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第10節 アビスパ福岡vsFC東京 レビュー

アビスパ福岡は中2日、FC東京は中5日。
アビスパとしては非常に難しい試合になることが予想されたが、内容も結果も見事な試合を見せてくれた。

スタメン、ベンチメンバー

GK村上、右からDFサロモンソン、グローリ、宮、志知。
MFは金森、前、田邉、杉本。
FWにはメンデス、山岸。

ベンチにはGK杉山、DF湯澤、DF森山、MFクルークス、MFカウエ、FW城後、FW渡。

志知は出場停止からの復帰。
杉本は開幕戦以来の出場でいきなりスタメンに名を連ねた。

また、新外国人のクルークスは選手登録が前日に完了したばかりにも関わらず、早速のベンチ入り。長谷部監督の期待を感じさせる。

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前半戦

FC東京は高い位置を取る左WGのアダイウトンを積極的に使い、CFのD・オリヴェイラも左に流れることが多く左サイドから攻めを繰り出していく。

そこには、DFでありながらアビスパの右の翼を担うサロモンソンの攻め上がりを抑える目的もあったものと思われる。

16分には右CBグローリの裏を突かれD・オリヴェイラに決定機なシュートを打たれたが、GK村上が触ったボールはポストに当たりゴールは許さず。

しかし、これを機にはっきりとFC東京ペースに。アビスパとしてはセカンドボールを拾われ自陣に押し込まれることとなったが、ここで我慢でき、そして柔軟に戦えたことが大きかった。

前者で言えばCBの宮が釣り出されることが増えていたグローリへのカバーの意識を高め中央のスペースを埋め、後者で言えばFC東京の選手のポジショニングが左に偏重していることを全員が認識すると狙いを反対のサイドへ。

キャプテン・前のパスが分かりやすかったが、ボールを持つとすぐにスペースが空いていた志知のサイドを確認しそちらへボールを供給していく。

30分には16分のシーンと同じようにD・オリヴェイラが裏を狙ったが、宮がしっかりカバーしシュートは許さず。

粘り強く戦ったことで35分頃から再びボールを持てるようになり、37分には惜しくも枠には飛ばなかったものの志知のクロスに金森が合わせ惜しいシーンを作った。

直後の38分。シンプルながら組織を個が上回りかけアビスパとしては危険な場面を作られる。ゴールキックをアダイウトンが落とし、D・オリヴェイラが運ぶというシンプルな形でビッグチャンスを作ることができるのはFC東京の強みだ。

ここはタッチが大きくなった瞬間にGK村上が的確な判断で飛び出しセーブ。事なきを得た。

40分にも村上がチームを救う。クロスのこぼれ球にD・オリヴェイラがボレーで合わせたが、しっかりと枠外に弾き出した。

アビスパも42分に杉本が金森の連携から縦に切り込み、ファウルを受けたがFC東京の選手はこの判定に抗議。
すでに今季2度決めているサロモンソンの直接FKを嫌っていることの表れも見えた。

精度の高いキックで枠は捉えていたが、ここはGK児玉がしっかりとキャッチ。

決定機を作ることができていたのはFC東京だったが、GK村上を中心に粘り0-0で折り返した。

後半戦

後半に入っても試合の全体像は大きく変わらず。
長谷川監督のハーフタイムでの指示としても伝えられたように、FC東京はサイドからの攻めにはっきりと狙いを持っていた。

実際に54分には右で組み立て左へ展開という流れから、攻め上がった左SBの小川のクロスにアダイウトンが合わせたがオフサイド。

続けて56分にも右からのクロスに東が飛び込んだがオフサイド。ここは前寛之が瞬時の判断でラインを上げ、東をオフサイドにしている。

アビスパがこの試合初めての決定機を作ったのは57分。ロングパスをサロモンソンがなんとか繋ぎ、金森との技術の高いワンツーからクロス。
フリーで山岸が飛び込んだが、バウンドが難しかったこともありシュートは枠の大きく上。

互いにチャンスを作り試合が動き出しつつあったこの時間帯。結果に結び付けたのはアビスパだった。

58分。FC東京のアンカー・森重の脇のスペースで受けた杉本が左サイドにスルーパスを送り、受けた山岸は志知へ。
ここで志知が積極的に前を向き、ペナルティエリア内に侵入しクロス。田邉が落とし杉本がシュート。ブロックされたが田邉が再びシュートし、右足でコースを変えたのはメンデス。

それまでクロスから2度良い形を作りながらオフサイドだったFC東京と、オンサイドでゴールを認められたアビスパ福岡。

この差を分けたのは、切り替えの部分だった。
FC東京はWG田川が守備に懸命に戻っていたのだが、マークしていた選手からボールが離れたことで仕事が終わったとばかりに歩いていたため、ラインを上げられなかった。

サッカーにおいて、ゴールは何よりの良薬だ。
ここからアビスパがSBも含めて積極的にサイドから惜しい場面を作っていく。

67分こそスピード抜群のアダイウトンに裏を突かれたが、シュートを打つ前に宮がブロック。

得点を目指したいFC東京は69分に3枚替えを行い、J屈指のスピードを持つ永井を入れたことでロングボールで裏を狙うシーンが良くも悪くもより増加。

75分辺りからスタートからピッチにいた選手達の動きが目に見えて落ちていくのだが、その幅がより大きかったのは中2日のアビスパではなく中5日のFC東京だった。

76分には再び左サイドを攻略した志知がクロスを上げ、山岸がシュートを打ったがGK児玉が触りクロスバー、詰めたサロモンソンのシュートはCBの渡辺が頭でブロック。
惜しくも2点目はならず。

78分に杉本が負傷交代となり、クルークスがデビュー。

87分、FC東京にカウンターを許しかけたが、志知が右サイドまでついて行きカット。
DAZNで観ていたのだが、このシーンには自然と拍手をしていた。

最終盤はFC東京の攻めを受ける場面が増えたが、山岸、城後という2トップが守備面で非常に効き危ないシーンは少なかった。

唯一、アディショナルタイム5分にCKから左サイドを永井に突破され、小川にシュートを許したがここはクロスバー直撃。

試合序盤に個の力に苦しめられたこと、約2倍のシュート数を放ちながら追加点を奪えなかったことは今後の課題ではあるが、最後まで集中力を切らすことのなかったアビスパが1-0で勝利を収めた。


採点(及第点は5.5)、寸評

GK村上昌謙 7.0   前半をスコアレスで折り返せたのは彼の活躍があってこそ。D・オリヴェイラのボレーをはじめビッグセーブを何度も見せた。

DFエミル・サロモンソン 6.5   FC東京が左サイド偏重だったこともあり攻撃に絡むシーンはやや少ない。それでも57分には決定的なクロス、76分にも決定的なシュートを放った。

DFドウグラス・グローリ 6.0   16分にD・オリヴェイラに決定的なシュートに持ち込まれたが、時間の経過と共に相手との距離感を微修正。クロスバーに当たった小川のシュートも可能な限りコースを消していた。

DF宮大樹 6.5   次第にカバーの意識が高まり、最後まで安定した守備を見せた。気迫を感じさせる、見事なプレー。

DF志知孝明 7.5   MOM。FC東京が左サイド偏重だったこともあり主役に。サロモンソンを抑えられても左にこの男がいる。突破から先制点を演出し、最後の最後まで勇敢に戦い抜いた。

MF金森健志 6.0   ゴールに迫るシーンは少なかったが、攻守にしっかりと貢献。杉本との連動性も良かった。

MF前寛之 6.5   この試合でもさすがの活躍。ボール奪取能力に加え、展開力もJ1仕様にアップグレードされている。

MF田邉草民 6.5   CHの位置で起用され、ボールを引き出す動きを続ける。機を見た攻撃参加で先制点をアシスト。

MF杉本太郎 6.0   消える時間帯もあったが、先制点の起点を作るなどクオリティの高さを見せた。左サイドの攻撃に変化を加えただけに、負傷交代したことは心配。

FWブルーノ・メンデス 6.5   目立つシーンが多かったわけではないが、決勝ゴールの価値は何より大きい。ストライカーの嗅覚で今季初得点を記録した。

FW山岸祐也 6.5   試合を通してサボらず、80分を過ぎて再び輝きを放つ。76分のシュートを決めていればMOMだった。

FW城後寿 6.0   B・メンデスに代わり73分より出場。積極的なプレスでチームを大きく助ける。ボールを引き出し、攻撃にもしっかり関与していた。

MFジョルディ・クルークス 5.5   杉本に代わり78分より出場。切り返しで観客を湧かせたが、本領を発揮するのはこれからか。

MF湯澤聖人 採点なし   どこのポジションでもしっかりとタスクを果たしてくれる。信頼できる男。


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