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息をしやすい場所に身を置く

あなたにとって酸素とはなんですか。

息の詰まるような日々の中で
すこしでも呼吸がしやすい場所をみつけておくことが、生きやすさの手掛かりになる気がして模索中です。

雁字搦めになっているとき、「もうだめだー!◯ぬしかないかもー!」ってなってしまったとき、

むかし読んだ本にあった優しい台詞が、ふわっと頭に浮かびます。

「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。」

梨木香歩 『西の魔女が死んだ』

高校生の頃、教室に居場所がないように感じていました。
いろんな音や感情や匂いをぐちゃぐちゃに押し込んだ箱の中には、隅っこに押しやられた私の分の酸素なんてすこしも残ってないと思いました。

そんな時、私を生かしてくれたのは大好きなヴィジュアル系バンドの存在でした。
イヤホンを付ければいつだって大好きな彼が耳元で歌ってくれました。
東京のライブハウスに繰り出せば、たくさんの仲間が私の名前を呼び声を掛けてくれます。
ステージで歌う彼はひときわ輝いていて、酸素が薄いはずの箱の中では不思議なほど呼吸がしやすく、「今生きてる!」と何より実感することができました。
高校生の私にとって、そこが居場所でそれが酸素でした。

息のしやすい場所に身を置く。
もう縛るものも責める人だっていません。
呼吸のコツが掴めてきたら、
いつか、誰かの酸素になれたらいいな。

つづく



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