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愛で満たされた最後の夜

彼が体調崩す前から計画してた神社デート決行日。

彼お気に入りのホテルに泊まり
最高潮の愛を注ぎ合って
翌朝早めに神社へ向かった。

下道でゆっくり運転してくれて
これからの2人の話を色々してくれた。

理想的な生活はお互いあるけど
彼は最終的に一緒に住みたいって。

うちの子は中3でまだまだ先の話だけど
とても嬉しかった。
一度夢破れた『家庭』の2文字が
ふわっと心に舞い戻ってきた感じ。
幸せ。

神社に参拝すること以外ノープランだったけど、神社のサイトでご利益はちゃっかり調べてた彼。
『お金持ちになりたいです』って本気のお願いをしてて面白かった。
どのお社にも15円をお供えして、
『お金持ちになりたいです』って小さい声で。

心の声が漏れてますよ〜ってつっこむと、
あ、力んじゃったっだって。
かわいいね。


多数お社にお参りして、更に上の方へ向かうと
お地蔵さんがたくさん並んでいた。

お地蔵さんは子供を供養するためのものなんだよって教えると、
明らかに悲しい顔をしていた。

前にコンビニで子供がはしゃいでる姿を愛おしそうに見ていたのを思い出し、ふと聞いてみた。

子供に会いたくない…?

「会いたい。でも会うと愛おしさが爆発して離れられなくなるのが分かるから自分から言わないようにしてる。」

辛そうだった。


他人の子でもかわいいって目を細める人が
自分の子供達と会いたくない訳がなかった。

父親の顔をしながら無数のお地蔵さんの前を通り過ぎ、こんなに子供が亡くなったのかなって
悲しそうな表情を初めて感じ取った。

地雷踏んだ気がして慌てて話題を変える。
でも彼の願いが叶うようにと最後のお社では、子供達と彼が会えるようにお祈りした。


神社の参道で2人で写真を撮り、
飛行機雲を2人でみあげ、
石に一緒につまずいて、
手を繋いで参道を降りて行った。

大きな声で年配の夫婦が会話してるのを
2人ともうるさいとは思わず
仲良しだね、いい感じだねってほっこりしながら眺めてた。

神社を出てお買い物して、
お昼には焼肉、夜はお寿司。
贅沢な1日をくれた彼。
これからおうち時間増やしたいからと
お揃いのマグカップも買ってくれた。
私の好きな水色。


送り届けてくれる前、
君が足りない。
もう一回抱かせて。って
ホテルでたくさん愛してくれた。


家まで送り届けてくれた後すぐにLINEで、
ありがとう。
今日は幸せだった?
楽しかった?
これからも楽しませるよ。って。
1日の終わりも抜け目なく愛を伝えてくれる彼。

あまりにも幸せな時間だったから
帰って1人で思い出し
なぜか涙が流れてきた。

愛されたいってずっと願ってきたことが叶ってる。

彼へのありがとうがやまない一日だった。


デート代約31000円

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