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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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#触診

胸腰椎の評価⑤

前回までに胸腰椎の屈曲、側屈、回旋の観察・評価ポイントについて整理しました。各椎骨の形状と椎間関節の形状を理解することで、観察するべきポイントが整理でき、評価の精度が向上します。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は前回まで実施した観察から、どの椎間関節に不全が生じているのか?を評価する方法について整理しましょう。 1 特徴 前回までに実施した観察のポイントは ・屈曲時には直線となっている箇所 ・側屈時にも直線となっている箇所 ・回旋は回旋が生じていない箇所

第2肩関節の評価方法

評価シリーズは現在、肩関節の評価方法について整理しています。今まで胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭関節について整理してきました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 本日のテーマは機能的関節である”第2肩関節”の評価方法について整理していきましょう。 1 特徴 肩関節は大きく分類すると ・胸鎖関節 ・肩鎖関節 ・肩甲胸郭関節 ・肩甲上腕関節 に分類され、それぞれの関節が動く事で参考可動域まで可動することが可能となります。 しかし、肩関節は細かく分類すると、上記の他に

短趾屈筋の触診

前回は母趾内転筋について整理しました。足部の横アーチでも特に前足部にを構成するために必要な筋となっていますので、ぜひチェックしていきましょう。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回のテーマはやはり前足部の横アーチに関連する”短趾屈筋”についてです。 1 触れることの意義 短指屈筋は虫様筋をはじめとする内在指屈筋群とともに、前足部横アーチを保持します。 横アーチは他の2つの縦アーチと協働し ・体重の分散とバランス ・衝撃吸収 ・歩行時の推進力アップ を担ってい

母趾内転筋の触診

前回は短母趾屈筋について整理しました。足部の横アーチを構成するために必要な筋となっていますので、ぜひチェックしていきましょう。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回のテーマはやはり足部の横アーチに関連する”母趾内転筋”についてです。 1 触れることの意義 母趾内転筋は足部の横アーチに関連していきます。 前回も整理しましたが、一度横アーチの機能について整理していきましょう。 横アーチは他の2つの縦アーチと協働し ・体重の分散とバランス ・衝撃吸収 ・歩行時の推

短母指屈筋の触診

前回から足部の内在筋について整理しています。横アーチの形成に関連しており、臨床では注意しておきたいポイントです。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回のテーマは”短母指屈筋”についてです。こちらも外反母趾の際に必ずチェックしておきたいポイントです。 1 触れることの意義 上記でも記載しましたが、外反母趾に関与します。 外反母趾の症例では母指球筋の筋力低下に伴う母指中足骨の過内転が、外反母趾角に関与します。 そのため、前回の母指外転筋と一緒にチェックしておきた

母指外転筋の触診

前回まで下腿から足部に走行している筋について整理していきました。 機能解剖を確認すると、臨床での触診する目的が明確になります。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回からは足部の内在筋について整理していきいましょう。 今回のテーマは”母指外転筋”についてです。こちらは外反母趾の際に必ずチェックしておきたいポイントです。 1 触れることの意義 上記でも記載しましたが、母指外転筋は外反母趾に関与します。 外反母趾の症例では母指球筋の筋力低下に伴う母指中足骨の過内転が

長母指屈筋の触診

前回は長指屈筋について整理してみました。長指屈筋は第2~5指を屈曲、足関節を底屈、足部を回外する作用の他に、長母趾屈筋と共に働き、第1~5趾を引くと同時に距骨と踵骨を安定させ内側縦アーチの形成に関わっています。足部の安定性について考える時には評価しておきたいポイントでしたね。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 本日は長指屈筋と一緒に内側縦アーチを形成する長母指屈筋について整理していきましょう。 1 触れることの意義 作用としては母指を屈曲、足関節を底屈、足部を回

長指屈筋の触診

前回、前々回より足趾の主導作筋について整理しています。前回までは足趾を伸展するための筋を整理しました。歩行時の躓き防止に重要ですが、その他に足部の安定性にも寄与していました。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 本日からは足趾の屈筋群について整理していきましょう。本日のテーマは”長指屈筋”です。 1 特徴 今回は触診する意義を理解するためには、筋の走行のイメージが重要となります。そのため、先に走行について確認していきましょう。 【起始】脛骨後面 【停止】第2~5

長指伸筋の触診

前回の長母指伸筋は歩行時の躓き予防にも必要な筋のため臨床で注目し、必要な場合はしっかりと訓練しましょう。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 本日も躓き予防に重要な長指伸筋です。 しっかりと整理していきましょう。 1 触れることの意義作用としては第2~5指を伸展、距腿関節を背屈、距踵関節では回内です。 前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋は足関節背屈に働き、生活では歩行時、躓かないようにつま先を反らす動作に大きく貢献します。 もし、何もないところで頻繁に躓くことが多いよう

長母指伸筋の触診

前回までに足部の縦アーチに関わる筋について整理してみした。後脛骨筋、長腓骨筋、短腓骨筋、それぞれ重要な役割があります。ぜひ臨床でチェックしてみましょう。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 本日も足部に関連する筋について整理します。本日のテーマは臨床で腰部の神経症状を評価する際に必ず確認している”長母指伸筋”について整理して行きましょう。 1 触れることの意義長母指伸筋の作用として、母指を伸展、距腿関節を背屈、距踵関節ではわずかに回内です。さらに、CKCにおいては足

長腓骨筋の触診

前回から足部の安定性に寄与する筋について、機能解剖、触診を整理しています。前回は特に重要視されている後脛骨筋について整理してみました。整理するほど重要性が理解できましたね。 臨床1年目の教科書 今回も臨床で足部の安定性を評価し、アプローチする際に欠かせない長腓骨筋についてです。 1 触れることの意義足部には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つアーチが存在しています。その中で長腓骨筋が関わるのが外側縦アーチです。 足部のアーチとなると内側縦アーチが注目されますが、外側

後脛骨筋の触診

前回までは下腿三頭筋の腓腹筋、ヒラメ筋について整理してみました。それぞれの役割を確認すると、別々に触診するべき理由が明確になります。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回からは足部の安定性に関連する筋を整理していきましょう。まずは、足部の安定性に欠かせない後脛骨筋についてです。 1 触れることの意義足部には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つアーチが存在しています。その中で後脛骨筋が関わるのが内側縦アーチです。 内側縦アーチは”土踏まず“を形成し、歩行運

ヒラメ筋の触診

前回は下腿三頭筋の一つである腓腹筋について整理してみました。足部だけではなく、膝関節の安定性に関わっており、臨床でなぜ触診するべきか?評価するべきか?が明確なりましたね。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は下腿三頭筋のもう一つのヒラメ筋について、なぜ触診するべきか?どう触診していくのか?について整理していきましょう。 1 触れることの意義ヒラメ筋は歩行時、立脚層中期より活動が著名になります。 MStからTStで下腿が前傾する際に下腿三頭筋はヒラメ筋が下腿の前

腓腹筋の触診

前回から足部の筋の触診について整理しています。前回は前脛骨筋であり、臨床でよくこの筋の触診、訓練を実施しますが、その目的について整理してみました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回も臨床でよく筋力訓練をするところを見る下腿三頭筋の”腓腹筋”について整理してきましょう。 1 触れることの意義臨床で下腿三頭筋を筋力訓練することが多くあるかと思います。 特のこの筋が重要となっているのが、立位や歩行時の膝関節の安定性を担当していることです。 膝関節の安定性は、しっか