これまでをふりかえろう!(2019~2022概論)

こんにちは、こんばんは、お久しぶりです、初めまして、おはよう、おやすみ、ありがとう、さよなら。演研4年目の金澤です。気づけば最上級生(?)になっていました。びっくり。気づけば、演研会員として参加する最後の本公演です。びっくり!うわぁぁぁ!!わあああああああ!!!誰か助けてーーーーー!!!警察呼んで!!!警察!!!!

今回私は恐れ多くも、あるいは性懲りもなく役者として公演に参加させていただいております。ありがたいことです。そして何より嬉しいことです。
最上級生として公演に参加する重みをひそひそと感じています。あくまで、ひそひそとです。後輩たちが優秀過ぎて何か気負う必要が一切ありません(もちろん、同期も優秀です。今回の参加者で言うと、既に稽古場日誌を書いた竹之内は舞台のエキスパートですし、これからこの稽古場日誌を書くであろうもう一人の同期も今回素敵なビラデザインをしていて感嘆するばかりです)。
そんなわけで、今回は楽しく稽古場で遊んでます。最近は演出の山下くんにヤジを飛ばしたりするのが上手くなってきた気がします。先輩にヤジ飛ばされる演出かわいそう…でも、あいつも自分をコケにしてくるのでお互い様です。ざまぁない。

さて、最上級生。おおよそ4年間。演研の会員として色んな公演に参加してきました。短編劇や外部の客演も含めるならば10以上の演目に役者として参加したことになります。スタッフとしての参加も含めるとそれ以上になります。今回、折角の機会ですしそれら参加した公演について全ては難しいですが、いくつか振り返ってみたいと思います。結構長くなります。
折角なので、好きなバンドのアルバムのYouTubeリンクを貼りますからこちらでも聴きながらゆったりお読みください。andymoriで『革命』です。

2019年夏公演『僕たちの好きだった革命』

大学に入って初の舞台は30人以上が役者として参加する大掛かりな舞台でした。私は、舞台となる拓明高校の生活指導部長、林田健三郎として出演しました。この役は、とにかく無茶苦茶に走って叫んでエネルギーを使いきる。若さで乗り切った舞台でした。

ゲネ中の写真。逃げる生徒にブチギレてる様子です
舞台写真、この「1999」の部分や後ろにあるボックスは今もサークルで使ってます。

この頃の写真を見返すと若いな〜となります。なお、今回は肖像権とかありますし、自分しか映ってない写真と舞台写真だけ上げます。
舞台写真を見てると良く完成したな…となりますね。合板を斜めに切ったり、30人超が暴れまくれる台を設置した演研の公演は自分の記憶にある限りこれだけです。
とにかく荒削りな演技ながら良い先輩や同期に引っ張られて突き進めた公演でした。同期がみ〜〜んなめ〜〜っちゃ上手かったし気迫があった。今更だけど竹之内、またこの時にやったような役やってほしい。彼、良い役者でもあるんですよ。
それと、スタッフで言いますと、当時パンフレットの作成を担当したのですが、物語に合わせた上で労力もかからない良いパンフレットになったなと、これは少しばかり自慢できます。

2019年冬公演『中二階な人々』

4年生めっちゃ居た公演だったというのが印象に残ってます。今になって考えると異常な話ですね…演出も役者も4年生まみれでした。私は物語の舞台となるシェアハウスに住むクボくんという男の役でした。今でも彼のことは好きです。
この公演は自分にとって一つの契機になりました。こんなこと言うのは恥ずかしいですが、自分は舞台に居るだけでウケを取れるタイプの人間なんですよね。そこの部分を理解した上で、それをどう扱うか本格的に考え始めたのがこの公演だった気がします。ラクしてウケを取りたかったという浅ましい気持ちがスタートではありましたが。

舞台で使ったケーキ。なんと先輩の手作り!美味しかったです。
稽古中の自分。重い風邪で寝込んでる役でした。

それと、もう一つ、この公演で舞台上で自分が演技をするだけではなく、その役として舞台上に存在することを明確に考え始めました。舞台上に居るのは単に役を演じる自分ではない。今、自分の体は金澤のものでもあるし、クボのものでもある。そういう曖昧な身体であるんだということに、ぼんやりながら気付いてきました。そういう点で実りの多い公演でした。

舞台の様子。照明や小道具の配置がとっても素敵!

そして、何と言っても舞台が素敵でした。タイトルにもある中二階で物語が進んでいくのですが、その中二階という場所の中途半端さや、シェアハウスとしての生活感、そうしたものが舞台美術の力で徹底的に作り込まれていました。
動画見返したいな……

2020年春公演『タイトル未定』

コロナ禍襲来。演研おそらく初のリモート配信劇でした。これ以降、しばらくは録画や生配信による公演が続きます。
実はこの春公演、当初は別の作品の対面上演が予定されていました。それが中止せざるを得なくなり、その中で何ができるかとなった時に出てきた案が役者がステイホーム(懐かしい言葉!)でビデオ通話を繋ぎ演劇をするリモート演劇でした。演劇界全体を見ても、この頃は公演中止が相次ぎました。そうした絶望的な雰囲気の中で、どうにか演劇をしたいという人達によりリモート配信劇という一つの波ができてました。その波に演研も乗っかった形ですね。
ちなみにこの作品は先輩による創作脚本でした。物語の大筋は主人公の作家がビデオ通話を繋ぎながら色んな人に取材をして、作品作りのヒントを探すというものです。
私は、その作家に取材をされる一人の大学生として出演しました。
ビデオ通話による稽古の新鮮さもさることながら、こんな状況下で皆と話して演劇ができる。その喜びと言ったら、これ以上のものはありませんでした。

稽古の様子。出番がない人はカメラを切って対応してました。

この公演は、繰り返しになりますが演劇をするということがどれだけ楽しいか、そして演劇をする場というものがどれだけ貴重かを再認識する機会になりました。こうして、この時期のことを少しでも肯定しうる材料があるのは嬉しいことです。

『僕たちの好きだった文化祭』

この企画は、短編・中編劇複数本をユーチューブで生配信するものでした。

そもそもこの企画が生まれた由縁は以下のようになります。
コロナ禍が相変わらず続く2020年の秋。当然、茨苑祭は中止になりました。演劇をする場が一つ失われてしまったことに落胆を感じてましたが、突然前年の夏公演で作品作りに協力してくださった、めずさんという方から企画の持ち込みをいただきます。いわく、「茨苑祭の替わりになる企画を生配信でやらないか?」といった事でした。演劇や何か皆で騒げる機会に飢えてた私達は、それを願ってもないことと受け入れました。まずはどんな脚本をやりたいか募ると、みんな沢山脚本を持ってきます。みんな、やりたいこと溜まってたんだなぁと、今思い返していて嬉しくなりますね。

私は『一つの石と二羽の鳥』と『在宅超人スウェットマン』『看板娘』で役者を『ワイヤーアクション』で演出を務めました。それぞれ軽く振り返ります。
『一つの石と二羽の鳥』は難しかったというのが一番の印象ですね。二人劇だったんですが、尊敬する先輩に演出されて、また相手役も尊敬する先輩。緊張するし、これまで経験がないコメディ要素なしの芝居でした。その中で、舞台にいる二人が何を考えているのか、何をしたいのかなどひたすら考えに考えて、ずっと悩みながらやった記憶があります。それでも、この演劇を悩むことの贅沢さと言ったらなかったですね。ここでの経験は確実に自分の成長に繋がりました。
『在宅超人スウェットマン』は遊んでた記憶しかないです。普段から遊んだりする先輩と同期の3人でやったんですが、これが楽しい。それと、セリフが全然入らない先輩を見るのが楽しい。演出は相当疲れただろうなぁと思います。ごめんなさい、悪いのは率先して遊んでたスウェット着てる男です。
『看板娘』は自分の元々持ってるなんか面白そうな雰囲気と、もう一つちゃんと見せなきゃいけないところをしっかり見せることに悩んだ記憶があります。あと、セリフ入れ。ピンクのパーカー着てハートの風船頭にくっつけてバレンタインチョコを演じました。後にも先にも食品の役をやったのはこれっきりです。(その後、桜の木の役はやったんですが、これも思えばピンクのアフロカツラ被ってましたね。ピンクは好きです)

母親の役でした

『ワイヤーアクション』は、3分ない程度の本当に短い脚本なんですが、これが凄かった。何が凄いって演出が稽古予定組まない。稽古場所を取らない。初めて尽くしで混乱してたのもありますが、役者には悪いことしたなって思ってます。みんな、ごめん。本当に。それでも、最後はしっかり笑える作品になってたと思います。ちなみに、ワイヤー屋の彼。一番ワイヤーっぽい体型だから選びました。他は叫べそうな二人。

2020年冬公演『粛々と運針』

初めてスタッフのみで参加した公演でした。この時期金欠でずっとバイトしてたので……
この公演は録画映像の配信という形式でした。そして、長編公演にようやく当時の一年生、今の三年生が出演した公演でもありました。
この舞台は凄い独特でして、三組の人間、夫婦、兄弟、謎の二人それぞれの会話が独立して存在し、それがやがて交差する。お話の筋が綺麗だったなという印象です。今回の「サカシマ」に出ている役者で言うと橋本さんに求められる演技が非常に難しいものでしたが、それを見事にこなしていたという印象です。
また、演研の持ち味の一つでもある大掛かりな舞台を作れない状況下で、これまた綺麗な舞台が出来上がっていたなと思います。
自分はこの時何をしていたかと言うと、山下君なんかとおしゃべりしながら舞台の暗幕にせっせとアイロンがけしていたなくらいしか覚えていません。
この舞台を収録公開と言う形でしか世に出せなかったことが本当に悔しいです。

2021年茨苑祭

一年越しの茨苑祭!しかし、リモート配信……
今考えると、リモート配信という形式でもどうにか茨苑祭を開催に漕ぎつけた実行委員会は凄いですね。茨苑賞誤報も良い思い出です。
この時は、準備期間が普段の公演より短かったことが印象に残っています。
それもあって、これまで演研ではやってこなかったことを行う実験をする機会になりました。
私は朗読劇『夢十夜』と『やまなし』の演出として携わりました。大好きな作品を自分が選んだ人たちに朗読してもらう。これ以上楽しいことはなかったです。
もう一つ、この公演は2021年度入会生との交流の場としても非常に助かりました。知らない人と話すのが苦手なので。

2022年春公演『エンケン 春の演劇まつり』

遂に今年度の公演の話です。ここまで書くの相当疲れました。なんでこんなことしてるんでしょう。やりたいからです。
こちらは新歓を兼ねた春公演でした。これも、収録したものをYouTubeで公開するということになりました。
ただ、この公演は色々と波乱万丈な経緯がありました。その中でも特に波乱万丈だったのが『幸せはいつも小さくて東京はそれよりも大きい』という演目です。

演目ビラ、本当は冬公演として公開する予定でしたから、ビラデザインをしてもらっていたんです

こちらの演目、私は橋本さんと二人で演出を務めた作品なのですが、本当は2021年中に収録の予定でした。それが、コロナ禍での情勢に伴う延期に次ぐ延期を重ね、ようやく収録したのが三月でした。この作品では色んな人に迷惑を掛けましたし、そして助けられましたし、冗談抜きに命を救われました。いや、本当に命を救われたんです。あの頃に自分と関係してくれた全ての人に最大級のごめんなさいと、それよりも大きいありがとうございます、です。
それはともかく、そうしたものを抜きにして考えてみます。舞台の外側のことを語りだすと、noteじゃなくて本を書いた方がよくなります。
この芝居は2時間の長編舞台。長編の演出は初めてでしたし、もちろん橋本さんも初めてでした。そうした中で、この作品をどうやって伝えたいか、どうすれば作品の魅力が伝わるか考えました。
そして、何より橋本さんを始めとして、この時に主演と舞監を務めた山下君、後輩、同期、先輩、いろんな人たちが頑張って耐え抜いてやりきったからこその舞台だったと思います。舞台が出来上がるまでの筋は決して褒められたものじゃないけれども、舞台が出来上がるまでの努力は必ず称賛されなければいけないなと思います。皆さん、ここに関わった人見かけたら褒めてあげてください。上からな物言いになっちゃいましたね。
実はこの芝居、自分は役者としても出演していたのですが、舞台の上に立っている時は本当に楽しかったです。周囲を振り回し過ぎた気はしますけれど(主に台詞が入っていないという理由で)。この頃は色んな事が重なって苦しかったのですが、そんな苦しさ舞台に立つ楽しさには敵いませんね。
終わりよければすべて良しなんて言葉は決して言えませんが、それでも終わってみればいい舞台が出来上がっていたかと思います。

そして、春公演ではもう一つ別の作品にも出演していました。それが『命を弄ぶ男ふたり』という作品です。これは仲いい友人とわちゃわちゃしてたら、なんか完成していました。ちなみにこの後輩がまた良い演技をするんですよね。めっちゃ良い。基礎がしっかりしていて、その上で自分の魅せ方を分かっている、相手を引き立たせるポイントも知っている。褒めだしたらキリがないのですが、自分の友人知人の中でも特に好きな役者の一人です。もしこれ読んでたら、なあ、もう一回くらい演劇かなんか一緒にやろう、なあ。あと、ライブ当選してるように祈ろう…
この舞台は、何かこの演研で経験を積んだ3年間と演出、相手役のおかげで演じきれた舞台かなと思います。稽古は3人でシャニマスのイベントやガチャの話をしている時間が多かったんですけどね。

衣装を身に着けてる写真、顔がめっちゃ痛い。

2022年夏公演『午前3時59分』


久しぶりの演研の対面公演!!!『中二階な人々』以来およそ3年ぶりでした。しかも、それが水戸芸術館での公演。
何より新入生の活躍が目覚ましい舞台でした。それと、演出の長船君。みんな、大きな舞台をエネルギーの限り使い切っていました。自分が在籍中にまた夏公演を芸術館でできた。
その様子を見ることができたというのが嬉しい限りです。
すいません、こちらの公演の頃、生活や健康の余裕が無くてあまり書ける思い出が無いのです…

2022年茨苑祭『あつまれ えんけんの森』

会場の装飾、通りかかる人みんなの眼を引き付けていました

さて、これで振り返りラストです。最後は、これまた久しぶりの対面開催となった茨苑祭です。本当に嬉しいです。いええええーーーーーーーい!!!
自分は『反対の人』という演目で役者をやらせていただきました。こちらは、二人芝居。一年生の子と二人でやりましたが、なかなか難しい芝居でした。自分が演じる男がどんな風に生きているか、どんなことをしている人なのか、難しいなぁと楽しませてもらいました。何より、相手役の方が上手いこと返してくれる。こちらがやりやすい間を理解してやってくれるし、何かやってほしいこと伝えるとちゃんとこなす。これから、どんどん色んな舞台経ってほしいなと思います。滅茶苦茶なコメディとかやってほしいです。

稽古中の写真、なんの顔?

他の演目も見ていると、やっぱり皆良い演技をします。個人的には久しぶりに同期のうち二人の芝居を見れたのがたまらなく嬉しかったです。良い演技をしますし、裏方としてもいかんなく能力を発揮してきた二人ですから本当に嫉妬ものです。そして、もう一人の同期は演出として、他の演目で後輩の指導をしていまして、少し稽古の様子覗くととても上手なんです、指導が。いやですね、凄い人間に囲まれてるの。もっと頑張らなくちゃなと思わされてしまいます。冬公演頑張るぞ。

終わりに

さて、ここまで駆け足で振り返ってきました。途中疲れて、変なこと書いちゃっているかもしれませんし、なんかここまでで6000字を超えているそうです。毎回、稽古場日誌を書きすぎてしまう癖があるのですが、今回はこれまでで一番書いちゃった気がします。ここを書いている最中に思い出したのですが、まだ書いていない公演がいくつかありました。本当に大学生活で沢山の演劇に関わってきました。まあ、大学生活はもうちょっとだけ続くんじゃって感じですが。
とにかく、書いても書いても書ききれない、山ほど海ほど空ほど言いたいことがありますが、稽古場日誌は自分はあと一回書くんですよね。もう書くことないかも、どうしよう。というわけで、締まるものも締めきれないですがここで終わりにします。冬公演、お楽しみに!!!!!!

以下、公演情報です

茨城大学演劇研究会2022年冬公演

『サカシマ』

脚本 斜田 章大

演出 山下 航輝


〈あらすじ〉

地上まで残り、百メートル。


日野陽毬は今、落下している。

姉が飛び降りたビルの屋上から、地面の底へ。


残り寿命は約五秒。

この物語はその五秒間に見た走馬燈の話。


落ちる、落ちる、サカサマに、サカシマに。


〈出演者〉

橋本 萌果

畠山 悠衣

西野 准平

立花 樹

齋藤 楓菜

金澤 勇翔

西尾 愛菜


〈日時〉

12月17日(土) 11:00~/15:00~

18日(日) 11:00~/15:00~

(20分前開場、全席自由席)


〈会場〉

茨城大学水戸キャンパス構内

サークル棟2階共用練習室1


〈料金〉

一般700円

大学生以下500円


〈お問い合せ・チケット取り扱い〉

メール ibadai.enken@gmail.com

Twitter @enken_i

または、各劇団員まで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?