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韓国ドラマ『SKYキャッスル』のすヽめ。 【登場人物編】

ここでは韓国ドラマ『SKYキャッスル』について紹介しています。まずは物語の重要な部分である登場人物編です。『SKYキャッスル』は受験が題材ということもあり、様々な家庭が作中に登場します。なるべく混乱しないように心がけて書きました。⚠️ネタバレがありまくりなので、未視聴の方は視聴後に訪問していただくことを推奨します。

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1. 簡単なストーリー(+ちょっとした補足)

舞台はある名門大学の教授とその家族が暮らすSKYキャッスル。ここでは日々、入居者が子供の進学や夫の出世などで自身の名誉をアピールし合っています。

物語の主軸は子供の大学受験です。韓国において特に名門と言われている大学は、ソウル大学、高麗大学、延世大学の3校です。この3校の頭文字を取って、韓国内では「SKY」とも呼ばれています。このドラマはそれもかけているのでしょうか?そして韓国には日本に比べて「地方国立」という概念がないのか、ソウルの名門大学に入学することが受験においての「勝ち組」とされます。私の韓国人の友人(日本の大学に在学)は、「ソウル大は3回死んでも無理」と言っていました(笑)それほど韓国のお受験戦争は熾烈なのでしょう。

話題作ということもあり、私は以前からずっとこのドラマの存在は知っていて、韓国通の友人からも強くオススメされていたのですが、視聴の機会をずっと逃していました。ですが、最近Netflixに追加されたのを機に視聴を始め、あれよあれよという間に気づいたら完走していました(笑)本国放送時はわかりませんが、1話=約35分というのも非常に魅力的でした。

少し話が脱線しましたが、ここから本題である登場人物を紹介していきたいと思います。わかりやすいように、ここでは「〇〇家」を子供の名前で表しています。

2. 主な登場人物

・イェソ家(夫婦・姉妹ともに仲がいいとは言えない家庭)
ジュンサン(父):大学病院の整形外科医科長。自身の出世のことで頭がいっぱいで、ゆくゆくは院長の座に就きたいと考えている。キム・ヘナが亡くなった後に彼女が自身と血の繋がった娘であることを知り、大変なショックを受ける。
ソジン(母):専業主婦。元々は精肉店の家庭出身。そのコンプレックスから、娘を名門医大に入れたいと思っている。娘や入居者には自身の出生を偽っていたが、同級生だったスイムによってバラされてしまう。クァク・ミヒャン(韓国語の発音だとクァン・ミヒャンになるのかな?)から改名。
イェソ(長女):名門医大を夢見る。容姿端麗で成績優秀だが、性格に難あり。ウジュが好き。
イェビン(次女):いつも姉と比較され、窮屈な思いをしている。勉強嫌い。家族がイェソばかり構うので、自分は愛されていないと感じている。家庭教師をしてくれたキム・ヘナに出会って初めて「優しく面倒を見てもらう」ことを知り、実の姉以上に彼女に信頼を寄せるようになる。

・ギジュン&ソジュン家(高圧的な父親になかなか逆らえない家庭)
ミニョク(父):ロースクール教授。入居者からはチャ教授と呼ばれている。社会をピラミッド構造で考え、トップの階級に行くことが全てだと日々子供に訴えている。
スンヘ(母):自身は大学院まで出たが、結婚して専業主婦に。夫の考えを強要されている子供を心配し、彼らの幸せを願っている。
セリ(長女):ハーバード大学に合格したことから、SKYキャッスルの「スター」になっていたが、やがてそれが偽りであったことがバレる。
ギジュン&ソジュン(双子):自身の考えを強要する父に飽き飽きしている。


・ウジュ家(旧ヨンジェ家宅に引っ越してきた仲睦まじい家庭)
チヨン(父):大学病院の脳神経外科医。院長の引き抜きでやって来た。権力にあまり執着せず、患者第一の良き医者。スイムとは再婚。
スイム(母):作家。子供の大学受験にあまり執着していない。ソジンとは高校の同級生。前に自身の家に住んでいた人(ミョンジュ)が自殺したことを知り、SKYキャッスルやキム・ジュヨン先生について調べるように。
ウジュ(長男):1人息子。容姿端麗・成績優秀で性格も良く、学校の同級生から好かれている人気者。キム・ヘナが好き。

・スハン家(夫婦仲が良く、ギスギスした空気のない愉快な家庭)
ヤンウ(父):大学病院の整形外科医。いつも科長であるジュンサンの顔色をうかがっている。妻の尻に敷かれている。
ジニ(母):噂話が好きな専業主婦。人の話をすぐに信じてしまったりと、素直な性格。1人息子のスハンを愛している。
スハン(長男):勉強嫌い。行きたくもない塾に通わされ、辟易している。


・ヨンジェ家(入居者には見えない裏で色々問題を抱えていた家庭)
スチャン(父):大学病院の脳神経外科科長。野心に溢れていたが、妻の自殺を機に豹変。ついには大学病院を辞め、SKYキャッスルからも去る。
ミョンジュ(母):息子を名門医大に合格させ、SKYキャッスルの妻たちからは一目置かれていた。誰もが幸せだと思っていたが、影で起きていた家庭崩壊が原因で自殺。
ヨンジェ(長男):キム・ジュヨン先生の元教え子。名門医大に合格したことから、みんなの憧れの的だった。しかし本人は医大進学を望んでおらず、家族に「縁を切る」とのメッセージを残したまま姿を消し、結局医大にも進学しなかった。


・その他重要な登場人物
キム・ジュヨン先生:合格率100%を誇る一流の入試コーディネーター。イェソを担当している。後に自身が故意に起こした事故で娘の将来を奪ってしまったコンプレックスから、優秀な子供を持つ家庭を崩壊して彼らの幸せを奪おうとしていたことが判明。(日本のドラマ『女王の教室』の天海祐希さんを参考にしているのかな?と思ったのは私だけではないはず笑)
キム・ヘナ:家庭環境が苦しい(病気の母親との2人家庭)にもかかわらず成績優秀。成績とウジュ(恋愛)のことでイェソ家から敵対心を抱かれている。後にジュンサンの娘(ジュンサンが結婚する前に交際していた恋人?との子供)だと発覚。ヘナは亡くなった母のスマホからジュンサンが自身の父であることを知り、家庭教師という名目でイェソ家に潜り込む。キム・ジュヨン先生の策略でベランダから突き落とされジュンサンらが勤める病院に搬送されるが、ジュンサンが自身の娘であることに気づかず院長の孫を優先したことでたらい回しにされ死亡。
ジュンサン母:3代医師家庭を望み、イェソを何としてでも医大に合格させたいと思っている。イェソのことでソジンにもプレッシャーをかける。息子ジュンサンに対しても、医師になること、院長になることをずっと言い聞かせてきた。
K:キム・ジュヨン先生の娘。米国で暮らしていた時は9歳で名門大に合格した天才児だったが、キム・ジュヨン先生が夫を殺めようと故意に起こした自動車事故に巻き込まれ脳に障害を負い、今まで通りの生活を送ることが困難となる。

登場人物に関しては、ドラマ公式サイト(日本語)JTBCの番組紹介ページ(韓国語)等でわかりやすい相関図がご覧いただけます。

3. 対比構造としての各家庭

冒頭でも触れたように、このドラマでは様々な環境の家庭が登場します。そして各家庭が対比構造として描かれています。例えば、父親と母親の夫婦仲があまりよろしくなく、かつ父親の力が絶大な家庭としてイェソ家/ギジュン・ソジュン家/ヨンジェ家が描かれ、反対に夫婦仲が良く、父親が絶対ではない家庭としてウジュ家/スハン家が描かれています。(ギジュン・ソジュン家に関しては物語の終盤で夫婦の関係性に変化がありますが...)

また、イェソ家(両親)/ギジュン・ソジュン家(父)/ヨンジェ家(両親)/スハン家(母)では主にカッコ内の人物が子供を、自身の名誉を象徴するための「道具」として考えている節があります。しかしウジュ家や前述のカッコ内に記されていない親は、そのような考えを持っていません。(この点に関しては、スハン家は物語を通してその様子が変わっていきます。そしてこれはキム・ジュヨン先生にも当てはまりますね)

ドラマではヨンジェ家を除いた4つの家庭がメインとして描かれるため、多くの人物が作中登場しますが、途中で混乱することはありません。個人的にこれは、脚本として各家庭の「性格」のようなものがしっかりと描かれているからだと思います。また物語の途中でこの「性格」が変化していく家庭もあるので、その模様を見届けるのもこのドラマの面白さです。

4. 個人的MVP

個人的に登場人物のなかで私が考えるMVPは、ギジュン・ソジュン母のスンヘです。最初に登場した時は他の奥様方と変わらない「教育ママ」だとばかり思っていたのですが、物語が進行する中でも、強い芯を持ってブレない姿勢には好感を抱きました。モラハラの塊(言い方笑)のような夫への対応もまさに「大人」という感じで、終始カッコよかったです!

反対に、ヘナは社会の不条理に立ち向かっていく姿はとてもカッコよかったのですが、イェソやイェソ家に対する復讐心からウジュの気持ちを利用するような?行動が残念ではありました。途中まで大好きなキャラクターだっただけに、より一層モヤモヤが残るような展開でした。復讐とかではなく、本心としてウジュが好きだったのかは終始分からずという感じでした。ウジュとヘナが2人で幸せになる未来を見てみたかった!(ストーリーとしては、復讐に燃えるヘナをウジュが止める的なものを希望してました笑 というより、すっかりそういう方向に話が進むものだとばかり思っていたので、ヘナが亡くなった時は、「え!?」という驚きでいっぱいでした)

私が想像するに、プライドの塊のようなイェソとイェソ母が今まで培ってきたものを捨てて自らキム・ジュヨン先生の不正を告発する覚悟(一山乗り越える姿)やイェソ家の修復を描くためには物語上仕方なかったのかもしれませんね。ヘナはキム・ジュヨン先生の問題の不正入手を知り、その公平ではない状況を正すためにキム・ジュヨン先生に会った(「イェソを落として」という言葉から、これもイェソ家に対する復讐なのか?は分からないですが)ので、ヘナをそのままにしていたら告発されるか、キム・ジュヨン先生の不正が暴かれないままイェソが落ちるという「主人公が映えない」結末になってしまうのかなと。加えて全体としてハッピーエンドにするために、イェソ家が苦難を乗り越えて一家で絆を深める場面を演出したかったのかなとも思いました。こういった事情から、製作陣はヘナを物語の軸から消す(殺す)必要があったのかなと今では思っています。(もちろん個人の見解なので、100%の確信はありません)

5. 最後に

今回はドラマ『SKYキャッスル』に登場する人物や、彼らを取り巻く家庭環境について紹介してきました。キャストも演技派が勢揃いなので、演技がリアルすぎてイライラすることも幾度となくありました(笑)それだけ、このドラマの題材が、自分にとってスルーできるものではないということでしょう。私自身も大学受験を経験しています。韓国ほどではないにしても、日本もそれなりに学歴社会が根付いている国であるのはほぼ間違いありません。きっと、訪問してくださったみなさんにとっても身近な題材だと思います。この記事を通して、少しでも、みなさんがドラマを振り返る上でお役に立てていたら幸いです。

次回はドラマを通して私が感じたことをなるべく簡潔に(笑)、ご紹介していく予定です。では、最後まで読んでいただきありがとうございました!

(トップ画像はJTBCさんからお借りしました)






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