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2024/06/21(ミュンスター:25日目)

 ミュンスターは雨ふりの多い街だ。ここに来てから体験した雨は街の澱んだ微熱を洗い流してくれるライトオンスでささやかな空からの贈りものだった。今日までは。
 正午過ぎに昼食を外で食べて、自転車で移動していると雨が降ってきた。ナイロン製のフード付きジャケットをはおり、それがパラパラと雨を弾く音を最初は楽しんでさえいたが、たちまち癇癪を起こしたようなスコールが街を包んだ。あまりに突然だったので近くにあった木の下に滑り込み、とりあえずはしのげるかのように思えた。しかしそれも束の間、さらに雨足は強まり枝葉を通過してくるようになった。こうなれば木の下だろうが川縁だろうが関係がない。どこか適当な避難場所がないか周りを見回してみたが、あいにく見当たらずどこか建物の中で落ち着くにはあまりにぐっしょりと濡れすぎていたので自習室に行く予定だったけど、そのまま帰ることにした。
 雨に降られるのはそんなに嫌いじゃない。もちろんそれはいくつかの仮定のもとに成立する気持ちではあるけれども。今日のように1.自転車に乗っていて 2.家まで15分ないし20分程度かかる距離感で 3.フード付きのジャケットないし帽子などの頭部を雨から保護してくれる何かを着用していて 4.そこまで寒くない気温の時に降られる雨は嫌いじゃない。

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