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韓国ドラマ『SKYキャッスル』のすヽめ。【ただの個人的感想編】

ここでは韓国ドラマ『SKYキャッスル』について紹介しています。今回は物語を通して私が個人的に抱いた感想について書いていきます。『SKYキャッスル』は受験を題材とした作品となっており、現在進行形のリアルな学歴社会を描いています。今回はドラマを視聴して、純粋に自分が抱いた感想を簡潔に書いていきます。⚠️ネタバレが要素を含んでいるため、未視聴の方は視聴後に訪問していただくことを推奨します。

【登場人物編】はこちらから。

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「自分が好きな自分でいられるか」
「ありのままの自分を愛してくれる人がいるか」

『SKYキャッスル』を完走した今、このドラマはこれが言いたかったのではないかと個人的には思っています。舞台は名門大学の教授とその家族が暮らすSKYキャッスル。ここSKYキャッスルでは、子供の成績や夫の出世が常にホットな話題となっています。

このドラマにおいて、ありのままの自分が許せない代表的な人物としてソジン(イェソ母)が描かれています。ソジンには貧しかった過去があります。父は小さな精肉店を営み、アルコール中毒で酒に浸る日々。彼女自身はそのような環境のなかでも、奨学金をもらって大学まで卒業しました。そして過去を忘れたい?隠したい?思いから、彼女はクァク・ミヒャンから、現在の名前であるハン・ソジンに改名します。このような生い立ちから、彼女は貧しかったことに強烈なコンプレックスを持っています。娘には自分のような経験をして欲しくない、そんな思いから娘が名門大学に合格することを何よりも願っています。

自分の過去を許せないソジンは、SKYキャッスルの住民や娘に対して、父はオーストラリアの銀行長だという嘘をつき続けています。しかも娘には毎年オーストラリアから贈り物が届くという用意周到ぶり。

しかし彼女の前に、彼女の過去を知るスイム(高校の同級生)が登場します。そして口論からカッとなったスイムは、ついついソジンの過去やクァク・ミヒャンという名前を住民の前でバラしてしまいます。自身の嘘が明らかになったソジンは、これまで以上に「娘の名門大学合格」という目標に執着するようになります。娘が名門大学に合格すれば、彼女自身も母である自分に対して満足できますからね。

ソジンはずっと「ありのままの自分」という存在を好きになれていません。最終話でジュンサンが言っていたように、彼女を取り巻く環境(夫や姑)が彼女をそうさせてしまったのでしょう。

本作には、ソジンとは対照的に、嘘が発覚してもありのままの自分を愛せている人物が登場します。米国から帰ってきたセリ(チャ教授・スンヘの娘)です。

セリは「社会でトップになれ」と強要する父に満足してほしいという思いから、ハーバード大に合格したという嘘をついてしまいます。渡米後は嘘がバレないように講義に潜り込み、SNSにも充実した大学生活を投稿していました。(彼女も用意周到ですね)しかし大学側に嘘がバレ、そのことを悟ったセリは韓国に帰国します。帰国後もハーバード大生と名乗っていたセリでしたが、ひょんなことからセリの嘘がSKYキャッスル中にバレてしまいます。

厳格な父親にも嘘がバレ、セリは問い詰められます。嘘を白状したセリは、これ以上自分を偽る必要がなくなったので、のびのびと自分が本当にやりたいことをできるようになります。大学に進学せずにクラブを経営したいという彼女は、すっきりとした表情です。

ソジンとセリを分けたのは、ありのままの自分を愛せるのか、そしてそんな自分を認めてくれる人が身近にいるのかということではないでしょうか。

嘘がバレた後のソジンは、一番身近な存在であるはずの家族にさえ過去を否定されてしまいます。イェソには「私にも貧乏人の血が流れている」、夫であるジュンサンには「嘘がバレて私がどんなに恥ずかしいかわかってるのか」(どちらもニュアンスです)と責められます。ソジンには、彼女の過去を含めた「ハン・ソジン(クァク・ミヒャン)」という人間を認めてくれる存在が身近にはいなかったのです。そんな言葉を投げかけられては、ありのままの自分を好きでいれるはずがありません。

セリはどうでしょうか。もちろん、学歴至上主義の父親は嘘が発覚した彼女のことを認めてはくれませんでした。その証拠に、チャ教授は「お前はもう私の娘ではない」という言葉をセリに残します。しかし母のスンヘは違いました。セリが嘘をついたことに対しては叱りましたが、大学に行かないと決めた彼女のことを受け入れ、クラブで働く彼女を認めます。彼女には彼女を認めてくれる強力な「味方」が身近にいたのです。そしてそんな味方を持つ彼女もまた、クラブで働く自分が好きなのです。

ありのままの自分を愛せず、そんな自分を受け入れてくれる人がいないソジンはより追い詰められていきます。反対に自分を愛し、自分を認めてくれる人が身近にいるセリは、より生き生きしたように見えます。

最終的にソジンが解放されるのはキム・ジュヨン先生の不正を告発した時です。その時には自分を受け入れてくれるジュンサンという存在が隣にいます。ジュンサンは退職、イェソは自主退学することになったので、かつてのソジンが描いていた「名誉」とは程遠い暮らしにはなりましたが表情は晴れ晴れとしています。

結局名誉があっても自分が自分を好きでなければ意味がない。
そして、そのままの自分を認めてくれる存在がいることは人生における大きな支えになる。

私にとって『SKYキャッスル』とは、生きる上で大切なメッセージを残してくれた作品です。このような作品に出会えたことに感謝です。日本でもリメイクは検討されているのでしょうか?日本でも受験は身近なテーマなのでリメイクしやすいとは思いますが...。個人的にソジン役は木村佳乃さん以外考えられません(笑)

なかなかシリアスで辛い場面も多いドラマですが、YouTubeに公開されているメイキング映像をみるとキャストの方の仲が良さそうで和みます。「SKYキャッスル メイキング」と調べれば出てくると思うので、ぜひチェックしてみてください!

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
リアクション、コメントなどいただけると喜びます(笑)

(トップ画像はJTBCさんからお借りしました)




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