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第24節 アビスパ福岡vsセレッソ大阪 レビュー

GK村上の後半アディショナルタイムに入る寸前の極めて勇気ある飛び出し。
そして、後半アディショナルタイム+5分のクルークスのシュート性のクロスにジョンマリが飛び込んで生まれた決勝点。

サッカーにおいてよく言われる「良い守備から良い攻撃」を上回る「素晴らしい守備から素晴らしい攻撃」が、2試合連続の後半アディショナルタイム弾へと繋がった。

これで勝ち点33の10位。
昨年目標を達成した長谷部監督が、今シーズンが始まる前に設定したラインを再び視野に捉えた。

試合の振り返り

アビスパは試合開始直後から、高い位置からボールを奪おうという意志を見せ、勝ちなしが続いた6試合よりもCBの2人がセレッソの選手と数的同数になる場面は多かった。

それはリスクでもあるのだが、奈良・グローリのコンビは対人の守備は滅法強い。
強いチームの1つの条件である、各々を信頼するということが出来ていたことの表れでもある。

それを可能にしているのは、新加入の中村駿とキャプテンの前がコンビが中央を締めていることも大きい。
決して引きすぎることなく、それでいて中央に縦パスを入れられる場面は少なかった。

チーム全体の前への意識がサロモンソンのクロスを山岸が決めた先制点を生み、1度は追い付かれたものの後半もFW2人が孤立することはない。
全体として縦への意識を強く持ち続けることが出来たことで、冒頭の2つの場面に繋がったのだった。


採点(及第点5.5)、寸評

GK村上昌謙 7.5 失点の場面はやむなし。松田のシュート、そして何より89分の飛び出しでチームを助けた。

DFエミル・サロモンソン 7.0 裏を取られるシーンもあったが、積極的な攻め上がりから先制点をアシスト。

DF奈良竜樹 6.5 ほとんどの時間帯で素晴らしい守備を見せたが、失点の場面だけはタガートのマークを外してしまった。

DFドウグラス・グローリ 7.0 対人の強さ抜群の奈良とのコンビで何度もセレッソのカウンターを阻止した。

DF湯澤聖人 6.5 左足からファーサイドの金森に精度の高いクロスを供給。思い切りの良さも含め、良いプレーを見せた。

MF金森健志 6.5 攻守に貢献したことはもちろん、ドリブルでの突破、18分には惜しいシュートも放った。

MF中村駿 6.5 これまでは主に守備で輝いていた前が、攻撃面でも目立つ機会が増えたことからも彼のバランス感覚の良さが分かる。

MF前寛之 7.0 守備はもちろん、持ち上がりから縦パスを供給。また、シュートこそ打たれたが58分に奥埜に付いていったシーンは隠れたファインプレー。

MF田邉草民 6.5 サイドを突破することやハードワークという分かりやすいSH像とは違う、草民らしさを見せた。中村とは考え方が合いそうだ。

FWフアンマ 6.5 ボールをしっかり収め、山岸やSHと連動してカウンターを発動。彼が力を発揮してくれるとチームは楽になる。

FW山岸祐也 7.0 MOM。あえて遅れてゴール前に入り、けれどその瞬間は勢いよく。そんなゴールシーンはもちろん、90分を通してらしさを発揮した。

MF杉本太郎 5.5 良い持ち上がりはあったが、ボールを離すタイミングには課題も。期待値は高いが。

MFジョルディ・クルークス 7.0 決勝点を奪取。マイナス方向への切り返しからあのシュートを打てる選手は、J全体を見渡してもほぼいない。

FWジョン・マリ 6.0 適切なポジショニングから決勝点に絡んだ。徐々に守備能力も向上している。

DF輪湖直樹 6.0 ワンタッチでのパスで決勝点に関与。ゴールの場面ではゴール前に侵入するなど積極的だった。

長谷部茂利監督 7.0 輪湖、クルークス、ジョン・マリが決勝点に絡むなど采配ズバリ。


印象に残った場面


劇的な決勝点を決めたクルークス。しかし、得点後も試合後のインタビューでも冷静さは失わず。端正な顔立ちも含めて、まさに千両役者と言うべき姿だった。

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