見出し画像

第11節 サンフレッチェ広島vsアビスパ福岡 アビスパ福岡目線レビュー

リーグ戦でFC東京に1-0、ルヴァン杯ではサガン鳥栖に1-0。そしてサンフレッチェ広島に挑んだ今節。

公式戦3連勝をかけた一戦は、過去の昇格時とは違うことを改めて感じられるものとなった。

スタメン・ベンチメンバー

画像1

スタメンは図の通り。競争が激しいSHには右に金森、左に石津が入った。

ベンチにはルヴァン杯・鳥栖戦で決勝ゴールを奪ったクルークスと選手登録が完了したばかりのジョンマリが名を連ねている。

前半戦

前半9分に金森のクロスがオウンゴールに繋がり先制したものの、28分に青山のピンポイントクロスを東に合わされ追い付かれる。

この時個人的には、追い付かれるのが早すぎると感じていた。

基本的に追いかけるチームは0-0の時間帯以上にエネルギーを使うことになるため、リードしている時間が長ければ長いほど少しずつ優位に立つことができる。

ところが20分も経たずに追い付かれたことでその優位性はほぼ存在せず。
さらに広島のホームゲーム。勢いづくことも間違いない。
恐らく、過去の昇格時であれば逆転されていた展開だろう。

ところが長谷部アビスパは、昨季から何度も良い意味で裏切ってくれる。ボールは握られたものの同点で試合を折り返した。

後半戦

そして、後半にはいつものように前半を上回る内容を披露。

正確にはアビスパの選手は90分間同じようなテンションでプレーしているのだろう。通常は時間の経過と共に疲労で強度が落ちるため、長谷部監督の的確な指示も相まって相対的にアビスパの質が上がったように感じられる。

迎えた58分、クロスのこぼれ球に対し前がダイレクトでシュートを放つと、利き足でない左足だったにも関わらずGKから離れていく軌道を描いたボールが左隅に決まり、2-1。

ここから長谷部監督は登録が済んだばかりのFWジョン・マリ、ルヴァンカップの鳥栖戦では決勝ゴールを奪ったMFジョルディ・クルークスを途中出場させフィットを図っていく。

加えてCBの宮を投入し、5バックにして逃げ切りを狙い、そしてGK村上のビッグセーブもあったとはいえ実際に勝ち切ってみせた。

理想的な展開で勝ち点3を奪い、これで4勝4敗4分と五分の成績で暫定9位に浮上。

リーグ戦の次節の相手は浦和レッズ。
昨季から注目していた小泉選手が力を発揮しつつあるが、チームとしての完成度では負けないはず。

リーグ戦3連勝、そして白星が黒星を上回ることができるか、要注目だ。


採点(及第点5.5)、寸評

GK村上昌謙 7.5 85分のシュートストップは神セーブと言うべきもの。それ以外も非常に安定したパフォーマンスで、MOMの選定では前と悩んだ。

DFエミル・サロモンソン 6.5 広島の両サイドが高い位置を取るため、目立つシーンは多くない。それでも守備で安定感を見せ、先制点と勝ち越し点の起点に。

DF奈良竜樹 6.5 55分のタックルには自然と拍手をしていた。クリアのタイミングを迷うシーンはあったが、非常にタフなCBという彼らしさを取り戻しつつある。

DFドウグラス・グローリ 6.5 ドリブルでの持ち上がりを奪われ危険なシーンを招いたものの、それ以外はいつものように強固だった。

DF志知孝明 7.0 90分を通して集中力、運動量共に高い質を保つ。最終盤にボールを奪い持ち上がろうとする姿は恒例になりそうな予感。

MF金森健志 6.0 先制点に繋がるクロスを入れた。ただ、失点したシーンでは最優先すべきのボールホルダーへのマークを外してしまい、フリーでクロスを上げられた。

MF前寛之 7.5 MOM。今季全試合にスタメン出場し常に安定したパフォーマンスを披露しているが、週に1度の試合となると更に質が上がる。左足で決めた決勝ゴールは長い間語られるものとなるだろう。

MF田邉草民 6.5 J2だった昨季はCHよりもSHでのプレーのほうが良かったが、J1の今季はCHでも好プレー。持ち前のテクニックに加え、ボールをカットするシーンも増加している。

MF石津大介 5.5 守備の質は本当に高い。だが攻撃ではロストが目立った。サイドでボールを持った時の選択肢がもう1つあるとより良いのだが。

FWブルーノ・メンデス 6.0 オウンゴールとなったものの、先制点の場面ではゴール前へ良い入り方をしていた。ブラジル人らしく、コンディションはこれからさらに上がりそう。

FW渡大生 5.5 古巣相手に決めたいという気持ちは感じられた。48分にはCKに頭で合わせたがキャッチされた。

FWジョン・マリ 6.0 60分より渡に代わって途中出場。試合勘も連携もまだまだだが、圧倒的なコンタクトの強さでDFに怖さを与えられる選手なことは間違いない。

MFジョルディ・クルークス 5.5 80分より石津に代わり出場。試合に出場するごとに守備意識の向上が感じられる。

FW城後寿 5.5 80分よりメンデスに代わり出場。2トップの一角として、宮を投入後は左SHとしてプレー。チームプレーに徹し、懸命なプレーでチームを助けられる存在だ。

DF宮大樹 採点なし 87分に金森と交代で投入された。久しぶりに5バックでの逃げ切り策が実現。グローリ、奈良、宮の3人が信用に足るだけのものを見せてきたことの表れでもある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?