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石津大介への感謝、そしてエールを込めて

「ドリブルが得意で相手を抜ける選手」と「労を惜しまず帰陣し守備をする選手」
どちらの選手になりたいだろうか。おそらく、前者を選ぶ方が多いだろう。

では、どちらが息の長い選手になるだろうか。
年齢を重ねてもチームに貢献し続けられるのは、おそらく後者だろう。

アビスパ福岡に7年半在籍をした石津大介は、前半の5年半と後半の2年で前者から後者へと大きくその姿を変えた選手だった。

プレースタイルを変えること

人には大なり小なり、プライドがある。
一般的に、得意で自信のある事柄であった場合それは大きくなる。

プロになるほどサッカーに打ち込んできた選手にとって、自らのプレースタイルは大きなプライドであり、誇りのようなものだろう。

何らかの理由でクオリティが落ちてしまっても、同じ武器で戦おうとする選手は多い。

石津が2019年の7月に負った右膝前十字靭帯損傷、外側側副靭帯損傷、外側半月板損傷という極めて大きな怪我は、全治8か月と伝えられたことからも分かるように、まさにその理由に当てはまるものだった。

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そして2020年の開幕戦、ギラヴァンツ北九州との福岡ダービーで直接石津のプレーを観たが、ドリブルのキレは明らかに落ちていた。

けれどこの試合ではそれ以上の驚きがあった。長谷部茂利監督がSHに求める守備を身に付け、どのSHよりも素早く帰陣し中央に絞る姿は以前の石津には見られないものだった。

福岡で生まれ育ちサポーターに愛された男は大きく舵を切ったのだ。プロサッカー選手でい続けるために。

ピッチに戻るためのリハビリと、プレースタイルを変貌させるためには熾烈を極める努力があったはずだ。

全治8か月と伝えられながら8か月経っていない北九州戦で復帰した事実が、それを物語っている。

石津大介の現在の魅力

自らの背後のスペースを消す守備を含め、現在の石津大介にはSHでは珍しいほどにチームに貢献できるという魅力がある。

SHに縦への突破力というよりも、守備のタスクを求めるクラブであればきっとフィットするはずだ。また2020年に4得点を奪いJ1昇格に貢献したように、持ち前のシュート技術に衰えは感じられない。

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「俺の石津大介 ゴール突き刺して 相手黙らせろ」という個人チャントの内容を実現する力はまだまだある。

高い守備能力と献身性、シュート技術。それらの魅力を評価してくれるチームが見付かること、そして新たな個人チャントが作られるほどの活躍をみせてくれることを、強く願っている。

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