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当たり前じゃない、子供のお迎え

私には2人の子供がいまして、上の娘が小学校3年生、下の息子が4歳で保育園に行っています。コロナ前は中国で一緒に住んでいたのですが、コロナをきっかけに私が単身赴任することになりました。それからというもの、子どもたちに会えない寂しさは積もるばかりです。

ついこの間、2ヶ月ほど日本に帰るができまして子供たちに会えました。約1年ぶりです。久々に会えた時の瞬間の嬉しさは言葉にはできませんでした。悲しい想いをさせてごめんねという申し訳なさと、ずっと会いたかったという興奮する気持ち。特に娘はパパっこだけに、抱きしめた瞬間、色んな想いが駆け巡りました。娘と息子を抱きしめながら、これからしばらくは一緒に住めると思った瞬間はなんとも言えない幸福感で満たされました。 

私が帰国したのは6月下旬だったので、平日は娘も息子も学校に行っていました。私は主婦として家の掃除をしたりご飯を支度したり、それなりに家族の一員として働かせてもらいました。何よりの楽しみだったのが、子供たちのお迎えでした。妻はパートに行っているため、娘は学童に行き、息子は保育園に通っています。二人ともお迎えが必要なので、滞在時はお迎えに行かせてもらいました。私がお迎えに行くと、娘は踊るように駆け寄ってきてくれるのです。息子は「パパー」と大声を出しながら私の胸元目掛けて飛びついてきてくれるのです。そんな二人のお迎えが何よりの楽しみでした。子供たちのお迎えは、他の保護者からすれば当たり前の日々かもしれませんが、我が家にとっては1年に数回のお祭りのようなイベントなのです。娘や息子のお迎えをすると、私が帰ってきた日に子供たちを抱きしめた、あの幸福な瞬間を思い出せるのです。

約2ヶ月の夢のような時を経て今、私はまた一人で中国に戻ってきました。娘や息子が「パパはお迎えに来てほしいな」って思っても迎えに行ってやれないのです。「次はいつ帰ってくるの?」って言われても、答えてやれないのです。コロナの規制がある限り、昔のようには帰れません。今まで中国は海外だけど、本当に近い国として快適に住んでいましたが、コロナを境にとても遠い国となってしまいました。

早くコロナが収束すればいつでも会いに行けるし、また子供たちが中国に来て一緒に暮らせるかもしれません。こんなに辛いことってあるんだって37歳になった今、強烈に感じています。

写真でも思い出を振り返ることができるけど、私は文章に書き留めておきたいと思いました。目が潤み、鼻をすする、そんな状態でキーボードを打つ。  親のエゴ。子供を犠牲にするな。必要のない経験と言われればそれまでかもしれませんが、この事実は変えられないのです。きっといつか、あの時があったからって前向きに振り返られる日が来ると祈って、締めくくりたいと思います。    



          

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