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クリエイターの事務所として生成AIをどう見るか

セツナクリエイション合同会社にはKNOAプロジェクトというクリエイターマネジメントをしている部門があります。
部門といっても、主に弊社の花束が担当しており、YouTuberの育成からスタートして、今ではクリエイターのマネジメントみたいな仕事をしています。

ここにぱふす。というストリーマーが所属しているのですが、東京AI祭にむけて50DAYSママ活という企画を走らせています。先日AICUさんのイベントで私がLTをさせていただいた内容です。


生成AIを触った体感

クリエイターとしての視点

ぱふすとしてぱふすを生むために生成AIを触ってみて自分らしさの模索にいいなと感じたのが正直なところでした。自分は絵を描く人間ではないけれど手作業でクリエイティブを作っていくクリエイターではあります。
自分の仕事をAIに奪われるかもしれないというAIの脅威みたいなのは感じつつも、アイデアの壁打ち相手として優秀であるのかもしれないという結論に至っています。繰り返すうちに、命令するために語彙力がついてくるんですよね。こう言ったらこういうのが出てくるみたいな知見がたまってきて、だんだんクオリティも上がっていくのがはっきりとわかりました。
ここ最近のnoteのヘッダーが全部生成AIなのに気付いた方はいますか?そういうことです。

ディレクター・プランナーとしての視点

手作業をするクリエイターとしては脅威でありつつも触らないといけない技術であるという認識ですが、ディレクター・プランナーとしての自分にとっては使いこなすことでコミュニケーションツールになるものであると考えています。
例えば、企画書を書く時のイメージ画像とか、いままではフリー素材と呼ばれる画像を加工したりながら作っていましたが、思い通りに生成できるようになれば言葉ひとつで用意できそのまま使えるようになります。またモブキャラ的なものの制作依頼をする場合のキャラデザのベースを作成することも可能です。

実際に作ったキャラデザ風のもの
文字らしきものもついています(謎)

ブレストの一環として生成AIにゆるく命令して偶然生まれたものを活用するみたいなことも可能性としてはあるなと感じています。

一貫性のあるキャラづくりにおける生成AI

クリエイターとしてだったりディレクターとしてだったり、作り手としての考え方はそんな感じなんですけれども、マネージャーとしての考え方は少し変わってきます。まず、立ち絵などのイラストをベースにしたキャラクターコンテンツの場合は運営からの発信ではコンテンツの一貫性が重要になってきます。
もちろん同一人物を生成するような生成方法もあります。(お付き合いのあるAICU社のnoteから拝借)

ですがこれってどうなの?って言うのが私の考えです。もちろんマネージャーとして動くのであれば簡単にイラストがたくさん用意できるのは助かります。実際にぱふす。はこんなこともしました。

このようにシーズナルのイラストは公式発信としてかなり需要があります。
公式の絵を利用したLoRAでつくれたらどれほど良いか…
ただ、自分がクリエイターだからというのもありますが、権利の話が気になるのです。

原作者との権利まわりについて

Vtuberの立ち絵は絵師さんのことをママと呼ぶくらい、最初にイラストを作った人が大切です。LoRAを作るとしたらこのママの人のイラストを元に作っていくことになると思うのですが、現時点でAIに読み込ませてLoRAを作って今後活用していくための契約指針はないんじゃないかな?
たとえば一回生成するごとにいくら支払うとか、通常の立ち絵よりも大きな額で契約をするとか、いろんなやり方があると思うのですが、まずママさんがそれを受け入れられるのかという懸念もあります。受け入れてもらったとして何が正しい値付けになるのかも未知数です。
であれば、現時点で有効な使い方としては「絵柄を固定しないこと」なのかもしれななあなんて考えています。

絵柄を固定しないことのメリット

今回の50DAYSママ活では絵柄の固定をせずに偶然生まれた絵柄を楽しむこともテーマの一つになっています。ストリーマーやVtuberはファンアートをサムネイルに使う文化があったりするのであくまで生成AIが作った偶然生まれた絵柄のぱふす。としての活用です。
公式としてグッズ展開をしていったりする場合にはこのスタンスでは活用しきれないかもしれませんが、シーズナルのイラスト程度であれば、この使い方もできるのではないかと考えています。

いつか来てほしい未来

絵柄を固定せずフットワーク軽く気軽に使っていける生成AIの未来とは別で、ママさんときちんと契約をしたうえで公式として生成AIも活用しながら運営できる未来が来たら、事務所運営をしている身としては「助かる」かもしれないなと考えています。そういう法律に詳しい人、事例を知っている人などいればぜひシェアしてください。

50DAYSママ活の活動まとめは土曜日に公開予定です!
渋谷ストリームには出力したものを展示しますのでご来場なさる方はぜひお楽しみください。印刷したもの、めっちゃいいです!

サポートいただいた際には全額作品制作に使わせていただきます。