マガジンのカバー画像

臨床1年目の教科書

215
リハカレスタッフによる、新人さん向けのマガジンです。
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

骨盤の評価②

前回より骨盤の評価を整理しています。前回、骨盤輪が安定することの重要性が理解でき、その骨盤輪を構成する仙腸関節の評価方法について整理しました。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は骨盤を評価する際に一緒に確認しておきたい股関節について整理していきましょう。 1 特徴 上記でもあった通り、骨盤輪全体の安定性が、体幹の荷重を下肢に伝えるとされています。では、この骨盤輪はどうしたら安定するのでしょうか? 仙腸関節は前屈運動によって関節面の圧迫と剪断(摩擦)力が上

骨盤の評価①

前回までに胸腰椎の評価を整理しました。脊柱を評価する際には、カップリングモーションを意識して屈伸、側屈、回旋を評価することが重要です。しかし、ただ観察するのではなく、各椎間関節の特徴を加味した観察により、評価の正確性が向上します。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回からは脊柱を評価する際には必ず一緒に評価しておきたい骨盤について整理していきましょう。 1 特徴 骨盤は、左右一対の寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)、仙骨、尾骨で構成される骨格です。この寛骨と仙骨、仙腸関

胸腰椎の評価⑤

前回までに胸腰椎の屈曲、側屈、回旋の観察・評価ポイントについて整理しました。各椎骨の形状と椎間関節の形状を理解することで、観察するべきポイントが整理でき、評価の精度が向上します。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回は前回まで実施した観察から、どの椎間関節に不全が生じているのか?を評価する方法について整理しましょう。 1 特徴 前回までに実施した観察のポイントは ・屈曲時には直線となっている箇所 ・側屈時にも直線となっている箇所 ・回旋は回旋が生じていない箇所

胸腰椎の評価④

前回までに胸腰椎の屈曲、側屈の観察・評価ポイントについて整理しました。ただ観察するだけではなく、それぞれの椎間関節の可動性を知った上で観察すると評価の精度が変わってきます。 前回の内容はこちらから 臨床1年目の教科書 今回はやはりカップリングモーションを加味するために評価したい回旋について整理していきましょう。 1 どう稼働しているのか? 前回の復習になりますが、椎間関節は胸椎に向かうに連れて垂直方向に傾く構造となっており、腰椎の関節面は、ほぼ垂直になっており、上関節面は