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臨床1年目の教科書

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リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
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#リハビリレーション

距腿関節の触診

さて、触診もいよいよ足部に移っていきましょう。 足部は、立ちがり、立位保持、歩行など様々な場面で注目することが多くあります。さらに背屈制限ある際のADLへの影響が強く生じます。 その背屈制限を精査するためにも触診出来ると、評価の確実性が向上します。今回は、足部の動きに注目しつつ、距腿関節の触診について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義距腿関節の大きな動きは足関節の底屈・背屈です。 距腿関節のストレッチをすると、筋の伸長感ではなく、”カツ”と骨性のエンドフィール

腓骨頭の触診

前回までに大腿骨の触診を整理していきました。 骨盤・股関節の稼働性や安定性の評価をするために触診が必要となります。確実な触診ができるようになり、評価の精度を向上していくことで臨床に活かされます。 今回からは下腿の触診について整理していきましょう。 まずは近位脛腓関節を構成している、腓骨頭の触診について整理していきます。 1 触れることの臨床意義上記でも記載した通り、腓骨頭は近位脛腓関節を構成します。 近位脛腓関節は膝関節に近い関節ですが、足部の動きに非常に重要な要素となって

大腿骨頭の触診

前回の大腿骨大転子の触診を整理していきました。 大転子を触診できることで、イメージが可能となり、姿勢分析に非常に役立ちます。ぜひ、臨床で積極的に触れていきましょう。 本日はその続きで、大腿骨頭の触診を整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義骨頭が触診でできることで、臨床にてどのように活かせるのでしょう? 私は股関節の安定性を評価するために骨頭の触診をよく実施していました。 股関節は骨頭に対して臼蓋が非常の小さいですが、靭帯や筋により安定化され、著しく安定性に優れた

大転子の触診方法

体幹、上肢の骨の触診が終了し、今回からはいよいよ下肢の触診を整理していきましょう。 下肢の触診は臨床で多く実施する機会があり、この触診の確実性がないと、評価とアプローチの有効性・再現性が低くなってしまいます。 しっかりと触診できるようになっていきましょう。 今回は、大腿骨大転子について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義 大転子が触診できることで、患者さん・利用者さんの大転子の位置がしっかりとイメージできるようになります。 それが臨床ではどのように活きるのか?

舟状骨の触診

前回までで前腕の触診を整理していきました。 その中で重要なのが、触診ができるようになった結果、臨床にどのように繋げていくのか?つまり目的をしっかり整理していくことでした。 しっかりと、この部位をなぜ触診したいのか?を明確にしていきましょう。 今回は新人療法士が苦手としている、手根骨の触診。その中でも舟状骨について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義舟状骨は橈骨手根関節と手根中央関節の2つの関節を構成しています。 つまり、舟状骨の触診ができることで、上記の2つの関

遠位橈尺関節の触診

前々回に近位橈尺関節の触診について整理しました。 この近位橈尺関節を見る時に同時に見てもらいたいポイントが今回のテーマである遠位橈尺関節です。 では、なぜ同時に近位・遠位橈尺関節を見る必要があるのでしょうか? 今回はその理由も一緒に整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義近位橈尺関節と遠位橈尺関節は、両方同時に動くことで前腕の回内外を可能としています。 回内外は臨床では見逃しがちなポイントですが、生活場面では以下の通り非常に利用する機会の多い動きです。 (引用:筋

腕尺関節の触診

今回も、臨床であまり意識していない肘関節について触れていきましょう。 前回は橈骨頭に触れることにより、屈伸の安定性、前腕の支持性、回内外の可動性が評価できるようになりました。 今回は、その肘関節の屈伸の大きな役割を担う腕尺関節について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義腕尺関節は蝶番関節に分類され、自由度は1度となっています。 つまり、屈伸のみ動きの際に大きく稼働します。 この屈伸がスムーズに行くことで、橈骨も動き、前腕骨間膜が緊張し、前腕での支持性が向上します

腕橈関節の触診

今回は、臨床であまり意識していない肘関節について触れていきましょう。 肘関節は複合関節であり、以下の3つの関節から構成されています。 ・腕尺関節 ・腕橈関節 ・近位腕尺関節 今回は腕橈関節の触診方法について整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義 臨床であまり意識されていない腕頭関節ですが、触診ができることでどのように活かされるのでしょう? 腕橈関節が触れられることで、橈骨頭の触診がより正確になります。 私はこの橈骨頭の触診を以下の2つを評価する際に利用しています

上腕骨小結節の触診

今回は小結節の触診です。 前回整理した大結節の触診が可能となると、その横にある小結節の触診が可能となります。 しかし、それよりも確実に触れる方法について本日は整理していきましょう。 1 触れることの臨床意義小結節が触診できることにより、臨床ではどのように活かせるのでしょう?私は具体的に以下の2点になります。 ・結節間溝のランドマーク ・触診が可能なことによる筋の走行イメージの修正 前回のテーマの大結節と小結節の間には結節間溝があり、そこには上腕二頭筋長頭腱が走行しています

上腕骨大結節の触診

今回から上腕骨の触診を整理していきましょう。 上腕骨は”肩甲上腕関節”と”肘関節”を構成しており、それぞれ繋がりがあります。肘に不全がある場合肩関節に影響が生じ、肩関節に不全がある場合肘関節に影響が生じます。 それぞれしっかりと触診ができることで、不全の原因を考えられるようになっていきます。 ぜひ触診を整理し、臨床につなげていきましょう。 1 触れることの臨床意義大結節が触診できることにより、臨床ではどのように活かせるのでしょう?私は具体的に以下の2点になります。 ・結節間

肩峰の触診

前回より上肢帯の触診を整理して行っています。 骨の触診は基本的に突起部を触れていくため、圧をコントロールしながら触れることでわかりやすいことが多いです。 この圧をしっかりコントロールすることも重要ですので、臨床では相手の表情を確認しながら実施していきましょう。 さて、今回の整理していく箇所は肩峰です。 この肩峰が触れられることでどのように臨床上活かすことができるでしょう? 本日も整理していきましょう。 1 肩峰を触診する意義 肩峰が触診できることで、自分のイメージと実際

烏口突起の触診

前回までに脊柱の触診を整理していきました。 今回からはいよいよ新章です。 今後は上肢帯の触診について整理していきましょう。 今回は、意外にイメージが付きにくい烏口突起の触診です。 しっかりと整理していきましょう。 1 烏口突起が触れらると? 臨床上、烏口突起が触診ができることでどのように活きて来るのでしょうか? まずは烏口突起の周辺に何があるのか?を整理していきましょう。 ・筋 烏口突起は小胸筋の起始になっています。 小胸筋は肩甲骨の安定性にも関与しており、不全を起こす

第4・5腰椎の触診

さて、前回までに頸椎・胸椎の触診方法について整理していきました。 脊柱の触診では ・棘間は側面から触診することでわかりやすい ・各ランドマークをしっかり確認する が非常に大切になっています。ぜひ、臨床で意識しながら触れるだけでもいい練習になりますので、取り組んでいきましょう! 今回は脊柱触診の最後として、腰椎の触診について整理していきましょう。 1 腸骨陵の確認ヤコビー線は以前も整理しましたが、もう一度整理していきましょう。 ヤコビー線は両側の腸骨陵の1番高い箇所を触れ

胸椎の触診を練習しよう

先週までは、胸椎のランドマークである肩甲骨の触診について整理していきました。 しっかりと肩甲骨の各部位が触診できることで胸椎の触診の正確性が向上します。 さて、胸椎は上の図のような位置関係にあります。 臨床上触れていくことが多いのが、棘突起かと思いますが、この棘突起に触れていく時にポイントがあります。 本日はそのポイントについて整理していきましょう。 1 胸椎のランドマーク上の図にもありますが ・両側の上角を結んだ位置に第1または2胸椎 ・両側の下角を結んだ位置に第7胸椎