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インペリアルになりたいあなたに贈るSDVXノウハウ集

※※ この記事は無料で最後まで読めます ※※

はじめに

 ご無沙汰しております。うっでぃと申します。

 タイトルの通りです。SOUND VOLTEX(以下「ボルテ」)における実力の指数であるところの「VOLFORCE」(以下「VF」)を20.000以上にしたい!という方に向けて放出する、僕なりのノウハウ……いわば「攻略情報」です。
 いや、「攻略情報」というほどの偉そうなことは言えませんが、少なくとも自分は通ってきた道ですので、その案内ぐらいは出来るかなと思って筆をとった次第です。

 申し遅れましたが、筆者のプレイヤーとしての実力を自己紹介に代えて載せさせていただきます。


実力紹介(2022.4.15現在)

・ボルテについて
 初代の終わりかけ〜Ⅱの終わりかけにメイン機種としてプレーし、当時でいうレベル14以下(今でいうと16中位以下)の赤以上の譜面のPUC埋めを頑張っていました。しかし、15以上(今でいうと16上位〜18中位ぐらい)についてはスピードと密度についていけず、ほとんど歯が立たずじまいでした。
 そんな中ですが、当時一番長く歴を積んでいたjubeatで培った経験を生かし、少々の研究と粘着で何とかするプレースタイルでレベル15の一部の曲だけはPUC、UCを捻り出しました。
 Ⅲになって、真ん中から出てくる直角やレーンをはみ出るつまみなどの新しい要素に全くついていけなくなったのが響き、Ⅴの中期まではほぼ引退状態になり、他のゲームに精を出していました。
 そして時期は飛んで2020年8月、jubeatにおいて大きな目標を達成してひと段落ついたため、メイン機種をボルテに移し、約1年半ほぼ毎日プレーし続けて現在に至ります。
 VF21.00〜、レベル17PUC307曲、レベル18PUC122曲、レベル19PUC6曲といった程度の実力です。

・他のゲームについて(読み飛ばし可)
jubeat
……最もプレー歴が長く足掛け12年、灼熱追加前までのレベル10制覇達成経験あり
beatmaniaIIDX
……ブランクを多々含みながらプレー歴約8年、SPのみ(1Pサイド)、皆伝ミラー合格達成経験あり
ドラマニ……2012〜3年ぐらいの頃にハマってスキル7000ちょっとまでやった


 こんなところでしょうか。音ゲー人生13年のなかで最も一生懸命にやったゲームはjubeatで、今はその熱をそのままボルテに移したような感じで続けています。

 それでは本題に入ろうと思うんですが、その前にほんの少しだけ保険をかけておきたいと思います。


諸注意

取り扱い方のすすめ

 まず、この記事は僕自身の経験・知見にもとづいて書かれたものになりますので、明確なデータや出典があるわけではありません。他の有識者の方々の主張や意見等と合わせて参考程度にご利用いただければと思います。
 また、感覚や意識の説明もたびたび出てきますが、あくまでも一プレイヤーの経験談として、「そういえばこんなこと言ってたな」と思い出せば活用できるかもしれない程度のものとお考えください。


「ノウハウ」で解決できそうなこと、できなさそうなこと

 見出しからして投げっぱなし感が甚だしくて申し訳ないんですが、ノウハウを提供したところで本人が頑張るほかない部分というのは当然あります。僕が提示できるのは考え方や指針までで、実践するのはどこまで行ってもあなた自身です。

 これは平たく言うと「コツが掴めないとかやり方が見えてこないとかは助けになれるけど、それで上手くなれるかどうかは別問題やで」ということです。つまり責任逃れです
 たとえばフィジカル面(早すぎて指が追いつかないとか、押す力が弱すぎてトリル押してる時にボタンが反応しないとか、曲の終盤になると疲れて押せないとか)について、「純粋に筋力が足りないだけ」の場合に僕から出来ることはほぼ……いや、一つも無いですよね。インターネット越しにGacktのサプリメントを注入して筋力を増強できる方法を知っている方がいたらご連絡ください。
 しかし、筋力の問題ではなく筋肉の使い方の問題ならば、もしかしたら力になれることもあるかもしれません。そういう切り分けを念頭に置いておいていただければと思います。


 それでは、上記を理解していただけたということにして(?)、ボルテにおいて躓きがちな要素を列挙しながら、その対策としてのノウハウをまとめていきます。



認識全般

 まず前提として、ボルテは研究無しでの譜面認識がきわめて難しいゲームです。
 ただでさえデバイスの種類が豊富なのに、それが同じレーン上に表示されるわ、レーンが傾くわ、回るわ、消えるわ、割れるわ、といった具合で、初見で処理させる気が毛頭ないような譜面も多々存在します。
 こんなゲームをやるにあたっては、より分かりやすい認識を目指す必要があり、そのために適切にいじらないといけないものがありますね。

 ハイスピです。

 見やすい速度は人それぞれなので、そこは本当に個人の裁量というほかありませんが、巷でボルテをやっている人たちを眺めていて僕は常々思うところがあります。「早すぎて置いてかれてね……?」と。あなたがそれで良ければ僕も構わないんですけど。
 しかし、それでは良くない人たちにはちゃんと知っておいてほしいんです。「上手い人はハイスピが早いことが多いから早くすれば上手くなれる」わけじゃないんです。

 まずは適切なハイスピを見つけましょう。全てはそこから始まります。


適切なハイスピの見つけ方

 以下の手順を踏んでみてください。
※下記のハイスピに関する表記は新筐体での1.00〜10.00の表記方法に準拠します。

①現在のハイスピで、出来るだけレーンの奥の方を見ながら適正レベルの譜面を叩く
②「間が空いて次のノーツが来ると体がビクッとする」(反応しきれていない)ならハイスピを0.3程度下げ、「リズムが分からないわけでもないし落ち着いて押せているのに早ニアを量産することがある」ならハイスピを0.2程度上げる
③②がなくなるまで繰り返す
④焦って叩いて出した早ニアが多く感じた場合または極端に遅ニアが多い場合はハイスピを0.1程度下げる
⑤自分の現在の体調や手指の調子を加味して微調整する

 補足説明をしていきます。


①現在のハイスピで、出来るだけレーンの奥の方を見ながら適正レベルの譜面を叩く
 
ここで言う「適正レベル」とは、自分のVFからちょうど-1したぐらいのレベルと考えてもらえれば大体は意図した通りになるかと思います。VFが18.5の人ならレベル17の中位ぐらいの譜面、VFが19.1の人ならレベル18の下位の譜面、VFが22.0〜の人ならレベル21の下位の譜面をやってくださいということです。難易度としては、「その人にとって平常のコンディションでやれば、Sを割ることはほとんどないが、PUCに近いスコアが出ることもほぼない」程度のものが望ましいです。
 また、後述しますが、「出来るだけレーンの奥の方を見ながら」というのは、「最適な認識を保ちながら」と同じ意味だと捉えていただければ相違ありません。

②「間が空いて次のノーツが来ると体がビクッとする」(反応しきれていない)ならハイスピを0.3程度下げ、「リズムが分からないわけでもないし落ち着いて押せているのに早ニアを量産することがある」ならハイスピを0.2程度上げる
 前者は本当によく見かけます。常にJOMANDAの加速に初見で対応している人みたいな動きみたいになっていて救ってあげたいと思います。
 後者もちょくちょく見ますが、前者よりは少ない気がしますね。ボルテというゲームが疾走感を売りにしているせいなんでしょうか。
 ちなみに、ハイスピ調整の数値については完全に肌感覚です。前者の場合はわりと大胆に変えた方が良く、後者の場合もそれなりに大きい変化は加えた方が良かろうという目論見です。

③②がなくなるまで繰り返す
 
特にありません。そのままの意味。

④焦って叩いて出した早ニアが多く感じた場合または極端に遅ニアが多い場合はハイスピを0.1程度下げる
 迷走の原因になりがちなケースだと思うんですが、「早ニアが出ているからハイスピを上げる」は必ずしも正しい判断とは限りません。適正のハイスピより早いスピードで降ってきたノーツを焦って叩いた場合は、押し遅れるよりも寧ろ早まる可能性が高いためです。
 それでも全体の数を比べれば、ハイスピが適正より早い場合に出るニアはLATEの方が多くなるでしょうから、リザルトだけで判断せずプレー中の感想で決めるべきとしています。

⑤自分の現在の体調や手指の調子を加味して微調整する
 言わずもがな、目がバキバキになって覚醒している時に感じる適正ハイスピと、眠くて目がシパシパして身体もまるで起きていない時に感じる適正ハイスピは、冗談抜きに0.4とか0.5とかぐらい違うと思います。
 あまり変えすぎても合わなくなって迷走するので、ある程度の基準を設けておくといいのかなと思います。たとえば僕の場合は、普段のハイスピが7.00、目が疲れていて全ての譜面で反応が遅れる時は6.90、体が暖まった状態で19や20を詰めている時は7.10〜20といった具合です。


 ところで、ここで言うところの適正のハイスピとは、鍵盤と他デバイス(つまみやロング)の両方に対応しやすいものを目指しています。僕の見解として、鍵盤の適正ハイスピの方が早いため、鍵盤に合わせすぎた結果他デバイスに対応できなくてスコアが伸びない人が多く見受けられるためです。
 上記の手順を踏んでも早ニアの量産がおさまらない方は、判定調整を+側に動かすことも試してみてください。大きく動かしすぎるとこれも迷走の原因になるので、多くとも2〜3目盛程度にして自分側が合わせる意識も忘れないようにしましょう。
 


 個人的には、ハイスピを適正にしただけで実力が明らかに変わる人も恐らくいるのではないかと思っています。それぐらいハイスピが実力を規定する(というよりハイスピが貢献している?)側面を持っている点は否めません。むしろ、自分の理想的なハイスピを見抜く能力は立派な実力の一部と言っても過言ではないわけです。


理想的な認識

 さて、先ほど「後述します」としてしまったのでここで述しますが、VF20.000を通過できたような人たちが譜面を認識する時、基本的になるべくレーンの奥の方を見ている、という話をしていきます。
 実際の画面で見た時に、僕が焦点を合わせている場所はこの辺りです。

グレイスの鼠径部、サイコー!!

※画像はhttps://m.youtube.com/watch?v=3NuR8vyyiUcからスクリーンショットさせていただきました。何か問題あれば対応します。

 画像の通り、ノーツが出始めるところを捉えています。自分の普段の視界を思い出してみましょう。もっと下の方を見ているという人は多いのではないでしょうか? 特に、レーンの中腹あたり(画像で言うとコンボ数のすぐ上〜FXロングがあるあたり)を見ていて、譜面に遅れて崩れる人が多い印象があります。
 実のところ、いついかなる時もここを見ているわけではないです(たとえば、つまみの難所で引きつけるようなイメージが必要な時などにはそこを目で追うようにしたりします)が、少なくとも手の動きが忙しくなる鍵盤発狂やつまみ複合の片手処理などにおいては絶対にこの地点を見るようにしています。

 これは他の落ちもの系の音ゲーをやっていると「ちょっと遠すぎる(上すぎる)のでは?」と感じるかもしれませんが、この地点を見るだけの合理的な理由があるのです。

 一つは、デバイス同士の物理的な距離もあいまって認識から操作までの時間を稼ぎたいこと。これは言うまでもなく、手のポジションがコロコロ変わるゲームですから、時間的余裕がないとつまみと鍵盤の行き来が出来ないよね、という話です。

 そしてもう一つは、全体を認識するのに見る範囲を小さく出来ることです。
 ボルテではレーンが手前に来るほど広く見えるようなビジュアルをしており(要するに奥行きがあり)、手前の方で見るほど広い視野で譜面を認識する必要が出てきます。ましてやレーン外に飛び出るつまみなど、草食動物並みの視野を要求されますよね。すみません、言い過ぎました。
 それでは、先ほどの画像に対し、「同じだけの範囲を見るのに必要な視野」を擬似的に追加してみましょう。多分主張の説得力が上がるはず……

あ、あれ……?

 …………想像以上に伝わらなさそうな些細な違いになってしまい、何というかコメントに困っています。
 ま、まぁ、とはいえ、実機で見たらもっと広く感じますし、僕自身の経験上確かに視野が足りなくなりがちなので、ここでは伝わらないとしてもご容赦ください……。

 この認識を心がけているかそうでないかで、譜面の処理能力がかなり変わるはずです。僕も、調子が悪いと感じる時はほとんどのケースがこの認識が頭から抜けている時です。立ち返るべき基本として、覚えておいて損はないと思います。
 さらに言えば、レーンが傾いた時(特に前後に)、この認識が抜けてしまうことが多いため、レーンのどの地点を見るかを一定にしながら傾きに応じると、一部のスコア難を克服できるはずです。

 ちなみに、副次的な効果として「癖がつきにくくなる」というのもあると個人的には考えています。その解説については、以下の記事に譲ります。お暇がある方は読んでみてください。


縦連

 すべての基礎とも言うべき「認識」について説明が済んだところで、各要素に触れていきたいと思います。最初に取り上げるのは見出しの通り、縦連です。
 縦連については定義が曖昧なんですが、ここでは「別々のレーンならば乱打または階段として処理される2つ以上のノーツが連続して同一のレーンに降ってくるもの」と考えます。

 ボルテにおける縦連は、他のゲームのように片手で連打を要求されるものと、最初から片手で押させる気はないものがあります。10thKACのボルテ女性部門で後者にあたる縦連を片手で押し切った猛者がいたとかいないとかいう話を聞き及びましたが、それはさすがに選ばれた一部の人間にしか出来ないことですので今回は考慮しません。

 それぞれで対処が全く違ってくるため、この項では「片手で押す前提の縦連」と「両手で押す前提の縦連」に分けて解説します。
 また、先ほどの定義に当てはめて考えるとギリギリ縦連と言えなくもない「壁」という要素についてもこの項で取り扱います。


片手で押す前提の縦連

 まずは、片手で処理することを前提にしているであろう、いわゆる「普通の縦連」についてです。
 正直なところを言うと、僕はこれが今も苦手で、力負けしてしまう譜面が多々あります。とはいえ、インペリアルが視野に入ってくるより以前はもっとひどかったことを考えると、「後天的に(?)出来るようになった人の意見」として参考になりうると思いますので、ここは一つ大目に見てもらうつもりで共有していきます。

 まずは、いくつか例示します。

Black night[MXM] 36小節目
Verse Ⅳ[HVN] 8小節目
冥 Rockin' SWING REMIX[INF] 28小節目


 (どうしよう……全部出来なくなった経験ある…………)
 これらは全て、僕のフォロワーのエルドラまたはクリムゾンの方に募った「出来ない縦連」のサンプルです。想像以上にリアルな現場の声という感じで僕も困っています。

 所感としては、3つの画像全てに共通して「ロングと絡む縦連は殊更に難しく感じる」と言えそうですね。それはそうですが……。
 生の声からすれば「早くロング絡みの縦連の捌き方を教えてくれよぉ!!」と言わんばかりかと思いますが、まずは前提としてロングが絡まない縦連のコツからお話ししていきます。まずはね。

 以前、縦連が得意な知り合いに聞いたところによると、「肘んとこと指先らへんに力入れんねん、あとはもう気合いやな」とのことでした。誰とは言いませんがありがとうございます。
 この意識は恐らく音ゲー界隈全体に流布しているのではないかというレベルでよく言われているもので、僕もこれに救われた経験があります。
 より具体的に説明すると、「肘側(鍵盤を叩く際に下側になる側)の前腕のスジに力を入れると、意図的に指が引き攣ったような動きをすることができる」という感じです。

 もっと縦連が上手い人に聞くと別の回答になるのかもしれませんが、僕から出来る説明はこの程度です……。

 ちなみに、(縦連が下手くそな)僕の経験則からすると、この意識のみで捌くことができるのは2連打までです。3連打以上については、複数本の指を固めた上で、力む箇所をもう一つ増やしています。です。いわゆる「三角筋」という部位(分からなければ調べてみましょう。物を持ち上げる時に使う筋肉です)に力を入れているイメージです。
 2打までは手首から先を固めて揺らすことで捌き、3打以上は肩に力を入れることで前腕を固めて揺らして捌くような感じでやっています。

 ここで気をつけてほしいことがあるんですが、「力を入れる」「力む」と書いてあるのを鵜呑みにしてガチガチに力むと、当然指先がこわばって他の鍵盤の処理がおろそかになりますし、何なら縦連も上手く押せないという惨状になりかねません
 「力を入れるイメージ」という言い回しになる意味を考え、あくまで力みすぎない適切な力の入れ方を目指しましょう。机の上で練習するなどして感覚を掴んでから実践すると良いと思います。

 付け加えておくコツがもう一つあるとすれば、「手首を少し高めに持ち上げた状態で叩く」ことです。個人的には、指の付け根と同じかもう少し上ぐらいの高さにした状態にすると反発を利用しやすい感覚があります。
 これはFXと縦連を続けて叩くことになるような譜面を捌く際にも、手首を下ろすだけでFXを押すことができるため、二重にメリットがあるのではないかと思います。

 ちょうどいいので冒頭で例に挙げた画像に触れていきましょう。
 1枚目の「Black night[MXM] 36小節目」については、上記のコツを踏まえた上で縦連の個数が少なくならないように意識すると勝率が上がるはずです。
 2枚目の「Verse Ⅳ[HVN] 8小節目」については、ロングノーツの始点をしっかりと「3打目」として捉えて、3打を押す時のコツを応用しましょう。それから、譜面にもよりますが、FXボタンをBT同様に人差し指・中指・薬指などで叩くと押しやすくなることがままあります。
 3枚目の「冥 Rockin' SWING REMIX[INF] 28小節目」は、左手の3連打はもちろんのこと、右手の3連打についてもFXボタンを押したまま手首を高めにしてコツに従ってみましょう。


 重ね重ね申し訳ありませんが、僕はどちらかと言えば縦連が下手な部類なので、「そういう意識でやっている人もいるんだな」程度に思っていただけるとこちらとしても助かります。これを読んで出来なくても石を投げたり火をつけたりしないでください。約束です。


両手で押す前提の縦連

 新しく別の項を立てる程度には縦連の中でも別物と言えるのが、「両手を使って交互に押すことを前提にした縦連」です。いや、交互でなくても押せることは押せる場合もあるんですが、少なくとも両手を使うことについてはほとんどのプレイヤーが異論ないと思います。よって細かいことは気にせず、話を進めていきたいと思います。
 まずは例示から始めましょう。

超越してしまった彼女と其を生み落した理由[HVN]
オニユリ[MXM]
び[MXM]

 めちゃくちゃ極端な例を持ち出してしまった節はありますが、ボルテにはこれぐらい極端な縦連が数多く存在していて、さすがに両手で取ることを最初から織り込み済みだろうということに説得力は持たせられたかと思います。
 この例の中で言うと、おそらく一番簡単なのは「び[MXM]」で、次点は個人差ですが「オニユリ[MXM]」かなと思います。もちろん「び[MXM]」が一番苦手だという方もいるでしょうから一概には言えませんが。(例として出したのが悪いけどオニユリの難しさだけ毛色が違くない?)

 こうした縦連において、難しさを規定するものは一体何かというと、「ボタンを反応させられるかどうか」です。
 もう少し詳しく言うなら、「ノーツとノーツの間で両方の手がボタンを押さない瞬間を作ることがどれぐらい困難か」、ならびに、「両方の手をクリティカルのタイミングでボタンに当てる(触れさせる)ことがどれぐらい困難か」、です。
 やっていること自体は「左右交互にボタンを一定のリズムで叩く」なので、両手でのトリルと大きな違いはありません。それがなぜ難しいのかといえば、やはり「ボタンが反応しないから」に他なりません。

 この観点で言うなら、例示した中で一番難しいのは「超越(以下略)[HVN]」でしょう。つまみへの移行も忙しいし、同時押しの縦連だから反応させるのも手を当てるのも難しいし。


 難しさの共有は出来たところで、このテの縦連のコツを伝授していきたいと思います。
 意識すべきことは以下の3点です。

  • 入りが左右のどちらかを明確にする

  • 手を持ち上げる力を入れる

  • なるべく左右の手は別の方向からボタンを押す

 まず1点目は、リズムをキープしやすくするという目的もありますが、それ以上に、「何打叩いたか」を分かりやすくする効果があります。「拍の頭から頭までを16分叩くと基本的に奇数になるので、押し始めと終わりが同じになる」などの法則性を知っていれば、特に「超越(略)[HVN]」のような縦連の前後が忙しい譜面においては、咄嗟の判断は少なければ少ないほどいいので、入りの手を決めておくだけでも捌けるようになったりします。

 2点目については、…………もはやこういう言い方をするしかなくて苦肉の策という具合なんですが、ボタンより少し上で腕の位置を保って、ボタンを押し次第すぐその位置に戻すようなイメージで縦連を押しましょう。ここで言う「すぐその位置に戻す」のに必要なのが「手を持ち上げる力」である、というわけです。すべてはボタンに接地する時間を少しでも短くするためであることを考えれば、このノウハウについては自然とそうなっていくものであるとも言えます。

 3点目も、ボタンを押す手がバッティングしないようにするにはそうする他ない、と言うべき内容です。「超越(略)[HVN]」を例にとるなら、右手は正面から普通に、左手は横から親指と人差し指または中指などで押すようにすると簡単になりますね。
 一応図解を用意しました。雑な絵ですみません。

超越(略)

 同時押しなのでこういった取り方が最適解なのは目に見えて分かりますが、単押しの時でもこの左右の手の向きに関する意識はしておいた方がいいでしょう。


 両手でとる前提の縦連は、物によっては2打ずつ取る方が上手くいくような譜面もありますが、どちらにせよ考えるべきことは常に「もう一方の手の邪魔にならないようにする」ことなので、それを軸にしながら色々と試行錯誤していきましょう。


 次は「縦連」と呼んでいいのかどうか分かりかねる要素である、「壁」についてお話しします。
 一応齟齬があるとイヤなので、今回も例示していきましょう。

Ganymede kamome mix[EXH]
GERBERA -For Finalists-[MXM]

 ご覧の通りです。SASUKEの2nd stageのラストに代表されるような(?)何枚もの壁に見えるので、こういう譜面を「壁」と呼びます


 基本的には前述の3打以上の縦連を捌く時のコツをそのまま流用するんですが、数が多くなるとそれだけでは間に合わなくなってきますので、もっとパワー全開の押し方を目指す必要が出てきます。

 そこで出てくるのが、僕がひそかに「妖怪みたいな動き」と呼んでいる、脇締め戦法です。

 やり方は非常に簡単で、①脇を締めて肘を脇腹につけ、②前腕を大体水平になるように保ち、③そのままボルテの鍵盤を押せる高さまで腰を落とす(人によっては不要)、というものです。
 この状態で肩に力を入れて前腕を揺らすと、脇を締めない時に比べて明らかに力が逃げていかない感覚があり、見た目はキモいものの結構なBPMまでは間に合うようになります。見た目がキモくなることに抵抗のない方や、見た目を気にする必要があるような環境でやらない方にはおすすめします。

 それから、壁が難しいことの要因の一つとして「左右の動きを一致させることが必要」というのがあると思います。
 これを緩和する手段として、FXボタンなら両方を右で、BT4つに対してなら左1/右3という分け方で押す方法があります。左利きで左の方がパワーがある方は左右を逆にして考えましょう。
 片手で押せれば「壁」が「縦連」に成り下がりますので、格段に楽になるケースがほとんどです。ぜひお試しください。



ボルテ特有の鍵盤

 縦に長い譜面についての解説を概ねし終えたところで、続けて横に広い譜面についても解説します。出来る範囲で(ここ大事)。


FXロングを押しながらの階段

 まず、これがしっかり出来ているか出来ていないかでPUC出来る譜面の数が大幅に変わると言われている(言われてはいない)、FXロングを押しながらBTを叩く譜面についてです。
 これに関してはもはや例示の画像もいらないと思いますので、そのまま話を続けていきます。

 FXロングを押さえながら鍵盤を叩くのがどうして難しいのかといえば、それはひとえに「指が動かなくなるから」であると思います。
 普段、どのような指の使い方で鍵盤を叩いているかにもよりますが、よく手首を動かして叩いている人ほど辛くなるはずです。FXロングを押さえるということは「手首が固定される」ということなので。

 ということは、いかに手首を固定しながら指の機動力を上げられるかが大切になってくるということではないでしょうか!?
 ではないでしょうか………………?

 そういうことならば、先に述べた内容の中で役に立ちそうなものがあります。「FXロングが絡む縦連」の対策です。
 「片手で押すことを前提とした縦連」の項で、以下のようなことを書きました。

3枚目の「冥 Rockin' SWING REMIX[INF] 28小節目」は、左手の3連打はもちろんのこと、右手の3連打についてもFXボタンを押したまま手首を高めにしてコツに従ってみましょう。

数十行前

 この通り、FXボタンを押したまま手首の位置を高くし、指を立てて押してみましょう。指の動きが少なからずスムーズになり、精度が取りやすくなるはずです。


 それから、バージョン次第では使えなくなってしまうノウハウなのですが、EXCEED GEARの2022年4月15日現在のバージョンでは「ロングノーツの遅入り」が16分までなら許容されます(早入りはもう少しアバウトで、昔から許容されています)。
 認識している譜面と実際に叩く譜面が微妙にズレるため、けっこう慣れが必要になりますが、早入り・遅入りを駆使することで楽になる場面はなかなかに多いです。
 先に慣れておくと、得することも大いにあるかと思います。下位譜面で試してみてもいいかもしれません。


FXチップ混じりの階段

 この項で取り扱う「FXチップ混じりの階段」とは、意味合いとして2種類あります。
 一つは、「FXチップを叩きながら階段を叩く譜面」。もう一つは、「FXチップが階段の要素になっている譜面」です。

 これも例を挙げた方が早いと思いますので、まずは画像をご覧ください。

Line 4 Ruin -kohumix-[MXM]
snow storm -euphoria-[GRV]

 1枚目が「FXチップを叩きながら階段を叩く譜面」で、2枚目が「FXチップが階段の要素になっている譜面」ですね。要は、いわゆる「混フレ(混合フレーズ)」になっているかどうかの違いです。

 どちらのタイプの譜面にも言えることですが、FXチップはBTチップに混ざると認識において非常に厄介になります。のみならず、操作においてもBTのみの階段に比べてより複雑な動きを求められます。
 レベルが上がるに連れてこうした譜面が増えていくことからも、これらがいかにボルテの譜面を構成する一要素として難易度が高いかが分かりますね。


 さて、ここから本題に入りますが、僕がこの項の冒頭で「FXチップ混じりの階段」を「FXチップを叩きながら階段を叩く譜面」と「FXチップが階段の要素になっている譜面」の二種類に分けたのは何故でしょうか? 答えは明白、これらに打つべき対策は全く違うものになるからです。
 まずは前者の「FXチップを叩きながら階段を叩く譜面」から参りましょう。

 「FXチップを叩きながら階段を叩く譜面」のプレーにあたって、認識する際に僕がよく気を付けていることは、「FXチップを叩く直前または直後のBTがどれなのかを注視する」というものです。先程の例で言うと、以下に丸をつけた箇所ですね。

Line 4 Ruin -kohumix-[MXM] はここを見ろ!

 「注視する」といっても、目で追いすぎると認識が崩壊するので、理想的な認識を保ちながらも「そこの把握だけは絶対にする」というようなスタンスでやるのが良いと思います。

 逆に、絶対にやってはいけないのが、「FXチップとそれ以外」という風に分けて認識することです。これをやると本当に一瞬で癖がつきます。
 先程貼った「癖」に関する記事でも述べていますが、「構造的には簡単だが動きは複雑になる」ような譜面の見方をすると、その譜面の押し方を思考してしまい、認識が崩れ、癖がつきます
 この認識方法だけは絶対に避けるよう、逆に推奨します。

 とはいうものの、僕の提案する認識方法も決してこれがベスト!と胸を張って言えるわけではありません。もっといい方法はいくらでもあるかもしれません。
 しかし、少なくとも僕はこれで今までやってきたわけなので、インペリアルになるまでならばこの方法でそこまで困ることはなかろうと思います。


 続いては後者の「FXチップが階段の要素になっている譜面」についてです。

 まず、一つ理解しておきたいこととして、「FXチップとBTが絡む階段」における指の動きは、片手につき6通りしかありません
 左手について言うと、BT-A、BT-B、FX-Lを並び替えて数え上げてみましょう。
・L→A→B
・L→B→A
・A→L→B
・B→L→A
・A→B→L
・B→A→L
の全部で6つですね。

 これを明らかにして何が言いたいのかというと、「それぞれ単体で練習して出来るようになっておきましょう」です。
 机の上などでそれぞれのパターンを叩いてみると、音と音の間隔が一定になるものとならないものが出てくるかと思います。一定になった場合はともかく、ならなかったパターンについては、恐らく実際の譜面でもそれが含まれているとニアを出しているのではないでしょうか。
 きわめて遅いスピードから始めて構わないので、タタタン、と綺麗に三発、等間隔で音を鳴らすことを目標にして練習してみましょう。

 そして、練習を進めてみると、どうしてもうまく鳴らないのが(左手の場合)「L→B→A」と「B→L→A」の二種類に絞られるのではないかと思います。細かいことは分かりませんが、人の手指はB→AやC→Dのような外に向かう動作が苦手だからです。
 これらについては、L→BやB→Lといった、内側のBTとFXチップの間を行き来する動きで、手首を前か後ろに平行移動させる意識をすると解決することがあります。何を言っているか分かりませんね。僕も説明が苦しくて困っています。
 何が言いたいかというと、手首を補助的に使ってあげると、指で押さなきゃいけないのが後ろの2打だけになって楽になるよ!ということです。
 少々邪道ではありますが(本当は全部指だけを動かして押せるようになった方が良い)、この方法で凌いできた自分がいるので、インペリアルになるまでならば(以下略)ということです。


縦トリル

 本来ならば前の項に含むべき内容だったのですが、縦トリルは階段ではないので別の項に分けました。
 (というのは建前で、実際には「6通りしか無い(キリッ」のくだりに水を差したくなかっただけです)

 縦トリルというのがどのような譜面かというと、

デストロイマーチ[EXH]

こういうのとか、

Angels and Demons[EXH]

こういうのですね。
 片手側にFXチップと一定のBTが交互に降ってくるような譜面を縦トリルと呼んでいます。

 こうした譜面を捌く際にできるアドバイスとしては、「FXボタンを押した時の反発を利用しよう」というのがあります。
 よほどボタンがしなしなの筐体でなければ、FXボタンにはバネが入っていますし、押した時に跳ね返ってくるような感覚は得られると思います。
 それを利用して、親指を思ったよりも浮かせて、その反動でBTを押す指を落として、またその反動で上がった親指を落として、その反動でBTを押す指を上げて、……というのを繰り返します。
 しかし、この「FXボタンを押した時に指を上げる」というのを意識的にやろうとすると、動きが油を差していないロボットみたいになりますので、反復練習をして「何も考えずに出来る動き」にしましょう


二重階段

 ボルテ特有の鍵盤といえばこれ、と言っても過言ではないのが、二重階段です。
 まぁみんなご存知かとは思いますが、例として画像を示します。

Booths of Fighters[EXH]

 便宜上二重階段と呼ぶほかないのでそう呼ばれてはいますが、実際の性質としては両手で押す縦連に近いです。
 なぜかといえば、二重階段が難しい理由はえてして「ボタンを反応させるのが難しいから」ということに集約されるからです。
 たま〜にいる、他の鍵盤ゲームで培った地力を活かして左右分業で捌く人を除いては、ほとんどの人がそれぞれの同時押しを片手で取って右・左・左とか左・右・右とかいうように捌いているのではなかろうかと思います。ので、そういう前提に立って話を進めるとします。

 この類の譜面を捌くにあたって気を付けたいことは一つで、基本的に真ん中(B+C)を担当する手は直前を叩いた側「じゃない方」の手にしましょう。

 どういうことかというと。

BOF[EXH]の一部分

 僕が運指を組むとしたら、上の画像の左の譜面なら「右→左→左→右」と組み、右の譜面なら「左→右→左→左」と組みます。これが一番手の動きがスムーズで、ボタンを反応させやすいからです。
 そう組まない場合を考えるとよく分かりますが、たとえば左の譜面で「右→右→左→右」と組むと、最初の右手の2連は左向きに払うことになりますよね。その直後、左手でボタンを反応させるために右手をどける必要が出てきますが、ここで問題が発生します。左向きに払った手をすぐに右上の方、つまり逆向きに動かさなければならないのです。
 これを「右→左→左→右」と組めば、左手で2連を押した時に左向きに払った後、そのまま左にどければいいだけなので、はるかに動作がスムーズになる、というわけです。


 それから、上の話とはまるで関係のない話なんですが、「壁」の項で出てきた「妖怪みたいな動き」を適用すると結構押しやすくなります。脇を締めると肘が固定されるので、横または縦の一定の平行移動がやりやすくなるみたいです。見た目がキモくなっても良ければ、是非お試しください。


つまみ

 さぁ、最後の項は「つまみ」についてです。

 ボルテの譜面を構成する要素のうち、最もボルテ特有で他ゲームからの互換が効かないために、他機種からの参入者がよく苦しんでいるところを見ます。「何食ったら上手くなれるのか」「全部覚えるしかない」「ゴチャゴチャしてるところは全部ハイエナしてる」などの声がよく聞かれる印象がありますね。最後のは特に最悪です

 そうした方々をなんとか助けるべく、つまみの認識方法について、また、つまみの操作方法について、僕の持てるノウハウを出来る限りお伝えしていきたいと思います。
 正直なところまだまだ力不足感は否めませんが、これも縦連の項と同じで、「人より出来ない状態から人並み程度には上手くなった」ところがある分だけ、人並み程度に上手くなりたい人向けの説明が出来るかもしれません。よろしくお願いします。


つまみの認識

 結局のところ、操作が出来ないのは総じて認識出来ていないのが原因なので、まずは認識について一通りの説明をしていきます。

 初めに、つまみが来るだけでオロオロとうろたえてしまい何も出来なくなってしまう方は、まずは片方の色だけを見てみましょう。少なくとも左右対称の回し方などについては、実質的に両方の動きが分かり、解決出来るようになるはずです。


 さすがに上記ほどではない方(この記事のメインターゲットです)は、「より動きが単純で見やすい方の色」を見ましょう
 実例を挙げます。まずは以下の画像を見てみてください。

Max Burning!![EXH]

 さて、この譜面において、つまみが苦手な人が点数を落とす原因は何か? それは、青つまみの直角が上手く入らないから…………ではなく、青つまみにつられて赤つまみが直線から外れてしまうから、であることがほとんどです。
 つまみにおける失点は、大抵が「他の動きにつられる」ことを原因としていると僕は考えています。

 ではどうすればいいのかというと、より「つられずに済みそうな方を見つけて、そっちを意識して正しく回す」のです。

 上の画像で言えば、80小節の間は赤つまみの直線を目で追いながらリズム通りに回し、青つまみは8分での折り返しだけを心がけて、81小節に入ったら逆に青つまみの直線を目で追う、といった具合です。

 では、他の譜面ではどうでしょうか。

#FairyJoke[EXH]

 これについても、先ほどと理屈は全く同じです。
 両方を正しく回そうとすると、宙に三角形を書きながら四角形を書くアレみたいになってしまうので、片方を確実に認識して正しく回します。
 直線になっている方の色を見極め、正しい長さ・正しい方向を心がけて回しましょう。曲線の方はそれを軸にしてくっついてくるだけと考えます。そうすると、つまみがどこかに飛んでいってしまう原因の大体が「直線の長さが足りないこと」になっていくはずなので、それを重点に置いて軌道修正していきましょう。


 上のことが出来たら、それに「つまみ簡略化」の要素も加えて考えると色々な譜面に応用が効くようになります。

 たとえばこの譜面で言うと…

セイシュンライナー[MXM]

 実は、赤つまみだけを見ると、曲の強拍に合わせて折り返しているだけの直線に置き換えても回し方が変わらないので、以下のような譜面として処理することが可能です。

セイシュンライナー[MXM]の簡略化

 上のように認識すると、意識して正しく回す方を赤つまみ、付随して少し複雑な動きをする方を青つまみとおけば、先ほどの二つの例と同様に綺麗に回せるのではないかと思います。

 まぁ、そもそもこのように認識するのに結構なハードルがあることは確かですが、直角→同じ方向の直線というようなつまみを「普通の直線」として認識し直すことが出来ると様々な恩恵が得られます。慣れておいて損はありません。


 以上の通り、つまみの認識の原則は「回しやすい(=切らないようにするのにより神経を使わない)方のつまみをよく見る」です。
 その場で見て回せた時の楽しさは是非とも味わっていただきたいものがあります。このやり方でつまみの認識力を高めていただければ幸いです。


つまみの操作

 さて、この項ではつまみの「操作」に関してつまずきやすい点を挙げ、その対策を述べていきます。
 先ほども述べた通り、操作が出来ない原因は大体認識出来ていないことです。しかし、もっとそれ以前に「回し方」に難があるとしたら、原因は認識ではなく「操作方法が分かっていないこと」になります。それに当てはまりそうな方向けの内容になります。


 まず、前提として。
 新筐体(VM筐体)はつまみが非常に軽く、きわめて感度が良いです。よって、必ずしも丁寧につまみを持って回す必要はありません
 また、新筐体特有のハード上の仕様で、つまみを回して手を離すと少しだけ逆方向に戻る性質があります。これを利用して楽できる場面がある一方で、この仕様が悪さをするケースも多々あります。

 上記の2点から、VM筐体における「ろくろ回し」(手のひらや指の腹などでつまみの側面を触って前後する回し方)の有用性はきわめて高いです。
 つまみ移行(鍵盤とつまみの行き来)が楽になることが最大の利点ですが、一定のリズムでうねうねするつまみに対して拍の意識を持ちやすいことや、いわゆるハイエナつまみ(16分の直角折り返し)の操作が間に合わせやすいことなど、枚挙にいとまがありません。
 そのため、今までろくろ回しをあまり使ってこなかった人も、今作ではやり方を習得し、使いどころでバッチリと使えるようになっておいた方が良いと思います。

 以上を踏まえた上で、操作が難しいつまみについて、対策をお話しします。


 まず第一に、直角→逆方向の直線となっているつまみについて。
 めちゃくちゃよくあるやつなので、これが安定して出来ると出来ないとではベースのスコア力が雲泥の差です。

Sudden Visitor[MXM]

 このような形のつまみを切らないのに大切なのは、「直角の向きとリズムを曖昧にしないこと」と「出来る限り早く逆向きに回すこと」の2点です。
 いきなり先ほどの「前提」を覆すようで申し訳ないんですが、こういうつまみに対してはろくろ回しをせず、つまみを持って回した方が良いです。
 かつ、指でつまんで手首ごと回すようにした方が良いでしょう。

 その理由はまぁ……上に書いてある通りです。直角の向きとリズムが曖昧になりにくくなり、早く逆向きに回せるからですね

 ただし、これには大事なコツがあります。
 「手首を回す量」についてです。

 右手でつまみをつまんだ時のことを考えてみましょう。ここで、手首が最も自然な状態になる時、つまみの側面の8時〜9時の方向あたりに親指があるのではないかと思います。何を言っているか分かりませんね。僕も説明が苦しくて困っています。(2回目)

真上から見た時のつまみ

 要は、このつまみに自然と手を伸ばしてつまんだら、親指の位置は図で言うところの大体8時か9時のあたりになりませんか? という話です。
 この親指の位置に対して、先ほどの譜面の画像のようなつまみを回すときにそれがどう変化するかというと、僕の場合は

直角を回す→7時〜8時
すぐ戻す→8時〜9時
まだ直線が残っていたら→ゆっくりと9時〜10時まで
直角回す→素早く7時〜8時まで回す
すぐ戻す→8時〜9時
・・・

このような感じになります。

 重要なポイントを説明すると、
直角はニュートラル(8〜9時)から少しひねった位置(7〜8時)まで回す
ニュートラルまでは力を抜くと自然に戻る
逆方向に折り返す直線では(次の直角に備えて)ひねりすぎない
という3点になります。
 特に3点目が難しいところですが、これは次の直角まで逆向きの直線を回し続けなければならないのに、耐えきれず直角方向に回してしまって切れるケースや、つまみを持ち直しながら直線を回して直角のタイミングが合わなくなるケースなどを回避するための施策です。
 直線が長い場合はさすがに持ち直しながら回すことも必要ですが、次の直角があまり間を置かず来る場合はこの持ちっぱなしの方法がベターでしょう。

 ちなみに、直角が外向きで直線が内向きの場合は、ニュートラルからの位置の推移を真逆に捉えましょう。9時から10時に回すのは少し動きに無理がありますので、全ての値を30分ほど内側にずらすとやりやすいかもしれません。


 第二に、いわゆるつまみ移行について。
 つまみ移行とは、鍵盤からつまみへの・つまみから鍵盤への素早い切り替えを強いてくる要素のことです。PHQUASE、月刊ミズタニ、TEK-A-RHYTHM、風瑠人、レッドホットスクリューズ、ビーフジョッキー、七色Methodなどがエフェクターになると決まってつまみ移行が苦しい譜面になりがちです。

 こうした譜面を捌くにあたって大切なのは、まず「つまみを丁寧に回そうとしすぎない」ということです。

 先ほど説明した前提に(ようやっと)立ち返ってみましょう。
 旧作・旧筐体では突き指覚悟でつまみを掴みに行って直角が反応しなくてPUCを逃しました、みたいなことが往々にしてありましたが、今作のつまみはほぼ触っただけで反応します。ちょっと言い過ぎかな〜とも思えるかもしれませんが、結構マジで触れば回ります
 そのため、とにかくろくろ回しで触りに行くのが大切です。外向きに回す時は12時のあたりを指先で払うように触るといいと思います。


 第三に、ハイエナつまみについて。「ハイエナつまみ」と書きましたが、要は連続で来る直角の折り返しのことです。
 僕も非常に苦手ですが、人並み程度には出来るようになったので(以下略)。

 これについては人によって様々な回し方があります。ろくろ回しでこする人もいればつまんで手首をひねる人もいますし、12時の方向に沿って人差し・中・薬指の腹を当てて横にこする人もいます。他にもあるかもしれません。
 個人的なおすすめとしては、1拍分ぐらいの長さならろくろ回しで、BPMが遅めならつまんで手首をひねって、BPMが早めなら指を当てて横にこする、というように使い分けることです。

 前後の譜面次第なところもありますが、場面ごとでハイエナつまみの一番やりやすい方法は違うと思います。その時々のベストなやり方を探しましょう、というのが僕に出来るせめてものアドバイスです(諦観)。



つまみ複合

 最後に、つまみ複合についてです。
 これは読んで字の如し、つまみと鍵盤が複合した譜面のことを言っています。

 「つまみの認識」の項で詳説した内容を援用する形になりますが、つまみ複合を認識する時にすべきことは、「より動きが単純で見やすい方を見る」ことです。より動きが単純なのは、普段から極めて直感的に認識している通り、鍵盤です。鍵盤の認識を優先しましょう。

 結局のところ、「両方を見ようとして視点がとっ散らかってしまいどちらも追えない」という状態になってしまうのが出来ない原因だと思いますので、片方の認識がベストならもう片方を追えるだけの余裕が残るだろう、という理屈でこの認識を推しています。


 それから、上記とは別のタイプで、「つまみの一定のパターンと鍵盤が同時に来る」というのがあります。good high school[INF]に代表されるような譜面です。

good high school[INF]

 こういった譜面をやる時は、「どちらか一方向の直線8分ぶんの長さ+それと同時のノーツ」だけをしっかりと認識しています。
 そうするとリズムを刻みやすくなりますし、8分の直線に対して目押しが効きやすくなります。

 あまり他の人がやっているのを見かけはしませんが、個人的にはこの方法が一番つまみも外れやすく鍵盤も光りやすくなると思っています。是非一度お試しあれ。



おわりに

 お疲れ様でした。
 もしかしたらめちゃくちゃ読み飛ばし倒してここを読んでいるかもしれませんが、それでもお疲れ様でした。

 この「ノウハウ集」はまさしく「ノウハウ集」であって、あくまでも「上達論」とは似て非なるものです。
 それを踏まえると、このノウハウ集は「ノウハウを引き出して思い出す」ために使うのが一番適した使い方なのではないかと考えています。
 「上達論」(これをすれば上手くなれる、これが成果を出しやすい曲だ、など)については他の方にお譲りします。正直なところ、それを書けるだけの自信は今の自分にはまだ備わっていないこともあるので。

 僕に出来ることは、僕が積み上げたノウハウを共有することまでですが、せめてこれを読んでくださった皆さんのお役に立てれば幸いです。

 最後に、これを読んで「闇雲に4クレや5クレやるよりははるかに上達につながりそう」と思ってくださった方は、その辺のストリートミュージシャンにチップを投げるぐらいの気持ちで記事購入していただけると泣いて喜びます。


 お読みいただきありがとうございました!
 それではまたどこかでお会いしましょう。

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