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【ユダヤ教の異端思想】フランク主義

こんにちは。いつもお越しくださる方も、初めての方もご訪問ありがとうございます。

今回はフランク主義の英語版Wikipediaの翻訳をします。

翻訳のプロではありませんので、誤訳などがあるかもしれません。正確さよりも一般の日本語ネイティブがあまり知られていない海外情報などの全体の流れを掴めるようになること、これを第一の優先課題としていますのでこの点ご理解いただけますと幸いです。翻訳はDeepLやGoogle翻訳などを活用しています。

翻訳において、思想や宗教について扱っている場合がありますが、私自身の思想信条とは全く関係がないということは予め述べておきます。あくまで資料としての価値を優先して翻訳しているだけです。

フランク主義

フランク主義は、1726年から1791年まで生きたユダヤ教の救世主主張者ヤコブ・フランクの指導を中心とする、18世紀から19世紀にかけての異端のサバタイ派ユダヤ教宗教運動である。フランクは宗教的規範を否定し、彼の信者は可能な限り多くの道徳的境界線を越える義務があると述べた。最盛期には、ポーランドや中欧、東欧に住むユダヤ人を中心に、おそらく5万人の信者がいた。

自らを救世主と見なしたフランク主義創設者
ヤコブ・フランク

説明

伝統的なユダヤ教が社会的、文化的、宗教的な詳細な規範や法(ハラーハー)のセットを提供し、遵守するユダヤ人の生活の多くの側面を規制しているのとは異なり、フランクは「すべての法と教えは堕落する」と主張し、反知性主義に従って、すべての人の最も重要な義務はあらゆる境界を越えることであると主張した。

フランク主義は、17世紀のユダヤ人ラビ、サバタイ・ツヴィを救世主と見なした宗教運動であるトルコのサバタイ派と関連している。フランク主義と同様、サバタイ派の初期の形態は、少なくとも状況によっては反知性主義が正しい道であると信じていた。ツヴィ自身、ユダヤ教の食事法であるカシュルートで禁じられている食品を食べたり、定められた断食日を祝祭日として祝ったりするなど、伝統的なユダヤ教のタブーを犯す行為を行っていた。特にツヴィの死後、伝統的なユダヤ教のどの面を守り、どの面を捨てるべきかをめぐって、サバタイ派の多くの分派が発展した。

サバタイ派の祖
サバタイ・ツヴィ

ハインリヒ・グレーツアレクサンデル・クラウシャールなど、サバタイ派の権威の何人かは、フランク主義特有の教義の存在に懐疑的であった。20世紀のサバタイ派とカバラの権威であるゲルショム・ショーレムによれば、クラウシャールはフランクの言説を「グロテスク、滑稽、理解不能」と評していた。ショーレムはその古典的エッセイ『罪による贖罪』の中で、フランク主義をサバタイ派の後発的でより急進的な発展形と位置づける異なる立場を主張した。対照的に、ジェイ・マイケルソンは、フランク主義は「不吉ではあったが革新的な独創的神学」であり、多くの点で、それまでのサバタイ派の定式とは一線を画していたと論じている。伝統的なサバタイ派の教義では、ツヴィ(そしてしばしば彼の信奉者たち)は、悪と思われるものの中に隠された聖性の火花を解放できると主張していた。マイケルソンによれば、フランクの神学は、聖性の火花を解放しようとする試みこそが問題であって、解決策ではないと主張した。むしろフランクは、聖なるものと聖なるものでないものの「混合」こそが美徳であると主張した。ネタネル・レダーバーグによれば、フランクはグノーシス哲学を持っており、そこでは「真の神」が存在し、その存在は「偽りの神」によって隠されていたという。この「真の神」は、「偽りの神」によって作り上げられた社会的・宗教的構造を完全に破壊することによってのみ顕現するとされ、徹底した反知性主義に至った。フランクにとって、善と悪の区別そのものが、「偽りの神」に支配された世界の産物なのである。レダーバーグはフランクの立場をフリードリヒ・ニーチェのそれと比較している。

ドイツのユダヤ学者・歴史家
ハインリヒ・グレーツ
大著『ユダヤ人の歴史』においてキリスト教を明確に敵視した
ポーランドの歴史家・弁護士
アレクサンデル・クラウシャール
ドイツ生まれのイスラエルの思想家・ユダヤ神秘主義者
ゲルショム・ショーレム
シオニズムに傾倒し、1923年にパレスチナに移住
アメリカの作家・教授・ラビ
ジェイ・マイケルソン
著書に『ヤコブ・フランクの異端:ユダヤ人の救世主主義から難解な神話まで』がある
ドイツの哲学者
フリードリヒ・ニーチェ

ヤコブ・フランクの後

1791年にヤコブ・フランクが亡くなった後も、1770年にシェキナ(神の臨在の住まい)の化身であると宣言した娘のイヴが、兄弟たちとともに運動を指導した。

シェキナの化身を名乗ったヤコブの娘
イヴ・フランク

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