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秋の新人作家展2023

毎年、この時期になると楽しみな展覧会がふたつあります。ひとつ目は東京都現代美術館の「MOTアニュアル」です。もうひとつも東京都内ですが東京都写真美術館の「日本の新進作家」展です。どちらも日本の未来のアートと写真について教えてくれます。

いつもの通り、個人的な展示の予習/復習の為にここに書き残しておきます。観賞後にどんな感想を持って帰ってくるのか、楽しみです。

「シナジー、創造と生成のあいだ」チラシより

MOTアニュアル2023シナジー、創造と生成のあいだ

「MOTアニュアル」は1999年に始まり、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズです。19回目を迎える本展では、アーティストの想像力や手仕事による「創造」と、近年、社会的に注目を集めるNFTや人工知能、人工生命、生命科学などのありようを反映するかのように自動的に生まれる「生成」とのあいだを考察します。

1990年代頃から一般にも広く認識されはじめたメディアアートやメディア芸術領域は今も拡張を続け、復元やアーカイブ化による再検証や歴史化の過渡期にあります。また、国際的な企画展やコンペティションに集まる作品群の中にも、ビッグデータやAI、機械学習によるもの、A-Life、群知能を思わせる作品が多数見られるようになりました。繊細な手仕事によって成立する作品も確実に存在する一方で、それらの根底にも、現在的な情報処理の概念が存在します。本展では、「創造と生成」の両方を見つめ、テクノロジーを用いながらも造形的な語彙によってアイデアを外在化し、私たちの想像力をこれまで以上に掻き立てようとする作家たちの多様な試みに着目し、11組の作家による約50点の作品・資料を展示します。

2020年以降、プログラミング教育が普及し、次世代に向けて、表現のプラットフォームは変容を続けています。本展では、リアル展示に限らず、デジタル上に拡がるメタバースや空間アーカイブなどを視野に入れた事業やイベントを展開します。本展の試みを通して、これまで対立的に捉えられがちであった「創造と生成」「アナログとデジタル」のありようを見直し、それらを超えて両者のあいだに生まれるシナジー(相乗効果)を見つめ、私たちの知覚の拡がりを問いかける場が生まれれば幸いです。

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2023/

参加作家・作品

荒井美波|後藤映則|(euglena)|Unexistence Gallery(原田郁/平田尚也/藤倉麻子/やんツー)|やんツー|花形槙|菅野創+加藤明洋+綿貫岳海|Zombie Zoo Keeper|石川将也/杉原寛/中路景暁/キャンベル・アルジェンジオ/武井祥平|市原えつこ|友沢こたお

うつゆみこ《岡崎おうはんコンゴウインコ》2022年 インクジェット・プリント ©Yumiko Utsu

見るまえに跳べ 日本の新進作家 vol.20

東京都写真美術館では、2002年より写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するとともに、新たな創造活動を紹介することを目的として「日本の新進作家」展を開催してきました。20回目となる本展では、5人の作家を取り上げ、不確かな時代を生き抜くための原動力を探ります。
21世紀に入り、アメリカ同時多発テロ、東日本大震災、新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻等、私たちの日常を揺るがす大きな出来事が起こっています。明日への不確かさは、人々を不安にさせ、心に迷いを生じさせ、新しいことへ挑戦する気持ちを後退させてしまいます。私たちは、間違えを恐れ、萎縮し、まるで「一万メートルの深海のような深い孤独」(W.H.オーデン)に陥っているかのようです。このような心の強ばりは、どのように解きほぐすことができるのでしょうか。
本展では、この「深い孤独」と向き合い、独自の方法で写真作品によって、生きるための原動力の在処を示す5人の作家をご紹介します。孤独の中にありながらも、人とのつながりを手繰り寄せようとする彼らの作品は、私たちのかたくなな心を溶かし、人生の豊かさとは何かを思い出させてくれることでしょう。
―見るまえに跳べ― 私たちいつもそのように歩んできたはずです。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4542.html

出品作家

うつゆみこ|Yumiko Utsu[1978-]
淵上裕太|Yuta Fuchikami[1987-]
星玄人| Haruto Hoshi[1970-]
夢無子|mumuko[1988-]
山上新平|Shimpei Yamagami[1984-]


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