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五感を豊に

近所に、某国内家電メーカーの工場があります。
田舎では目を惹く都会的な建物で、ピカピカのガラス窓に夕日が映るととても綺麗です。
各階のベランダに全部椅子とテーブルが並べてあるけど、そこに人が座っているのは見たことありません。
エアコンの部品を組み立てている工場だと聞きました。

17時15分をすぎると、その四角い無機質な建物から蜘蛛の子を散らしたように、うわーーーーっと人が出てくるのです。
みんな足早に、わき目も降らず、門を出た瞬間、四方八方へ散って行きます。
駅へ向かう人
駐車場に向かう人
駐輪場に向かう人

基本的に歩いている人さえあまりいない田舎で、その光景はなかなか珍しく、毎回「おお・・・こんなに人がいる」とびっくりしてしまうのです。

みんなそれぞれ仕事して、家に帰る
モラハラ上司に暴言を吐かれ、もう来たくないと思っている人も
今日の夕飯何食べようかなとルンルンしている人も
帰って一刻も早く推しを鑑賞したい人も
家の中が不穏でピリピリして、カフェで時間つぶして帰ろうという人も

私が恐ろしいと思っている社会でこんなにもたくさんの人が自分の生活をしている。
そんな当たり前のことになんだかとても励まされます。

私が抱えるこの焦燥感、不安、恐怖
常に沸いてくる「自分はここにいるに値する人間か」という疑問
これは仕事のせいで感じていると思ったけどそうでなかったようです
仕事をせず、家事育児しているだけでも感じてるんですもの。

自分は結婚しないほうが良かったのか、とか
子供を持たない方が良かったのか、とか
絶望感を感じた時もあったけど、そう思うことには何の生産性も意味もないです。

社会心理学者の加藤諦三先生によると、これは幼児期の愛情不足、甘え不足がすべての原因につながっているらしいですね。

「私は大丈夫、誰にも嫌われてないし生きてる価値がある」と自分で何回も何万回も、何十万回も言い聞かせていくしかないそうです。
とにかくこの自分蔑視のネガティブ脳回路を変えることが、自分を変えられることができると。それはありがたいお話です。

同じ顔を洗うという行為でも、顔を洗うのを「気持ちいいなー」と思える人は、親から五感を教えられているからだそうだ。逆に面倒だと感じる人は、そういうふうに感じる機会を与えてもらえなかった、ということ。
「すっきりしたね」「気持ちよかったね」そんな言葉がけ一つが人間を作っていくんだそうです。
それは私が今息子を育てる過程に重なります。

息子には、毎日楽しい!!ここって素晴らしい世界!!!僕も素晴らしい!!!と思ってほしいと思いながら育児しています。


自分自身にもそういう言葉をかけていけたらいいな、と思います。





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