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ミステリアスがミステリーになる前に。

 2023年になってしまいました。毎年1月が来ると、幼少期に強制参加させられた「書き初め」を思い出します。と言っても、寄せ書き用の100均の正方形の色紙に筆ペンで書くという「書の道」へのリスペクトがない家庭だからこそ実現したスタイルでした。家族全員が、毎年4つほど目標を書かされ、家のリビングに張り出されます。「漢検○級合格」「毎朝6時半起き」を掲げた私、「ダイエット頑張る」と掲げた父。どちらも1月5日にはできていません。(というか、そんな抽象的な目標でよかったのかよ!)

 2022年12月某日。学校からの帰り道、入学時に1番仲が良かった彼とすれ違いました。二人でご飯もいったし、大学1年生のときからどこか繋がっていると感じていた友人です。しばらく連絡を取っていなかった彼。そんな彼は私に気付きませんでした。確かに髪色は落ち着いたし、パーマも取れています。ただ、気づかれなかったんです。それがどこかショックで。そして、そこで声をかけられなかった自分にはもっとショックで。自分を知ってくれてることに自信さえあれば…。

 同級生の女性に、ミステリアスな男性に惹かれると言われたことがあります。確かにその気持ちはわかります。わからなくて生活や気持ちを探りたくなるあの感情、好奇心がそそられ、思いがけないギャップを捉えた時のあの快感は何にも変え難い。

 気付かぬうちにミステリアスでありたいと意識してしまっていた気がします。SNSの使い方を考え直したり、むやみやたらに私生活を話さなかったり、高頻度で通っていた場所に姿を見せなかったり。ただ、もしその積み重ねが「彼とのすれ違い」を産んだのなら…。

 ミステリアスな私生活への憧れのせいで、私の存在がミステリーになってしまっているのではないか。

 あいつはそもそも生きているのだろうか?何をしているのだろうか?が重なったり、その状態に慣れてしまったら人間は忘れてしまいます。元カノ元カレをいつの間にか忘れてしまっているのはこの脳の働きゆえです(多分)。ああ、人に忘れられたくないなぁ。毎日ではなくていいけど、定期的に私を知ってくれる人の前に現れたいなぁ。


 ということで、100均の色紙には「ミステリアスな雰囲気なんてクソ喰らえの精神でやって行こう」と書きました。魅力的であるない以前に,忘れ去られては「魅力的か否か論争」の土俵にも立てません。

 ONE PIECEに登場するチョッパーの恩師Dr.ヒルルクの名言があります。

人はいつ死ぬと思う…?
心臓を銃で撃ち抜かれた時…違う
不治の病に侵された時…違う
猛毒のキノコのスープを飲んだ時…違う!!!

…人に忘れられた時さ…!!!
ONE PIECE 16巻より

 大学生活の締めくくりとなる4年生となってしまう2023年。人に忘れられない存在になりたいものです。大学生活が終わろうとも、私の人生が終わろうとも、人に覚えてもらっている限りは死なない。そう思うと歴史上の偉人の方々には脱帽です。1度きりの人生ですから、せっかくなら、出来るだけ長生きしたい。長生きの秘訣は人前に現れることなのかもしれません。

 noteでも先ほどの「ミステリアスな雰囲気なんてクソ喰らえの精神でやって行こう」をぶつけていきます。また読んでくださると嬉しいです!

 それでは、また。いい1年にしましょう。

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