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人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力(京セラフィロソフィより)

こんにちは。やまりです☺️

本日は「経営哲学に興味がある」という方に向けての記事です。

今回は、京セラ創業者・稲盛和夫氏の著書『京セラフィロソフィ』を取り上げます。

約600ページにわたる盛りだくさんな内容の本ですので、この記事では
・「京セラフィロソフィ」はどのようにして生まれたか
・第1章 すばらしい人生をおくるために

の2パートに絞り、中でも個人的にビビッ!と来た内容をご紹介します。

「人間として何が正しいのか」といった普遍的な判断基準をベース
に、経営や人生のあるべき姿を示した本となっていますので、この記事を通して、経営者に限らず、広く一般の方にも興味を持っていただけたら幸いです☺


「京セラフィロソフィ」はどのようにして生まれたか

そもそも、この本のタイトルとなっている「京セラフィロソフィ」とは?と疑問に思われている方に向けて、まずは簡潔に表すと以下のようになります。

常に「人間として何が正しいのか」と、自分自身に問い、真摯に仕事や経営にあたり、人生を生きていく中から生まれた考え方

この本では、そのような「京セラフィロソフィ」の内容をコンパクトにまとめ、京セラ社員に配布している「京セラフィロソフィ手帳」を、一項目ずつ解説していくという形態をとっています。

京セラが作られたのは、稲盛和夫氏が27歳の時で、その際に、「自分の人生も、京セラという会社の未来も、自分が心に抱く考え方・人生観、あるいは哲学といったもので決まるのではないか」と思ったそうです。

次の章でも触れますが、この本の1番のポイントと言っても良い、ある方程式を先にご紹介します。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

仮に「能力」に自信がなかったとしても、誰にも負けない努力をするという「熱意」は、これからの自分の気の持ちようでいかようにでもなりますし、人生を大きく左右する「考え方」こそ立派なものにすべきであり、何よりも大事なのが「考え方」である、と述べられています。

自分の会社をどこへ持っていこうと思うのか、あるいは人生の目標をどのようにしようと考えているかで、その目的達成のために必要な「考え方」は異なります。

より高い山に登ろう、より高いレベルの会社にしよう、自分の人生をより充実したものにしていこうと思うなら、「考え方」はその目標にふさわしい、より立派なものを持たなければなりません。

稲盛氏は、従業員に対して「少しストイックで、少しきまじめで厳しい、そういう生き方をしよう」と言い続けてきました。

会社というのは、結局トップの器量、トップの人格に合ったものにしかなりません。

会社を立派にし、自分の人生をすばらしいものにしようと思えば、自分の人間性を高め、人格を磨いていく、それ以外にはありません。

このように、心に残るフレーズがたくさん出てくる本なのですが、その中でもハッとさせられた文章をひとつ取り上げてから、「京セラフィロソフィ」の中身に入っていきます。

人の心というものをよりどころとしてこの会社を経営していこうと決心しました。
それは、人の心ほどうつろいやすく頼りにならないものもないかわりに、ひとたび固い信頼で結ばれれば、これほど強く頼りになるものもないと思ったからです。


第1章 すばらしい人生をおくるために

さて、この本のメインともいえる部分にここから入っていきます。
第1章は、6つのパートに分かれており、各パートに複数のトピックが書かれていますが、各パートから個人的に特にお気に入りのトピックを1つずつ選んでご紹介してきます。


1 心を高める

愛と誠と調和の心をベースとする

人生においても仕事においても素晴らしい結果を生み出すためには、ものの考え方、心のあり方が決定的な役割を果たします。
人を成功に導くものは、愛と誠と調和という言葉であらわされる心です。
こうした心は、私たち人間がもともと魂のレベルでもっているもので、「愛」とは他人の喜びを自分の喜びとする心であり、「誠」とは世のため人のためになることを思う心、そして「調和」とは自分だけでなくまわりの人々みんなが常に幸せに生きることを願う心です。
この愛と誠と調和を尊ぶ心から出てくる思いが、その人を成功に導いていく基盤となるのです。


2 より良い仕事をする

自ら燃える

物には可燃性、不燃性、自燃性のものがあるように、人間のタイプにも火を近づけると燃え上がる可燃性の人、火を近づけても燃えない不燃性の人、自分でカッカと燃え上がる自燃性の人がいます。
何かを成し遂げようとする人は、自ら燃える情熱をもたなければなりません。
高校野球では、心から野球の好きな若者たちが、甲子園という大きな目標を目指し、一丸となって生き生きと練習に励んでいます。
その姿には、未来への可能性とエネルギッシュな躍動が感じられます。彼らは自ら燃える自燃性の集団なのです。
自ら燃えるためには、自分のしていることを好きになると同時に、明確な目標をもつことが必要です。

会社の中で、あっちでも燃えている、こっちでも燃えているというように、自分から燃えてくれる人間が何人いるかで、会社の良し悪しは決まってきます。
ですから、いかにして「燃える人」をつくるかということが、経営を左右する鍵となってくるのです。

「燃える人」をどうやってつくるか。
燃える人を採用したい場合、やはり最初に見るべきはその人の性格です。
燃えるタイプとしてまず一番に来るのは「勝ち気」、そして「常に何事にも積極的」な人です。
そういう性格の持ち主が自分に与えられた仕事を好きになると、完全に自分から燃えてくれます。
ですから、なるべくならそういう性格の人を採用し、仕事を好きになってもらうように仕向けるのです。
もう一つ、自ら燃えさせる方法があります。
それは、責任感と使命感を持たせることです。
勝ち気で積極的な性格を持った人に仕事を好きになってもらうことで自燃性の人をつくる方法が一つ。
もう一つは、さほど勝ち気でも積極的でもない、真面目でおとなしそうな人の場合は、責任感を持たせて自ら燃えてもらう。


3 正しい判断をする

大胆さと細心さをあわせもつ

大胆さと細心さは相矛盾するものですが、この両極端をあわせもつことによって初めて完全な仕事ができます。
この両極端をあわせもつということは、「中庸」をいうのではありません。ちょうど綾を織りなしている糸のような状態を言います。
縦糸が大胆さなら横糸は細心さというように、相反するものが交互に出てきます。大胆さによって仕事をダイナミックに進めることができると同時に、細心さによって失敗を防ぐことができるのです。
大胆さと細心さを最初からあわせもつのは難しいことですが、仕事を通じていろいろな場面で常に心がけることによって、この両極端を兼ね備えることができるようになるのです。


4 新しいことを成し遂げる

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する

新しいことを成し遂げるには、まず「こうありたい」という夢と希望をもって、超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。
天は私たちに無限の可能性を与えているということを信じ、「必ずできる」と自らに言い聞かせ、自らを奮い立たせるのです。
しかし、計画の段階では、「何としてもやり遂げなければならない」という強い意志をもって悲観的に構想を見つめなおし、起こりうるすべての問題を想定して対応策を慎重に考えつくさなければなりません。
そうして実行段階においては、「必ずできる」という自信をもって、楽観的に明るく堂々と実行していくのです。


5 困難に打ち勝つ

見えてくるまで考え抜く

私たちが仕事をしていく上では、その結果が見えてくるというような心理状態にまで達していなければなりません。
最初は夢や願望であったものが、真剣にこうして、ああしてと何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやってもいないことまでもが、あたかもやれたかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。
これが「見える」という状態です。
こうした「見える」状態になるまで深く考え抜いていかなければ、前例のない仕事や、創造的な仕事、いくつもの壁が立ちはだかっているような困難な仕事をやり遂げることはできません。

自分で研究開発を手がけているわけでもないのに、頭の中で繰り返し繰り返しシミュレーションを行うことによって、完成品の姿が克明に見えてくる。
それが、「見えてくるまで考える」ということなのですが、結果が「白黒」で見える程度ではまだ不十分であり、「カラー」でありありと見えてこなければ考え抜いたことにはなりません。
そこまで徹底的に考え抜けば、研究開発にとどまらず、事業であっても、必ず成功するはずなのです。

専門的な経営学に精通し、経営者自身もすばらしい能力を持っていなければ事業はできないと言われていますが、私は経営の根本となるべき「経営哲学」が一番大事であり、それさえしっかりしていれば経営はうまくいくとひそかに思っていました。


6 人生を考える

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の三つの要素の掛け算で決まります。
このうち能力と熱意は、それぞれ零点から百点まであり、これが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。
これに考え方が掛かります。
考え方とは生きる姿勢でありマイナス百点からプラス百点まであります。
考え方次第で人生や仕事の結果は百八十度変わってくるのです。
そこで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつことが何よりも大切になるのです。

この人生の方程式は、私が京セラという会社をつくって間もないころに考えつき、社員に話し始めたものです。これは、「京セラフィロソフィ」の根幹をなすものと言っても過言ではなかろうと思います。

自分のようにそんなに優れた「能力」を持っているわけでもない人間が立派な仕事をしようと思えば何が必要なのだろう、と考えた私が、最初に思いついたのは「熱意」でした。
熱意というものが大事だろうとまず気づき、その次に「考え方」の重要性に気がついたのです。

私の人生方程式では、能力と熱意はゼロから百までで示されます。
しかし、考え方だけは、マイナス百からプラス百までとなっています。
この「考え方」とは、「人生を歩いていくための方向」みたいなものだと考えればいいと思います。
これは、東西南北というような全方向を言うのではなく、水平線の方向、つまり、ゼロを基点にしてこちらに百、その反対側に百、というような方向です。
人生、どっちへ向かって歩いてもいいと考えられるかもしれませんが、そうではなくて、人生の方向というのは一直線になっていて、プラスに向いて歩くか、マイナスに向いて歩くかという、単純な二方向しかないのです。
この方程式は掛け算になっていますから、例えば頭が優秀で運動神経も発達し、たいへん高い能力の持ち主が、熱意を持ち、誰にも負けない努力をしているとします。
ところが、その人がもし、ちょっとでもマイナスの考え方を持っていたとしたら、掛け算ですから、答え、つまり人生の結果は大きなマイナスになってしまうのです。

方程式の中の「能力」を、私は「才能」という言葉で言い換えることもあります。
よく「才に使われるな」と言います。
才能のある人はるい才走り、そのために才能におぼれてしまいがちですが、才能に使われていたのでは、とんでもないことになってしまいます。
才能を使うのは「心」です。
心が自分の才能を動かしていかなければなりません。
心を失い、才能だけ、商才だけがあるという人は、「才子才に倒れる」と言われるように、必ず失敗します。
その意味でも、心、あるいは「考え方」というものはたいへん大事なのです。

では、プラスの方向「良い心」とは何なのか、私が勝手に考えている「良い心」というものを今から挙げていこうと思います。
まず、常に前向きで、建設的であること。
みんなと一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。
明るいこと。
肯定的であること。
善意に満ちていること。
思いやりがあって、優しいこと。
真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。
利己的ではなく、強欲ではないこと。
「足る」を知っていること。
そして、感謝の心を持っていること。
良い心とは、今言ったようなことを全部持っている心だと考えています。

一般に、われわれは学校で、どんな考え方をするか、どんな思想を持つかということは個人の自由であり、自由な発想、自由な思想を持つことこそ、人間に許されたすばらしい権利なのだ、と教わってきました。
しかし、その自由の中で自分がどのような考え方を選択するかによって、自らの人生、運命が決まってしまう。
そこまでわかっている人が、果たしてどれだけいるでしょうか。
ところが、これほど重要なことに、多くの人は気づいていません。
また、学校でも会社でも、誰もそのことを教えてくれなかったのです。
誰かがもっと早く、考え方がいかに重要であり、人生を大きく左右するものかということを教えてくれていれば、また、先ほども説明したように、実はそれはとても単純なことなのだとわかっていれば、もっとすばらしい人生が送れたのに、と思う人は多いのではないでしょうか。


最後に

今回は、「京セラフィロソフィ」の内容の一部をご紹介しましたが、いかがでしたか?

どのフレーズをご紹介しようか選抜するのが大変なくらい、素敵な内容で溢れている本なので、気になった方はぜひ「京セラフィロソフィ」を手に取ってみてください!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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「考え方を大切にしよう!」
と少しでも思っていただけたら、
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