個人的に選ぶアビスパ以外の試合ベスト15 第2〜1位
ルールは、生中継で観た試合限定で、アラサーの自分がしっかり覚えている試合のみ。
ほとんどがアビスパと同じぐらい大好きな日本代表絡みの試合です。
今回もそれぞれの試合のハイライト動画のリンクを貼っていますので宜しければ。
第2位「2018年ロシアW杯・ベルギー戦」
大会直前に西野朗氏へ監督を交代をして本大会に臨んだ日本代表。グループリーグではコロンビアに勝利、セネガルと引き分け、ポーランドには敗れるも決勝トーナメント進出を果たしました。
そして初のベスト8進出を達成すべく挑んだのは、文句なしの強豪・ベルギー。
2002年の日韓W杯では引き分けた相手ですが、その後世界的な選手を数多く輩出し、GKクルトワ、DFコンパニ、MFデ・ブルイネ、MFフェライニ、MFエディン・アザール、FWルカク等を擁し優勝候補の一角にも挙げられるほどのチームでした。
戦前の予想では圧倒的にベルギー優位。その相手に、まさにあと一歩。史上最もベスト8に近付くことになるのです。
前半から試合を支配したのはベルギー。世界トップクラスの攻撃力を発揮し、幾度もGK川島永嗣が守るゴールへ迫ります。対する日本も気持ちを押し出した守備で失点は許しません。
後半に入り、押しているのに点が取れないとなると焦れてくるのはベルギーのほう。そこに生まれた一瞬の隙を、MF柴崎岳とMF原口元気は逃しませんでした。
48分、前を向いてボールを持った柴崎。視線の先には裏のスペースに走り込む原口。そこへパスを出そうとしますが、あえてワンテンポ遅らせてからスルーパス。
この一瞬の溜めがなければきっと原口へは通っていませんでした。オフサイドに掛からないギリギリのタイミングで出たボールにベルギーのDFが懸命に足を伸ばしますが届かず、原口の足下へ。
原口はシュートモーションに入りましたが、ここでもあえて一瞬溜めを作りワンテンポ遅らせたのです。これによってGKクルトワのタイミングをずらし、逆サイドへ飛んだボールに世界的名手でも届かず、ゴール!
ここしかないというプレーを2つ続け、完璧なカウンターで日本が先制しました。
これで意識がより前に向いたベルギー。51分、ペナルティエリアの僅かに外でボールを持ったのはMF乾貴士。DFはシュートコースを消そうとしましたが、この瞬間だけ寄せが甘く、やや左の角度から逆サイドの隅を狙ったシュートが再びネットを揺らします。
ベルギー相手に2-0。日本の見事な戦いぶりは間違いなく、世界中を驚かせました。
ただここから、大会直前に監督が代わったがゆえの問題点が表出してしまうのです。
突貫工事で1つのやり方の完成度を上げることは出来ましたが、多彩なパターンを持つことまではできておらず。
ベンチスタートだったMFフェライニを投入しベルギーが高さをいかした攻撃をしてきたことへの対応ができませんでした。
69分に1点を返されると、74分にはフェライニにヘッドを許し一気に同点。
その後は日本も踏み止まりお互いに次の1点を目指しますが、運命の1点はアディショナルタイム4分、まさに試合終了直前に生まれました。
日本のCKのチャンス。これをGKクルトワがキャッチすると、そこからわずか14秒。ベルギーの電光石火のカウンターが炸裂し、日本も懸命に帰陣するも間に合わず。
シャドリに許したゴールが、日本の初のベスト8を阻むこととなってしまいました。
しかし、喜びの涙と悲しみの涙を1試合で、それも40分ほどの間に流させてくれたサッカーというものの圧倒的な面白さを改めて感じ。
そしてこの、「ロストフの悲劇」とも呼ばれる試合の悔しさを、ドーハの悲劇の悔しさをジョホールバルの歓喜で払拭したように、2022年のW杯で払拭してくれることを期待しています。
第1位「2011年女子W杯決勝・アメリカ戦」
この試合までの、なでしこジャパンの対アメリカの戦績は0勝3分21敗。
一度も勝ったことがなく、身体能力で差がある相手に、W杯決勝という舞台で、土壇場で追い付き、PK戦でGKが圧倒的な活躍をみせる。
これほどまでに劇的で神懸かった試合を、日本代表の試合で他に観たことがありません。
2011年7月17日。女子W杯決勝が、ドイツ・フランクフルトの地で、満員の観衆の中行われました。
この舞台に立ったのは、ドイツと並び優勝候補筆頭だったアメリカと、組織力を武器に紙一重の試合をくぐり抜け初めてここまで辿り着いた我等が日本。
序盤から猛攻を仕掛けるのはアメリカ。日本は強みのパスワークを発揮する余裕もなく、身体能力を武器に押し込まれます。
この上ないほどに身体を張った守備で耐え忍びますが、29分にはアメリカのエース・FWワンバックに決定的なシュートを撃たれます。これはクロスバーが救ってくれましたが、いつ守備が決壊してもおかしくない状況のまま、0-0で前半が終了。
日本としては結果の面で上出来な前半でしたが、アメリカは後半開始からスピードに優れるFWモーガンを投入しさらに圧力を強めてきました。
後半開始直後にそのモーガンにポスト直撃のシュートを撃たれヒヤッとさせられると、69分でした。
カウンターを受け、ロングホールに抜け出すモーガン。DF熊谷紗希が必死に足を伸ばしますがモーガンのシュートがネットを揺らし、ついに均衡が破れました。
かなり厳しい状況に陥るも、それでも諦めずに同点ゴールを目指すなでしこジャパン。
諦めの悪さは、間違いなく佐々木ジャパンの武器でした。
81分、川澄奈穂美が上げたクロスをDFがクリアしようとしますが、味方に当たってゴール前にこぼれます。ここに僅かな可能性を信じて長い距離を走って詰めていたのはMF宮間あや。GKの逆を突くアウトサイドでのシュートで同点!
決勝に相応しい熱戦は、延長戦へともつれ込みます。
延長に入っても流れはやはりアメリカ。104分、ワンバックがクロスに頭で合わせ、再びアメリカがリードします。
このまま終わっても大健闘・感動をありがとうと言われる内容でしたが、なでしこジャパンはやはり諦めが悪い。
延長後半、疲労もあるなか決死の攻撃を見せる日本。そして終了間際の117分、左からのCKのチャンス。蹴る直前に声を掛け合って、狙うはニアサイド。宮間のキックに、そこへ走り込む澤穂希。
点と点が線となり、澤が右足で合わせます。非常に難しい体勢でしたが、ワンバックに当たってコースが変わりゴール!
再び追い付いた日本。しかし延長終了間際、モーガンに抜け出されます。DF岩清水梓が強引に止めますが、それと引き換えに退場に。
ただ、そのおかげもあり優勝の行方はPK戦へ。
PK戦直前の円陣を組んだ際に印象的だったのが、監督も選手も笑顔の日本と、険しい表情のアメリカ。
ここでこの試合初めて、根拠はありませんが勝てる予感がしました。
PK戦でヒロインとなったのは、GK海堀あゆみ。
先行となったアメリカの1人目のキックは逆を突かれるも残した足でブロック、3人目のシュートもセーブ。
2-1で迎えるは日本の4人目のキッカー、熊谷。決めるとW杯優勝という状況で、夜空を見上げてキックモーションに入ると、放ったシュートはゴール左上に突き刺さる。この瞬間、日本がW杯チャンピオンになったのであります。
そして、大会を通じてチームを引っ張り続けた澤穂希はMVPに輝きました。
試合が終わったのは早朝でしたが、この試合を1人で観ていた僕のテンションは最高潮でした。あまりの劇的な試合と感動で、泣きながら独り言で「えらいことが起きた、えらいことが起きた」と何度も言っていたことを覚えています(笑)
完全に独断で決めたランキングでしたが、読んで頂いた方、本当にありがとうございました。
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