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サッカーコラム:なぜ、強豪でないクラブを応援するのか

これまでにたくさんされた質問と、その答え

僕がアビスパ福岡のサポーターだと知ると、「強いチームを応援したほうが楽しくない?」と聞かれることがある。

20年以上応援してきた間に、似たような質問を何度もされてきた。

そしてその度に思ってきた。「いやいや、強くないから応援するんじゃん」と。

もちろん強くなってほしい。そのために応援している。

けれど、強いチームを応援したいんじゃない。応援しているチームに強くなってほしいんだ。

そこには非常に大きな違いがあると思う。

そもそも、僕の場合は我が街のクラブだから応援し始めた。
だから福岡生まれで福岡育ちの僕は、自然とアビスパ福岡を応援するようになった。

強豪だからとかそうじゃないからではなく、きっかけとしては単純にそれだけだ。

これはあくまで僕の場合で、もちろん他の地域のチームを応援するのももちろんアリ。理由だって、何でもいいと思う。
サッカーは自由だ。

だけど、強豪チームを応援したほうが楽しいという点は納得できない。

バネの法則

もちろん、強いとは言えないチームを応援していると悔しい思いをすることはたくさんある。
回数で言えば、嬉しいことより悔しいことのほうが多い。

でも、僕がこれまでにアビスパからもらった度合いで言うと、圧倒的に喜びのほうが大きい。

悔しいことがあるから喜びが大きくなる。
僕はこの関係性は、バネのようなものだと思っている。

悔しい思いをするとバネは縮む。繰り返されるとさらに縮む。

そして嬉しいことがあった時には、思いっきり伸びる。悔しい思いをしてきたかどうかで、この時の勢いが違う。

勢い=喜びの度合い、だ。

だから、サッカー、そしてJリーグは面白い。チーム数が多いために優勝するのが難しく、昇格や降格という喜びや悔しさをもたらす大きな出来事が起こるから。

2021シーズンのJリーグには57クラブが参戦している。
さらにその下、JFLや地域リーグや都道府県リーグも含めると物凄い数になる。

そして数の大小はあれど、それぞれのチームにサポーターがいる。

対して、日本における強豪クラブはJ1にずっといる数クラブしかない。
それ以外の大多数のクラブのサポーターは、悔しい回数がかなり多いはずだ。

でもみんな応援する。

我が街のクラブや好きな選手がいるといった理由もあるだろうけれど、このバネの法則による物凄い勢いの喜びが待っていると知っているから。

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