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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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#手指

虫様筋の触診

【リハカレ公式HP】https://iairjapan.jp/rehacollege/前回まで小指について整理しまきました。今回のテーマとして、MP関節の屈曲、PIP関節・DIP関節の伸展に作用する”虫様筋”について整理していきたいと思います。 手指の動きを理解するためには虫様筋の走行と作用をしっかりと整理することが重要です。 前回までの内容はこちらから 臨床1年目の教科書 1 特徴虫様筋の”触診する臨床意義”を説明するためには、走行と作用を確認する必要があります。そのため

小指対立筋の触診

本日からテーマは小指に移っていきます。前回までは人類の進化で非常に重要な役割を果たした母指について整理していきました。今回のテーマである小指はどのような特徴があるのでしょう? 臨床で注目されにくい小指は意外に重要です。 本日は”小指対立筋”をテーマに小指の特徴などを整理していきましょう。 前回までの内容はこちらから確認できます。 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義ADLにおいて小指はどのくらい利用されているのでしょう? 下記の図によると、意外に多く利用されており、

母指内転筋の触診

母指はCM関節とMP関節が柔軟に動くことで、物の形に手を馴染ませ、把持することを可能とします。この時に特に重要とされているのがCM関節です。今回はCM関節の内転に働く母指内転筋について整理していきましょう。 前回までの内容はこちらから確認できます。 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義前回も整理したましたが、母指のCM関節が動くことで、手掌の形を形成し、物をつかむときのなじみが出ます。 また、母指の内転運動は対立運動が不可能な場合の代償手段してよく用いられます。 そ

短母指外転筋の触診

前回の内容で、母指はCM関節とMP関節の柔軟性と運動性の両立が重要と理解できました。そのMP関節の動きを担当しているのが前回の短母指屈筋でしたね。今回はCM関節の動きを担当している短母指外転筋を整理していきましょう。 前回までの内容はこちらから確認できます。 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義前回も整理したましたが、もう一度、生活で使える”手”として動くためには、 とされており、手指の各関節が柔軟に動くことが求められていることが理解できました。 では、今回のCM

短母指屈筋の触診

母指はCM関節、MP関節、IP関節とありますが、特にCM関節とMP関節が柔軟に動くことが重要と言われています。 そのMP関節の動きに関わる短母指屈筋を整理していきましょう。 手指は複合的に考えていくことが重要です。そのため、今までの内容も確認していただきながら今回の内容も整理していきましょう。 前回までの内容はこちらから確認できます。 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義臨床では、ただ関節が動くだけでなく生活で利用できることが求められます。手指の場合、多くが物を使う

浅指屈筋の触診

今回のテーマは”浅指屈筋”です。この筋は母指以外の4指の屈曲に関わる筋であり、日常生活で利用されることが多いです。 そのため、作業療法士など手指に関わる療法士は必ずチェックしておきたいポイントの一つですね。 前回までの内容はこちらから確認できます。 臨床1年目の教科書 1 触れることの臨床意義浅指屈筋の作用はPIP関節を屈曲させます。さらに、MP関節の屈曲および手関節の掌屈にも関与します。 この作用がどの位生活で利用されているのでしょうか? 上記の表を確認すると、指腹つま

短母指伸筋の触診

前回の長母指伸筋はテーブルの上に手掌を置き、母指を持ち上げるような伸展運動の際に唯一働く筋でしたね。走行を機能を一緒に確認することで生活で利用する運動が整理できました。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回は、短母指伸筋です。前回も確認しましたが、母指は生活で多く利用されます。その中で短母指伸筋はどのような役割を担っているのでしょう? 1 触れることの臨床意義前回も確認しましたが、生活で母指が利用される機会は下記の図のよう多岐にわたります。 この母指の動きが制

示指伸筋の触診

前回から手指の運動に関わる筋を整理しています。前回は総指伸筋を整理しました。構造を確認すると作用のMP関節伸展の理由がよく分かりました。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回のテーマは示指伸筋を整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義示指に対してアプローチをすることが多いのが作業療法士かと思います。 手の運動の中で、母指、示指、中指の対立は生活で非常に利用される運動です。 例えば、正しい持ち方での箸動作は、母指と示指・中指の対立動作、薬指の支えにより成立

総指伸筋の触診

前回までは手関節の運動に関係する筋の触診について整理していきました。機能解剖を整理すると、なぜその筋に触診するべきか?と目的が明確になり、臨床と結びつきますね。 前回までの内容はこちら 臨床1年目の教科書 今回からテーマは手指の運動に関係する筋となります。 初回は総指伸筋です。 1 触れることの臨床意義総指伸筋の機能としては示指から小指までのMP関節を伸展させます。 臨床において、この機能は脳卒中後のリハビリを担当する際にはしっかりと確認しておきたいポイントです。 脳卒中患

長掌筋の触診

前回までは肘関節・前腕の筋について整理していきました。肘関節と前腕、さらに、肩関節のつながりが機能解剖を学ぶと整理できましたね。そのポイントで臨床も評価・介入していきましょう。 前回までの内容はこちらから https://note.com/iair2020/m/m92e3e18a0b19 今回からは、手指にテーマを移していきましょう。 本日のテーマは”長掌筋”です。 1 触れることの臨床意義長掌筋の作用は手関節の掌屈、手掌腱膜の緊張です。しかし、作用として機能することが非常