見出し画像

銀本解説シリーズ | 埼玉県立伊奈学園中学校2022(令和4) 社会分野

こんにちは!公立中高一貫校対策のiBASEです。
「銀本解説シリーズ」では、全国の公立中高一貫校で出題された過去問の中から「良問」だけをピックアップし、その解説を連載していきます。

全国の公立中高一貫校の過去問には、本番の対策になる良問がたくさんある一方で、「赤本」や「銀本」の解説は淡白で分かりづらく、自学自習のために使いづらいケースがほとんどです。この「銀本解説シリーズ」ではそうしたお悩みに応えるために、丁寧で分かりやすい解説をお届けします!


1.今回の出題:埼玉県立伊奈学園中学校2023(p.194~)

①問題

漁業と米作りをテーマに、地理・歴史分野からバランスよく出題されている問題です。問題のテーマとしては、基礎的な知識を活用しながら、「自分がそう思った理由」を書く問題が多いです。やってしまいがちな「なんとなく」を解消するトレーニングにも適した問題なので、ぜひ取り組んでみてください。

なお、明治時代の税金回収方法の変更(地租改正=ちそかいせい)に関する問題です。習っていれば基礎的な問題ですが、習っていなければ難しい問題です。習っていないのにこの問題に取り組むときは、上記の時間にこだわらず、じっくり考えてみてください。(取り組んだあなたはすごい!)
これも、政策を行った目的(理由)を考えて書くことが求められます。

今回解説する問題は、作文Ⅰの2⃣です。問4~問5です。

②解答時間

15分を目途に取り組んでみてください。

2.問題の分析

問4:米作りの効率化に関する問題。こちらもとてもよく出題される内容です。作業時間短縮の理由を書く問題です。

問5:SDGs「海の豊かさを守ろう」を題材にした問題。定置網漁が注目される理由を書かなければならず、最初はとまどうかもしれませんが、資料をよく見ればしっかりと解ける問題です。

今回は、問4~問5を解説していきます。

⓪考え方のポイント

今回の問4・問5のポイントは以下です。

今回のポイント

まずは、考え方のポイントです。
今回のように複数の資料を読み取り、そこから読み取れることを文章で答える問題は、特に公立中高一貫校入試では頻出です。
慣れていないと、どこから読んだらいいの?次も考えないと!と焦ってしまいがちですが、落ち着いて一つずつ読み取り、それをつなげていくと、答えが見えてきます。

例えば今回の問4であれば、資料6から読み取れることを考え、次に資料7から読み取れることを考え、それをつなげれば答えになります。

問4解答・解説

①問4の解答解説

では、問4を見ていきましょう。

資料6は、グラフの読み取りです。グラフにはそれぞれメッセージがあります。

グラフのメッセージ

これは折れ線グラフですので、変化を見ていきましょう。

栄冠2023年度受検用 公立中高一貫校適性検査問題集全国版p.196

すると、耕うん機(田をたがやす機械)、田植え機、コンバイン(稲刈りをする機械)などの稲作用機械の農家100戸あたりの保有台数1965年以来増加していることが読み取れます。

次に資料7です。耕地整理前と耕地整理後の航空写真です。

そもそも「耕地整理」とは、分散している田畑をまとめたり、排水などの機能を整備したりすることを言います。下の図のように、Aさん・Bさん・Cさんの土地がばらばらにあると、いちいち移動するのが大変ですよね。
そこで、近くの土地交換して、まとめて1つにしたり、排水などの水田の機能を整備したりするのです。

耕地整理

これをおさえたうえで、資料7を見てみましょう。

ここから先は

2,018字 / 4画像

¥ 550

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?