また、駅伝は他にも関西女子駅伝、京都学生駅伝、男女混合駅伝がありますが、その中でも丹後大学駅伝を選んだ理由は、関西学連で最も大きい大会で大変だけど、学連員になったからには大きい大会の担当になってみたいと思ったからだと語ってくれました。

こうして丹後大学駅伝の担当になったお二人ですが、当然苦に感じることも出てきます。
藤本さんは、幹事長が関与する部分が少ないために多方面に責任がかかり、その責任が大きいことが大変だと話します。そして原口さんは、協賛のお願いをするためにたくさん準備しましたが、学生だけではうまくいかなかったことに大人との差を感じたと語ってくれました。

3.2人でやるから学べることもある

丹後大学駅伝の担当が二人いるということでやりやすいところとやりにくいところを伺いました。
やりやすいところについて、「何か一つリデュースするにしてもいろんな人のチェックが必要です。ほとんど何もできてない状態で上の人に見せるのは勇気がいるし、怒られることもあると思います。確認してほしい時や一人で不安なときは二人いるのでお互いに相談することができます」と二人は同じ回答をしてくれました。手順を踏むのが早いことや、頼れる人がすぐそばにいることが二人でやることの強みです。

やりにくいところについては今のところ特にないそうです。しかし、仕事をする中で、互いに関わりのない、知らない分野の仕事は、先述のように一緒に確認しながら進めるということが難しく、そういうときに、“ほうれんそう”(報告、連絡、相談)ができないとうまくいかず、やりにくいのかなと思います。また、お互いの意見が食い違うこともありますが、その考えの違いから最善の表現やよりよい伝え方に気付くことができます。

画像3

4.丹後大学駅伝をより良いものへ

今年は、昨年以上に新型コロナウイルス感染症による影響が大きく、あまり新たな動きができない状態の中でも、今回の丹後大学駅伝を担当するにあたって、お二人ともこだわりを持って準備を進めています。

昨年の関西学生駅伝は、京丹後市内だけを通る71.6kmのコースで、京丹後大学駅伝に大会名を変えて開催されました。しかしこのコースは天橋立を通り、海と山と街と、すべての景観をしっかり望むことができる従来の丹後大学駅伝とは言えず、今回のコースに何とか戻したいという思いがありました。原口さんは、大学とのやり取りをしているため、できるだけ大学の意見を優先し、例年通りに動いていきたいと心がけています。

また、丹後大学駅伝を広めるための取り組みとしてポスターとチラシを作成しています。今年は早い段階で作成し、企業やお店、大学などに配布する予定です。そして、小さな動きですが、丹後大学駅伝の公式ツイッターアカウントを開設し、丹後の方とやり取りしています。最初は先輩のアドバイスで丹後大学駅伝の広報活動ではなく丹後地域を活性化させたいと考えている大学生とやり取りをするために開設しました。しかし、丹後大学駅伝は83回目を迎えているにも関わらず認知度が低いです。もっとたくさんの方に知っていただけるようホームページの更新情報が中心にはなりますが、丹後大学駅伝のことをたくさん発信していきます。

現状として、中長距離を専門とする高校生は、箱根駅伝を目指したいという思いが主としてあるために、多くの選手が関東地方の大学に行ってしまいます。そこで丹後大学駅伝の知名度を上げて、関西にも視点を向けてもらえれば、強い選手も関西に残り、関西の中長距離選手の育成に繋がると考えました。そのためには、箱根駅伝のようにテレビ放送の実現が最適ではないかということで、クラウドファンディングを企画しました。今年も引き続き、クラウドファンディングによる大会のPRに力を入れています。

5.丹後をきっかけに関西のレベルを上げたい

「現在、立命館大学が圧倒的な速さを見せつけ、3年連続優勝をしています。丹後の見どころの拮抗した順位争い、特に3~4年前のようにゴール直前までどうなるか分からない優勝争いがみられていません。他の大学の選手がトップを走る立命館大学ともっと争えるように、そして、関西の大学がもっと上を目指せるように、運営側としても大会のレベルを上げていくように頑張ります。」と藤本さんは語ってくれました。
原口さんは、「学連の無理なお願いを聞いてもらっている駅伝主務の方たちは本当に大変だと思います。実際、タスキをつないでいくなど、表舞台に立つのは選手だけですが、その選手を支えているのは、マネージャーさんやトレーナーさんで、大会が開催されるのは、大会を運営している学連をはじめ、陸協や先生、そして開催地の行政の方々のおかげです。選手の方の頑張りだけではなく、周りの大会に関わっている人のこともぜひ知っていただきたいです。」と語ってくれました。


二人が熱を注ぐ、丹後大学駅伝は11月20日(土)7:45~スタートです。
今年は従来通りのコース、出場校も22校に戻りました。しかし、昨年に引き続き、十分な感染対策を行うため、直接声援をかけることは難しいかもしれません。ですが、選手をはじめとする多くの大会関係者の皆様の思いは必ず現地まで届きます。

たくさんの人の思いをつなぐ丹後大学駅伝。
当日の模様はあすリートチャンネルにてライブ配信予定です!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?