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第23節 アビスパ福岡vsサンフレッチェ広島 レビュー

長谷部アビスパの強み

サッカーには本当に様々な面白さがある。
長いリーグ戦での1試合。さらには1-1の引き分けにも関わらず、この試合後の両監督の表情だけを見ると勝者と敗者に分かれたかのように感じてしまうことだろう。

5連敗中だったアビスパ福岡に課せられたのは、1人退場、0-1という状況から勝ち点を得ることだった。

この難しい課題に対し、タッチラインを割ったボールを拾い何度も味方に渡した永石が良い例であるように、ピッチにいる選手・ベンチにいる選手・監督やスタッフも含めた全員で答えを出した。

この一体感こそが、長谷部アビスパの最大の強みと言える

試合を振り返って

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前半から広島がボールを支配し、さらにドリブルとパスを使い分け、アビスパとしては我慢を強いられた。
それでも焦れることはなく、終盤まで0-0で推移すれば問題はなかった。

しかし不可解だった志知孝明への1枚目のイエローカードが布石となり、PKはともかく退場に繋がってしまったのだからホームチームに関わる全ての人々は余計に悔しさを感じたはず。

でもだからこそ。前寛之の左足から放たれたボールが広島の選手に当たり、GK林を超えてゴールに吸い込まれた場面でアビスパサポーターは1得点以上の嬉しさ、感動を味わうことができた。

この勝ち点1を次回は勝利への布石として、次節・セレッソ大阪との一戦から一桁順位へと浮上していきたい。

採点・寸評(及第点5.5)

GK村上昌謙 6.0 PKの場面は仕方がない。それ以外はしっかりとゴールに鍵をかけていた。

DFエミル・サロモンソン 6.5 対面の藤井のケアもあり攻め上がる回数は限られたが、最終盤には諦めない姿勢でチームの意識をゴール方向に向けさせ続けた。

DF奈良竜樹 7.0 79分のピンチではオフサイドに仕留めるなど、数的不利になってからは特に『博多の壁』として君臨した。

DFドウグラス・グローリ 6.0 54分に広島のカウンターを止めたシーンは見事。それ以外にも前を向いた守備を繰り返した。

DF志知孝明 4.5 不可解な1枚目のカードがあったとはいえ、PKを与えての退場はいただけない。再びの奮起に期待。

MF金森健志 6.0 豊富なスタミナを惜しみなく使い、攻守に積極的なプレー。ただ、攻撃面ではそれをシュートに繋げたかった。

MF中村駿 6.0 アビスパデビューとなった試合で安定したプレーを披露。攻守のバランスを取るだけでなく、サッカーをよく知っている。

MF前寛之 7.0 MOM。いつものように、90分間を通して安定したプレー。そして後半アディショナルタイム7分には起死回生の同点ゴール。

MF杉本太郎 5.0 技術は確かだが、それを効果的に使うことが出来なかった。肉弾戦が多く難しい試合とはいえ、まだまだできる選手。

FWフアンマ 5.5 前半44分の決定的なシュートはポストに当たってGKに向かうという不運。得意の空中戦・ポストプレーでは苦戦した。

FW山岸祐也 5.5 前半44分にフアンマに出したスルーパスは見事。54分にシュートに持ち込んだ場面のような積極性を常時観たい。

DF湯澤聖人 6.0 山岸と交代で68分より出場。愚直なまでの縦への推進力で、終盤の左翼を担った。94分には全速力で広島のカウンターを阻止。

MF田邉草民 5.5 中村と交代で78分より出場。コンディションの向上に中村駿の加入という発奮材料も加え、再びチームを浮上させたい。

MFジョルディ・クルークス 5.5 杉本と交代で78分より出場。縦を切られたが、同点にした場面では何度も切り返すことでマークを引き付け、前寛之の前方のスペースを空けた。

FWジョン・マリ 5.5 フアンマと交代で78分より出場。ボールに絡む機会は多くなかったが、ラストワンプレーのようにチームに貢献する場面が増えてきた。

FW城後寿 採点なし 金森と交代で後半アディショナルタイム1分より出場。短い出場時間で大きな仕事は出来なかったが、裏へ抜ける動きを何度も行い広島のDFラインを下げさせる。

長谷部茂利監督 6.5 退場とPKでの失点でゲームプランは崩れるも、慌てることなく我慢。78分に田邉、クルークス、マリを一気に投入することでチームへメッセージを送り、それは同点劇へと繋がった。


印象に残った場面

前寛之のシュートがゴールに吸い込まれ、劇的な同点ゴールとなった直後。サロモンソンが前寛之を追い越す見事な攻め上がりからの、ジャンボ大久保を彷彿とさせるようなガッツポーズ。
ゴールに収まったボールを再度ゴールに蹴り込んだグローリも含め、この試合に懸ける気持ちを感じさせた。

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