メモの取り方 /メモを取れない人がいる

メモを取れと散々言われる。私自身も散々言っていたけれど、どうもメモを取れない人がいるということに最近気づいた。正確には、メモを取れないというよりも、メモの取り方を知らないだけかもしれない。

メモなのに必要な情報が書かれていない

書いたメモを見ると、まず何のためにメモを取っているのか理解していないというのが大きい。大半のメモは、未来の誰かに伝えるためにある。それは職場の上司かもしれないし、、未来の自分かもしれない。自分も含めて、誰かに伝えるために作るのがメモだ。しかし、メモが苦手な人は、必要な情報をすべて書かない。要素だけ書いておけば、思い出せるはずと思い込んでいるらしい。どうもこの未来の自分を過信しているきらいがある
たとえば、「もし外出したとに、もしスーパーに寄ったとして、バナナを1000円分買ってくる」ことについてメモを書くとする。メモの取れない人は、『バナナ』としか書かないのである。「もし」ということも今は分かっている、「スーパーで買う」ことも今は分かっている、「1000円ぶん」ということも今はわかっている。だから、バナナとだけ書いておいて、それを見れば思い出すはずということのようだ。
これが、今から外出するところであれば、思い出せるかもしれない。しかし、翌日だったらどうだろうか。そんなの覚えているのに決まっていると言うのだが、よほど印象に残っていない限り覚えてないことのほうが多い。バナナのほかに、ミカンだったり、キャベツだったりというメモが別にあったらどうだろう。混乱しないだろうか。ミカンは買うのではなく食べる予定かもしれないし、キャベツは春キャベツのことかもしれない。
先の例では、「可能であれば」「スーパーで」「1000円ぶんの」「バナナを」「買う」といった5つの要素から構成されている。もちろんすべてを書く必要はないかもしれない。複数書いてあれば、記憶で補えるし、覚えてなくても類推できるかもしれない。「バナナ」だけよりは、マシだろう。スーパーではなく八百屋ではダメなのかということもあるし、1000円を超えてはいけないのかどうかといったことなど細かい条件があるかもしれないが、この場合「可能ならバナナを1000円ぶん」としておけば十分だろう。

頻繁に書くメモは定型化しておく

すべての情報を書く必要はないが、繰り返しになるが記憶で補える範囲おしくは類推できるようにしておく必要はある。
企業や部署によっては、自分あて以外の電話をとり、その相手が不在のときに残すメモをフォーマット化していることがある。「日時」「所属(どこの会社の人か)」「名前」「性別」「電話番号」「折り返し必要か」「伝えるべき件」を、埋めればいいようになっているようなものだ。電話番的な役割の人であれば、毎回聞くことは決まっているわけで、印刷しておけば、電話をとったときそれを埋めていけばいいということになる。
商品化もされていて、ニチバンから「電話メモ」として売られている。
こういったものを使う利点としては、何を聞くべきかが最初から記されていることにある。うっかり電話番号聞き忘れてしまうといったことを防げる。
そしてもう一つの利点として、一件につき一枚の紙で完結することにもある。適当な紙に、電話番号と名前がいくつも書かれていたらどうだろう。改めて、伝えるためのメモを書き起こすつもりだったとしても、さらにほかの電話がかかってきたり、別の用件を先に済ませなければならなくなったらどうだろう(急な腹痛でトイレにいくことだってある)。
もちろん、きちんと整理されていればいいが、そうでない場合、どれか探し当てるのは難しくなるし、伝達ミスが生じる可能性がある。一件につき一枚の紙にすることで、メモとしての役割を果たしつつも、自然とミスを軽減させている。おそらく、メモを取るのが苦手で、かつ電話を受けるのが苦手という人
なお、電話での言伝というと、今時はメールやメッセージングツールを使うかもしれない。それであっても、とりあえず紙に書くというのはアリかもしれない。もちろん、メモを書いてメールで送るのを忘れるというミスもありえる。それはそれで、送り忘れないような工夫が必要かもしれない。

未来の自分を信用してはいけない

先のバナナの例に再び登場してもらうと、頻繁に買い物のメモを作る必要があるなら、電話のように必要な項目を書けるようにしたものを作っておいてもいいかもしれない。その場合は「いつまでに」「何を」「銘柄」「量」「金額」「購入場所」といったところだろうか。
いずれにしろ、重要なのは、必要な項目を書いておくということ。少なくともくことがいておくことが重要。少なくとも、「きっと思い出せるだろう」などと、未来の自分を信用してはいけない。

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