ADHDの強みとは

現在ADHDは発達障害という扱いになっていますが、僕はただの「特性」として捉えています。
ADHDという言葉が生まれたのは最近の事ですが、ADHDの特性に当てはまる人というのは昔から存在していたはずです。
存在していたからには存在していただけの理由があるのでは?とも思うのです。

社会というものは様々な特性を持つ人たちの存在によって絶妙にバランスを取りながら存続してきていると思います。
しかし急激に社会が変化していく流れの中で一部の特性の人間にとっては生きづらい世の中になる場合があります。

その過程で、現代社会に適合するのが難しい人たちに特有の性質を「発達障害」と呼ぶ事になったと考えています。
つまり逆の言い方をするのであれば、社会適合において障害になり得る特性群を発達障害と呼んでいるという事ですね。

前置きが長くなりましたが、今回はネガティブなイメージが強いADHDに対してポジティブなイメージを持ってもらう為にADHDの長所について書きたいと思います。
なお、自閉症については自分自身がADHDで自閉症ではない事もあり、今のところ記事を書けるほどの知識がないので書く予定はありません。

ADHDの特性として「多動」「衝動」「不注意」の3つがよく挙げられますが、これは社会生活において表面化している困り事にだけスポットライトを当てて羅列しただけに過ぎず、これがネガティブイメージの象徴のようになっているように思います。
このイメージが強すぎる為に自分がADHDだと知ってショックを受けてしまう人があまりにも多いように感じています。

発達障害についてより本質的な部分を見ていくと脳の機能に偏りがあるという事が言えます。
偏りという事はどこかが優れている代わりに劣っている、もしくは何かを犠牲にしてまで存在する何らかの働きがあると言えるでしょう。

ADHDの人は脳内の情報のストッパー機能の働きが弱いです。
脳には受け取った情報を必要のある情報と不必要な情報に分けてフィルタリングする機能がありますが、ADHDの人はそのフィルタリングが苦手なのです。
しかしそのフィルタリング機能で情報を取捨選択する過程で有益な情報を取り逃がすという可能性もあります。
「見たいものだけを見て見たくないものは見ない」というのがフィルタリング機能の良いところであり、悪いところでもあります。

ADHDの人がよくクリエイティブであると言われる理由はそこにあるのではないでしょうか。
つまり非ADHDの人が取り逃がしているあらゆる情報をキャッチする事ができる為、感度が高く微細な変化に対して敏感であるという事になります。
音や味や色や匂いに対してのセンサーが鋭い人が多いと感じますね。
自分がコーヒー好きなのもこのようなADHD特性を活かす事で産地による味の違いなどを楽しみやすいからではないかと思っています。

脳内のフィルタリング機能が働くと気が逸れて不注意になる事が防止できます。
しかしADHD脳の人においては、止めどなく脳内に情報が溢れている状態になる為に情報と情報を繋げるチャンスに多く恵まれます。
ものすごく雑な例えで言うと、頭の中にカツとカレーがあってカツカレーが思い浮かぶような感じでしょうか笑

アイディアというのは既にあるものに何かを足したりかけ算する事で浮かぶ事が多いです。
ADHDの人は非ADHDであればまず切り離してしまうであろう情報と情報を結びつけて新たなものを生み出す能力に長けています。
この才能は音楽で複数ジャンルの特性を混ぜた独創的な音楽を作ったり、別の国の料理のテイストを混ぜて創作料理を作ったりなど様々な場面で発揮される事でしょう。
引き出しが非常に多いのです。

またADHDの人は過集中という状態になる場合があり、それがプラスに働く場合もあります。
過剰なほどに集中して没頭している状態を過集中と言いますが、この状態はADHDだからこそ実現できるものです。
この異常な集中力を発揮した場合にADHDの人は非ADHDの人ではあり得ないほどとんでもなく速いスピードで仕事をこなしたり、とてつもなく完成度の高い創作物を生み出す場合があります。
(※その代わりすごーく疲れるけど笑)

しかしここで疑問が一つ湧いてきます。
「ADHDはフィルタリングするのが苦手だと言ったのに、なんで過集中になってしまうのか?」
僕も昔はそう思っていました。
フィルタリングが苦手だから情報が溢れて集中できないはずなのになぜ逆に過集中になるのかという疑問は至極当然のように思います。

しかし実はADHDが苦手なのはフィルタリングする事自体ではなくて、フィルタリングするスイッチを自在にON/OFFで切り替える事なのです。
つまり集中力している時には集中しすぎ、集中できない時は全然集中できないという両極端に傾きやすいのです。
ADHD脳の情報ストッパー機能は「温めてから使用してください」というような電気製品に近いのかもしれません。

何かに集中している時にいったんそれを切り上げるという事に抵抗があるかと思いきや、やらなければいけない事があるにも関わらず別の興味の対象に意識が持って行かれていつまでも先延ばししたりするのはこのスイッチのON/OFFが苦手な事によるものでしょう。

また、ADHDの思った事をすぐ言ってしまったりすぐにアクションを起こしてしまう衝動性というのは忘れっぽい事による恐れから来るパターンもあります。
ADHDの人は興味が逸れやすい事によって人より忘れっぽくなりがちでそれで失敗をする事も多く、忘れる事に対して心配する人というのも多いと見受けられます。
忘れる事を恐れているが故に忘れる前にやらなければ!と強迫観念的に行動するというパターンのADHDの人は結構多いんじゃないかなと思うのです(ちなみに僕自身がそうです)。

しかしこの衝動性を逆手に取る事で普通の人が言えないような度胸のある発言をしたりして成功する人というのもいるように思います。
確かに聞いてはいけない事を人に聞くという場合もあり得ますが、自分の話を積極的にできない人にとってADHDの人が明るく好奇心を持って質問をしてくる事がありがたい場合もあるのではないでしょうか。

近年ではYouTubeに加えてTikTokなどで短い動画で人を楽しませるコンテンツというものが流行っていますが、短時間でもの凄い勢いでトークをするタイプの動画でバズっている人は結構ADHDな人に多いんじゃないかなと思いますね。

ADHDを長所として活かす為には自分自身への自信が必要不可欠だと考えています。
ADHDの人が自信を持つと少年のようにキラキラした雰囲気で活発で行動力がある魅力的な人物になる場合が多いと思います。
アニメの主人公のような性格を素でできてしまうのもADHDのすごいところではないでしょうか。

あくまで本人がADHDだと公言しているわけではないのですが、料理研究家ならぬ料理愛好家として有名な平野レミさんなんかは僕はADHD界の希望の星なんじゃないかと思っています。
明るくて勢いのあるトークとピュアな心と独創的な料理はまさにADHDという感じであんな風に多くの人に愛されるADHD人になりたいなと思いますね!

勿論、ADHDの中でも活発ではないタイプという人もいると思います。
そういう人は是非前に書いたこの記事を見てみてください。

長々書かせていただきました。
ADHDについては今後も記事を書いていこうと思いますので、フォローやいいねなどよろしくお願いします。
多くのADHDの方に読んでいただけたら嬉しいです。
そして読んでいただいた方に少しでもADHDでも楽しく生きていけるとか良いところがたくさんあるんだとか悲観的にならないでも良いのかなと思って頂けたら幸いです!

気に入ってくれた方はサポートお願いします。