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目標は日常の中で”ハイタッチ”を目撃すること!若手職員が「まちのコイン」に込めた想い ~日立市役所 コミュニティ推進課 永井 康介主事~ VOL.3


 今回は、デジタルコミュニティ通貨『まちのコイン』を使って、まちの課題解決に全力で取り組む、日立市生活環境部コミュニティ推進課の永井康介主事に「事業にかける想い」と、「アプリを通して目指す未来」について話を伺いました。

VOL.1は、こちらから ⇊


VOL.3 「暮らしやすい」だけじゃない、目指すのは「暮らしていて楽しい!」まち


「自分の出身校でもある日立第一高等学校は、地元愛が強い人が多いです。

『自分が住む日立市を、もっと自分たちで面白くしたい。』と、まちを楽しむことを目的に、2023年11月にボランティア団体も立ち上げました。

ボランティア活動の様子 ※写真中央が永井主事

 現在のグループメンバーは、約60人(2024年3月現在)ごみ拾いをしたり、地域のイベントに参加したりしています。

 今後は、4月6日・7日に開催される「日立さくらまつり」への出店を予定しているほか、まちのお店をPRできるようなSNSの開設や、若者や高齢者など世代間交流も行いながら、ご高齢の方の活動をサポートしていきたいですね。」


  メンバーはみんな前向きで、面白いアイデアがどんどん生まれてくるそうだ。若者が、自らまちを面白くしたいという想いはとてもすばらしく、明るい未来を感じさせる。

 「そして、まちのコインは一気に拡大するのではなく、徐々に広まっていく形を目指しています。

 一人でも多くの方に活用していただくことが重要ですが、一気に日立市人口の約17万人まで急拡大した場合、状況を捉えきれずネガティブ志向を引き起こす可能性もあります。 

 お金で人を動かすことができるかもしれませんが、まちのコインはお金ではありませんので、"いかに興味を持っていただけるか" が カギだと思います。

 今は、コインを使う体験を、スポットとなる事業者さんにご協力いただき開拓することに力を入れています。


1軒1軒、個別に事業者やコミュニティを回り、事業説明を行う永井主事「想いを伝えて、まちのコインの趣旨に賛同してもらうことが何よりも大事」だという


  現在も交渉中ですが、いくつかご紹介しますと、日立駅にある大人気カフェ「シ―バーズカフェ」で絶景の特等席に座れたり、優先的に入場できる体験を考えています。

 他には、商品にはならないけれど、廃棄するのはもったいないようなお花をコインで貰える体験も考えています。

 花は日常的に家にある方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。
 しかし、無料で花をもらえることで、ワクワクした暮らしにつながるかもしれません。また、地域としてはSDGsの取組にもなりますし、お店にとっては今後の売り上げにつながるかもしれません。

 それから、ご近所の庭で育った野菜や果物がたくさん収穫できたときに貰える体験や、飲食店で主食を注文すると餃子がおまけでもらえる体験なども準備中です。」

サポーターとの打ち合わせの様子


  永井主事の言葉から、公私ともに日立市を自ら楽しんで盛り上げていきたいという強い想いが伝わる。


 「まちのコインのような事業は、市としても初めてで、私たち職員側もはじめはどう進めていいのかという、ふわふわした状況で始まりました。

 でも、地域の方や、スポットとなる事業者さんとをお話しする中で、色々な考え方に触れ、次はどう進めればいいのかや、こんなこともと取り入れてチャレンジしてみようというように、アイデアが沸き出て楽しくなってきました。
 最初は、先が見えず不安になることもありましたが、今は、できることを一つ一つ進めていくことで応援してくれる人も増えてきて、とても充実した気持ちで、楽しみながらやっています。」

事業者の方だけでなく職員からも意見を募集したところ、約800件もの意見があがったという


  最後に、永井主事にまちのコインを通して描く未来を伺った。


「現代は、SNSが発達している反面、人間関係が希薄になっていると思います。そのため大事なものに気付かずに過ごしてしまうこともあるかもしれません。

 そういった人を減らしたいと思っています。

  なにげなく地域で暮らしている人が、まちのコインを通して、まちを楽しんで、色々な人とつながって欲しいという想いが一番強いです。

 コミュニティ活動だけでなく趣味の活動でも、どんなつながりでも良いと思います。 人とつながることや楽しい暮らしになることへの入口として「まちのコイン」を活用してもらえると良いと思います。
 大事なのは、その先にある心のつながりの大切さに気づいていただくことです。そんな人たちが増えていくというのが理想ですね。

 日立市は、「暮らしやすいまち」というワードがよく使われますが、「暮らしていて楽しいまち」というところまで持っていきたいです。 暮らしていて楽しいまちだという事を伝えたい。
 
 そのためには、今暮らしている人が楽しいと感じることが大切で、その盛り上がりで市外の方にも興味を持っていただければ・・・。

  実は、私の直近3年間の目標は、日常で”ハイタッチ”を目撃することです。
 今の時代、なかなかハイタッチをする場面を見かけないでしょ?
 そのハイタッチをまちで見かけることができたらヤッターという感じです。
 そのための1年間の短期目標は挨拶。まずは、知らない人同士でも挨拶できるようなまちになったらいいですね😊」 


 地元への並々ならぬ愛情を持ち、スピード感とスポンジのような柔軟性を持って、事業を進める永井主事。

 嬉しい言葉も厳しい言葉も全部自分の糧になっているという言葉からも、向上心の高さとまちのコインに懸ける想いがひしひしと伝わった。

  いよいよ来月から本格始動する日立市のまちのコイン「タッチ」にご注目ください!

『まちのコインに興味がある自治体の方は、いつでもご連絡ください!』と永井主事