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いくつもの時間を超えて

夏は毎年欠かさず着ているアミアミの羽織り。これはおばあちゃんのお下がりでレトロなデザインがとても気に入っている。軽くて涼しいし着回ししやすい。可愛いだけでなく機能性も抜群なのである。

裾も可愛い

ちょっと古いものに魅力を感じる。
私はその時代を知らないけど、どこか懐かしく感じたり、愛着を持ったりもする。

ある人が「今の時代はどんどん新しいものが出てくる。だからこそ古いものが逆に新鮮に感じたり斬新に感じたりする。」と言っていた。

私は目新しいものが好きだった。だけど流行はすぐに過ぎ去ってしまう。そのスピード感たるや、知った瞬間には既に随分と過去だったりする。世代によってタイムラグもある。刹那的に加速するこの時間は、もはや誰にも止めることなどできない。
情報量が多くシンプルではないと感じることも増えた。以前は新しいものを追い求め探していたけれど、いつしかそんな自分にも疲れてしまった。

繊細なデザイン...!

クラシックな世界観は永遠性を孕んでいるみたいだ。誰もがノスタルジーに浸れ、誰もがシネマティックな空気感に憧れる。情景が浮かび感情が湧き立つ、まるで五感で味わうような魅力的な世界線だと思う。

私はおばあちゃんの若かりし時代を、もちろん知らない。それなのにこのアミアミ羽織りを見ることで身につけることで、心がタイムスリップできるかのような気分になる。
どんな時にこの羽織りを着ていたんだろう?誰と会ったんだろう?どんな話をしたんだろう?おじいちゃんとのデートでこの羽織りを着たのかなあ...。
そんな風な情景が、全くわからないのに知らないのに、知っているような不思議な気持ちになる。お洋服にも想いは込もるんだと思う。

大切に着ていたんだろうな。というのは状態を見れば一目瞭然で、お下がりとは思えないほどしっかりしていて全くくたびれていない。汚れやすい白なのに綺麗に保たれている。

今は私が、今の時代で大切に着る番!
おばあちゃんから譲り受けたアミアミ羽織り。これは物質的な意味だけでなく、このお洋服に纏うドラマやロマンを受け継いだと思っている。
それは壮大なる物語。いくつもの時間を超えて私の元にやってきたことを心から喜ばしく思う。

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