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【ワークライフバランス、教育はどちらに?】

私はカンボジアの大学で経営学を教えています。元々は国際協力の道を志していて、教育こそ発展途上国の発展に寄与するのだ!と意気込んでいたのです。もちろん、教育が重要であることには変わりませんが、その教育とはなんぞや?というところは、多々考えさせられることがありました。少し、私ごとになりますが、かなり学びが多かったので書き綴りたいと思います。

逆の出来事は巡り巡って繋がっている

カンボジアはこれから学校制度が整うであろうという段階ですから、日本とは状況が異なるのです。教育においてその対照的な国だからこそ、自分に問いを立てられたということもあります。そして、カンボジアは様々なインターナショナルスクールもあり、多文化が緩やかに混じっている国です。なので、外国人が生きやすい国ともいえるでしょう。

私は日々、学生とのやりとりをしています。学校に対する私の常識は1年目で崩され、それは最初は混乱しましたが、今は視野が広がる経験になりました。

そこで、自分の振り返りと教育への問いをかねて、綴ることにしました。普段は教育、特に学びという部分に特化して書いていますが、こういうちょっと横道にそれたことも書いてみたいと思います。というのは、カンボジアの今の姿が、決して先進国と呼ばれる国々も過去の姿とは言い切れず、むしろ混ざり合っているような気がして、様々な気づきを与えてくれるからです。

教育全般に関心のある方、国際協力に関心のある方が、ふっと違う視点で物事をみる、時には真逆に近いところから見てみるきっかけになるかもしれません。教育といっても広いので、大学についてのみ考えてみます。小学校ー高校はそれぞれの事情もあるので、現場をよく知らない私が話すべきではないと思います。

今日はワークライフバランスと教育について考えてみます。

学校に来ないことが悪いことではない

学生は様々な事情により学校を欠席します。仕事が忙しい、家族の用事がある、体調が悪いなどです。特に、仕事が忙しくて学校を欠席することは、そんなに悪いことではなさそうです。普通に理由としてあります。そして、家族の用事も多々あります。なんとしてでも学校に行かなければならないという感覚がありません。

学校にいけない事情がいろいろあるということを受け入れないと、おそらく30-40%くらいは単位は取れません。欠席した時の授業については、学生が自分でフォローアップするのかというとそれも学生それぞれです。フォローアップせずに、最後に先生(私)に相談に来るというパターンがあります。

私も当初は様々な理由で欠席する学生達に対しては厳しくチェックしていたのですが、そうするとただ来なくなるだけでした(笑) それも良いという考えもありますが、正論だけで行くのではなく、今はいろいろな方法を持ってフォローしています。

教育はワークか?ライフか?

ワークライフバランスという言葉があります。教育はみなさんワークですか?ライフですか?

私はライフと思っていたのですが、カンボジアの学生をみているとかなりの学生がワークという捉え方をしていると感じます。というのも、学位が仕事と結びついているので、仕事のために学位が必要という感覚であると思います。そうすると、ワークライフバランスで、ライフの大きなカンボジアでは、ライフの用事が優先されていて、勉強がワークの中に入ってきて、仕事が忙しくなると、勉強する時間がなくなります

人ごとではない日本

カンボジアでの現象をみて、どう感じるでしょうか?日本においては、ワークライフバランスのワークがまだまだ大きいと言われています。もしも、教育がライフの中に入っているなら、バランス上小さなライフの時間の中に教育を入れる余裕があるでしょうか?「時間がありません」と言って、自分で自分を教育する機会がないということはないでしょうか?

ワークライフバランスははきっちりと分かれているものではないと思います。しかし、「なぜ新たなことを学ぶ時間がないのか」について、日本の現象はカンボジアでの事例のバランスの逆転だと私はみているのです。

パフォーマンスが高い人は教育を受ける目的が違う

もちろん、両国共に学びに対してコンスタントにアップデートしている人はいます。カンボジア でもそういう学生は、パフォーマンスが高いです。大学院生では社会人学生が多いです。そこには、修士号が欲しいために単位を取りたいという姿勢の学生と、自分のためにそしてそれを仕事のためにも役立てるという学習習慣のある学生がいます。同じ内容を学んでいるはずですが、パフォーマンスは全く違います。

どうしたら人は学び続けることができるのだろう。

これは私が今もっとも関心のある問いですが、学校に行くことが学んでいるというわけでもなく、学ぶことに喜びがないと「時間」は永遠にないのだろうと思います。

今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また対話しましょう。



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