楽譜も読めない音楽未経験者が「1万人の第九」に挑戦した話
12月3日、大阪城ホールにて行われた「サントリー1万人の第九」
こちらに1万人の合唱団として参加してきました!✨
毎年この大阪城ホールで行われている「1万人の第九」。老若男女様々な人生を歩む1万人が一堂に会し、「歓喜の歌」を歌う。
そんな人生、いや世界を見ても滅多に無いような機会を経験し、とてもとても心にずしりと残る思い出ができました。
この時の映像が、明日12/28、午前10時30分よりMBS(関西ローカル)にて放送されます。気になった方はぜひ。
見逃し配信もTVerであるとの事です。
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さて。1万人で歌うこの「第九」ですが、合唱パートとなる第四楽章のクライマックス部分は15分ほど。全てドイツ語で歌うものになっています。
15分間もの歌唱、ドイツ語の歌詞、それを全て暗譜する......こう言葉で並べてみるとすごくハードルが高い。
そんな挑戦を、クラシックに疎く楽譜も読めない超!音楽未経験者の私、めちゃくちゃ頑張ってきました〜😂
なーんでそんな急にチャレンジングな事を始めたのか。きっかけは友人のお誘いでした。
過去に2回この合唱団参加の経験がある友人。彼女と出会った頃から、この「1万人の第九」に参加したんだよ〜という話は聞いていました。
その話を聞けば聞くほど、そんな世界を1度経験してみたいなあ〜という憧れが強くなります。
元々歌うことは好きで、学生の時にやっていた合唱もどちらかと言えば得意分野。なので、「クラシックは詳しくないけど合唱なら自分にもできるかも!やってみたいな〜!」そんな感覚で考えていました。
そして、ついにその時が。
参加してみたいな!と友人に言った次の年から某感染症禍が続き、1万人での合唱は3年間行われず。しかし、今年ついに1万人が復活するという事でお誘いを受けました。
話を聞いた瞬間から、感じたことないワクワクが体内から溢れ出てきた感覚は今もしっかり覚えています。その時友人は「また考えといて〜☺️」的なニュアンスでお話してくれましたが、私はもう既にやる気満々でした。笑
最終的に、「新しいことやってみたい!」と言ったもう1人の友人も誘って、3人で参加することになりました。
高校時代の部活の同級生で、今も関係性を続けている友人たち。今は職業もバラバラですが、またあの時の部活の様に、同じ事を一緒に頑張ることができて嬉しかったなあ。✨
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練習は週に1回の2時間。9月頭から始まりました。
5月にお誘いを受けてからずーっとワクワクを抱えて過ごしてきましたが、練習が始まってすぐの頃、「不安」が正面からぶつかってきます。
ドイツ語の言語が馴染みなく難しいのはもちろんのこと、そもそもまず楽譜が読めないのが致命的でした。楽譜を見て歌ってと言われても音符の上がり下がりの変化しか分からない。
フォルテシモやクレッシェンド等の音楽記号は学校で習ったから分かっていたけれど...そこを分かったとて、音程が分からないので何も使えない、活かせない。笑
周りは音楽に触れたことのある方々がほとんどのはず。練習のペースも私からすれば想像以上に早かった。
第九自体が難しいというのも少なからずあると思いますが、それ以前に私があまりにも音楽初心者すぎて練習についていけない。そんな状況が続きました。
誘ってくれた友人は20年もピアノをやっているゴリゴリの音楽経験者。もう1人の友人も小学生の頃からからピアノ、吹奏楽の経験のある子。
あれ、これ私参加したの間違った...???と焦りは次第に強まっていくのでした。
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練習が始まって1ヶ月程で焦りは頂点に。これはやばい、覚えられない。どうしよう。
とにかく聴きまくって復習していくしかない。先週習ったところはちゃんと覚えて、次の練習では先週やったところの復習から始まるだろうから、そこでは出来るようにしよう。予習よりも復習!
ありがたいことに、合唱団専用の特設サイトにリモートレッスンの教材を用意して下さいました。音の強弱や発音の大切さは後で入れ込むとして、とにかく耳コピのために同じパートを聴いて聴いて聴きまくりました。
その結果...なんとかなってきたのです。
普段音楽を聴く時も、歌詞は気になったら見る程度で後はほとんど見ないタイプ。それでも聴きまくっていたらカラオケで結構歌える。そんな感覚と同じように覚えていきました。
それでも、聴きなれた日本語の曲では無いのですぐには覚えられません。何度も何度も再生を繰り返します。
それを続けること1ヶ月。耳が少しずつ慣れてきて、覚えるまでの時間も短くなってきた。よしよし。
練習当初にあった「不安」も無くなってきて、気づいたら、またワクワクで体が満たされていました。
ああ、こうやって「初めてやること」と向き合っていくんだなあ。久しぶりに、新しいことへ挑戦する楽しさと難しさを体全体で味わってきました。
壁にぶつかりそうになったけれど、それでもとにかくやり続けてみよう。割と当たり前の事なんだけど、これからも色んなことに対してその考え方を持っていたい。大切なことを学んだ3ヶ月間の練習でした。
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そして当日。
程よい緊張感と、たっぷりのワクワク。そして日頃の仕事やリハーサル前後の待ち時間で溜まった疲労感(笑)を持って、本番に挑みました。
正直、うまく歌えたかは分からない。だけど、思い切って歌えたことだけは覚えている。
私が居たのはこの席。この写真の中央近くから強く照らされた光がすごく眩しくて、それに負けないように歌った。
ああ、練習頑張ってよかった。こんな場所で思いっきり歌えるなんて。
豪華なオーケストラ、佐渡裕さんの指揮、そして1万人とともに歌うこと。こんな素晴らしい環境で思いっきり歌えて大満足。楽しかったなあ。。
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長々と語りました。
今でも、思い返す度に上手く言語化できない感情が溢れます。本当に貴重な経験だったなあ、と日々痛感しています。
それがまた言語化できそうな時に、noteにまとめられたらいいな。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました☺️
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