【Vol3】「常陸秋そば」に魅せられ 素人そば打ちの頂点へ 全日本素人そば打ち名人大会 第28代名人 掛札 久美子さん
食の宝庫である茨城県。「常陸秋そば(ひたちあきそば)」は、全国のそば職人から最高峰との評価を得ているブランド品種です。風味豊かで、首都圏の名店でも使用され、黒褐色の見た目にも美しいそばは常陸太田市が発祥で、そば粉の力強さが魅力!!甘みと芳醇な香りのそばを求め全国から多くのファンが訪れています。また毎年、県内の各地でそばのイベントも行われます。
この県北地域で伝わる郷土料理「つけけんちん」はご存じですか?
旬の野菜や芋がらなど、具だくさんの汁と、太めのそばをつけて食べるものです。心も体も温まるこの「つけけんちんそば」は、多くの飲食店や家庭で広く食べられています。
この常陸秋そばを広める活動をしており、今年度福井県で行われた「第28回全日本素人そば打ち名人大会」で見事優勝を勝ち取った、掛札久美子名人にお話を伺いました。掛札さんは普段、常陸太田市にある「いばらき蕎麦の会」の事務局で働いていらっしゃいます。
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Vol 3 これからそば打ちを始める方へのメッセージ。名人となった掛札さんの今後の目標とは?
―そば打ちを始めてみたい人へのメッセージはありますか?
こちらに来てくだされば気軽に体験していただけます。三角巾とエプロン、タオル、あと持ち帰り用のパックを持ってくれば、道具も全てそろっています「いばらき蕎麦の会の仲間は年齢がばらばらで、そば打ちは年齢や性別関係なくできます。
金砂交流館はそばの会常設の道場になっており、そば打ちの台は、全部で12台。日時など詳しくは会のホームページをご覧いただければと思います。
私はそばの会の事務職を担当しています。はじめ事務所での勤務は私一人だったので、事務所が広く感じ寂しいな、と思いまずそば打ちの練習会を週一回、水曜日に始めました。今では回数も増え、皆さんが集まってくれて大盛況になりました。有難いことにもっと講座を増やしてほしいという意見も頂いています。まずは一度、初めてのみなさんにもそば打ちの楽しさを体験していただきたいです。
-最後に名人の称号を獲得された掛札さん、これからの目標を教えてください。
大会で優勝するともう二度と出場はすることはできません。今まで長い間名人を目指していましたので、優勝という目標はなくなりましたが、これからも変わらず、そば打ちの道を探求し続けていきたいです。名人の名に恥じないよう、日々精進し、さらなる高みを目指していきたいと思っています。
名人になっても日々、そば打ちと向き合っている掛札さん。事務職をしていた掛札さんが、自ら講座参加者を募集し、受講者が多く訪れるようになったとは驚きです。
インタビューでは美しい作務衣を身につけ優しい笑顔でお話してくださった掛札さん。生徒さんへの指導の際は、そば粉を打つ、延ばすなど、様々な工程について、仕上がりを何度も確認しながら細部まで指導している姿を拝見し、そば打ちに対する真剣な思いが強く伝わってきました。
近日、23代名人である仲山徹さんとつくば市内のホテルで、そばと日本酒とのコラボイベントも開催されているそう。今後は県北にある宿泊施設や、飲食店さんなどとののコラボもしてみたい!とおっしゃっていました。
旧金砂郷町(現:常陸太田市)赤土地区が「常陸秋そば」のルーツといわれ、地域の方々が江戸時代から続くブランドを守り続けています。
最高峰と呼ばれるこのブランドのそばをこよなく愛する「名人」掛札さんの今後の活躍も楽しみです。
いばらき蕎麦の会のホームページはこちら↓