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来季こそは昇格を!データ面から福岡J・アンクラスの2023シーズンを振り返る

「なでしこリーグ2部には出場記録のデータがない」
Jリーグでは当たり前のそれが見当たらないことに気付いたのが、この記事を作るきっかけでした。凝り性が発揮され、気付けば3,500文字を超えていました。
本格的に福岡J・アンクラスを応援するようになってまだ1年未満ですが、データ面ではアンクラスの2023シーズンの振り返りや新加入選手情報などどこよりも詳しく書いている自信がありますので、年末年始の時間がある際にでも読んでいただけると幸いです。

2023シーズンの福岡J・アンクラスが昇格を逃した要因

前半戦は昇格圏内に位置していたものの、第10~第13節の4連敗が響きなでしこリーグ1部への昇格を逃した2023シーズンの福岡J・アンクラス。
最終的に、10チーム中4位でシーズンを終えました。昇格圏内となる2位以上に入るには、何が足りなかったのでしょうか。
 
優勝したのはヴィアマテラス宮崎。ただし、14勝4分とあまりに圧倒的な成績でなでしこリーグ1部に昇格したため、参考にはならないでしょう。
そこで、昇格圏内の2位でシーズンを終えたJFAアカデミー福島(1 部加盟基準を満たしておらず来季も2部所属)と、惜しくも昇格圏内を逃した3位・岡山湯郷Belleを比較対象に挙げています。
JFAアカデミー福島は18試合で11勝3分4敗の勝ち点36。
岡山湯郷Belleは18試合で10勝4分4敗の勝ち点34。
アンクラスは18試合で9勝4分5敗、勝ち点は31。
 
勝ち点に大差はないものの、得失点差を見ると歴然とした差が見えてきます。
JFAアカデミー福島は+30、岡山湯郷Belleは+21。
対してアンクラスは-5。
 
失点数は福島の15、湯郷の24に対し、アンクラスは19。
全18試合のため1試合あたりの失点は約1と、アンクラスも十分堅守といえるでしょう。
 
となると、課題は得点力にあることになります。
得点数をみると福島・湯郷ともに45であるのに対し、アンクラスは14。上位チームの3分の1以下では厳しいでしょう。
 
2024シーズンに昇格を達成するには、得点数を伸ばすことが必須といえます。

2023シーズンの選手個々の成績

続いて、選手個々のデータを見てみます。
選手ごとの出場記録を、簡易的ですが作成してみました。
アンクラスの選手の2023シーズン出場記録
 
出場時間の1位は、全試合にフル出場した朝山美帆選手、和田莉愛選手、藤亜由美選手。
この3選手は絶対的な主力だったといえます。
 
続いて、4位は1424分の浮田琴音選手、5位は1422分の小山莉奈選手、6位は1403分の藤山眞子選手でした。
 
スタメン出場数は、1位タイが全試合となる18試合が朝山美帆選手・和田莉愛選手・藤亜由美選手の3名。
4位タイの16試合が、浮田琴音選手・小山莉奈選手の2名。
6位タイの15試合が、藤山眞子選手・柳田詩織選手の2名。
8位タイの14試合が、成合瞳選手・髙橋萌々香選手の2名でした。
 
勝利数を増やすには、スタメン出場する選手だけでなく途中出場する選手もとても大切です。
そこで今回は、途中出場したかに関わらず、ベンチ入りした数もカウントしてみました。
 
1位は13試合の奥田真歩選手。
2位タイは、10試合の岡未沙子選手・進藤真奈花選手・野田夏未選手の3名。
5位タイは、8試合の庄司美優選手・須田綾香選手・原日樺選手の3名でした。
 
また、チーム内の得点ランキングは、1位が6得点の柳田詩織選手。
2位が3得点の小山莉奈選手。
3位タイは1得点の岡未沙子選手・上村美月選手・平坂咲希選手・平良文果選手・藤山眞子選手でした。

2023シーズン終了後の引退・退団選手の状況

12月25日時点で、以下の選手たちの引退・退団が発表されています。発表順で記載します。
退団:藤崎愛乃選手(→ヴィアティン三重レディース)
引退:長部汐莉選手
引退:朝山美帆選手
退団:和田莉愛選手
退団:須田綾香選手(→ヴィアティン三重レディース)
引退:岡未沙子選手
 
全試合フルタイム出場を達成していた朝山美帆選手が引退、和田莉愛選手が退団を選択しました。
それぞれGK・DFの要といえる存在だっただけに残念ではありますが、今後の人生・サッカー人生を応援致します。
その他にもアンクラスで7シーズンを過ごし背番号10を背負った岡未沙子選手と背番号19の長部汐莉選手が引退、背番号13の藤崎愛乃選手と背番号7の須田綾香選手が退団となりました。
藤崎愛乃選手と須田綾香選手は同じくなでしこリーグ2部のヴィアティン三重レディースへの加入が発表されており、来季は強力なライバルとなるでしょう。

選手入場直前の1枚

2024シーズンに向けた新加入選手の成績と紹介

一方で、12月23日時点で以下の選手たちの加入が発表されています。加入順で記載します。
加入:綿貫心華選手(吉備国際大学。9月26日の加入ですが、事実上2024シーズンの新加入選手と考えられるため記載)
加入:GK暁清流選手(オルカ鴨川FC)
加入:FW/MF松本百花選手(AICJ高等学校)
加入:MF福井真歩選手(オルカ鴨川BU)
加入:FW玉城薪瀬選手(オルカ鴨川BU・国際武道大学)
加入:DF野口ひかり選手(オルカ鴨川BU・国際武道大学)
加入:FW村上真生選手(スフィーダ世田谷FC)
加入:DF小熊桃華選手(スペランツァ大阪)
 
綿貫心華選手は福岡出身で、筑陽学園高校時代には全日本高等学校女子サッカー選手権大会への出場歴もあります。卒業後は吉備国際大学へ進学していましたが、9月26日にアンクラスへの加入が発表されていました。
 
暁清流選手の前所属チームであるオルカ鴨川FCは、なでしこリーグ1部に所属しています。
暁清流選手は2020シーズンから4シーズン、背番号16を背負いオルカに所属。
2023シーズンは出場機会がなかったものの、2021シーズンは22試合、2022シーズンも7試合に出場していました。
福岡県出身で福重JSCやブリステル福岡レディース(いずれも福岡市西区)でサッカー選手としての下地を作っており、今回地元のクラブで1部昇格を目指すこととなりました。
 
松本百花選手の出身校であるAICJ高等学校は広島県の進学校で、女子サッカー部は2019年に創設された新興勢力です。
12月30日に開幕を迎える第32回全日本高校女子サッカー選手権にも出場し、松本百花選手は背番号12、MFで登録されています。
 
福井真歩選手・玉城薪瀬選手・野口ひかり選手の前所属チームであるオルカ鴨川BUは、なでしこリーグ1部に所属するオルカ鴨川FC(千葉県)の育成チームです。
大学生・社会人を中心として活動しており、2023年度は千葉県女子サッカーリーグ1部で2位となっています。
 
村上真生選手の前所属チームであるスフィーダ世田谷FC(東京都)は、なでしこリーグ1部に所属しています。
村上真生選手は2023シーズンのスフィーダで背番号22を背負い、DFに挑戦。14試合に出場しています。
しかし元々はFWで、2022シーズンにはなでしこリーグ1部で得点ランキング5位タイの8得点を記録していました。アンクラスはFWとして発表しており、来季はFWとしてプレーするかもしれません。
 
中村萌愛選手・小熊桃華選手の前所属チームであるスペランツァ大阪(大阪府)は、なでしこリーグ1部に所属しています。
中村萌愛選手は2023シーズンに順天堂大学からスペランツァに加入しDF登録で背番号19を背負いましたが、出場機会は得られませんでした。
小熊桃華選手は2023シーズンのスペランツァで背番号14を背負い、1649分に出場。DFのレギュラーの一角として活躍しました。
 
データのあった村上真生選手・小熊桃華選手の、2023シーズンの出場記録もまとめてみました。
村上真生選手・小熊桃華選手の2023シーズン出場記録

2024シーズンの予測

2024シーズンの目標は、なでしこリーグ1部への昇格です。
そのためには持ち前の堅守を維持しつつ、得点を増やさなければいけません。
守備陣の主力だった朝山美帆選手、和田莉愛選手が退団となったことは痛手ですが、なでしこリーグ1部での出場経験を持つ暁清流選手、小熊桃華選手がそのポジションの主力として活躍してくれる可能性は高いでしょう。
また、村上真生選手がFWで出場するのであれば、得点増への強力な武器となりそうです。すでに契約更新が発表された小山莉奈選手、柳田詩織選手などとの連携による得点増が期待されます。

無論、その他の選手にも期待大です。
若手の選手が多いですが、2023シーズンに大卒1年目ながら多くの出場機会を得た原日樺選手のような存在が現れるかもしれません。

2023シーズンの主力をベースにピンポイント補強の選手が加わり、新加入選手と出場機会の限られた選手から複数のニューヒロインが現れてなでしこリーグ1部へと突っ走る。
アンクラスにとって来季がそのようなシーズンとなることを願って、熱く応援し続けます。

福岡J・アンクラスでは現在「なでしこリーグ1部昇格プロジェクト」と題したクラウドファンディングを実施しています。
私はただのサポーターに過ぎませんが、3,000円から支援できますのでよろしければチェックしてください。
なでしこリーグ1部昇格プロジェクト




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